虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

赤ちゃんの能力を高める方法 と ハンディーキャップのある子への接し方の共通点 4

2011-08-17 13:26:33 | 幼児教育の基本
幼児前回の続きです。

ステージ4

<問題解決能力を身につける>

問題解決型ごっこ遊びが有効。
「この車、動かないよ! どうしたらいい?」というように目標達成を故意に妨げるような
それでいて、子どもの興味をひくような状況を設定する。
コミュニケーションを続けざる得ない状況を設定し、
大人が助けることで、
子どもとのあいだで多くのコミュニケーションが実現する。


ステージ5

<考える力を育てる>

子どもが要求や関心を表現できるように促す。
ごっこ遊びでも言葉を使ったやりとりでも、
自分の考えを表現させる。
その際、言葉と行動と感情は深く結びついていることを忘れないようにし、
常にそれらを結びつけるようにする。
子どもの考えを絵画、記号、空間デザイン、さらに言葉などのいろいろな表現方法で具現化していく。


ステージ6と7

<倫理的思考を身につける>

ごっこ遊びでも実際の会話でも、さまざまな考えを比較検討し、
違った筋書きを導入する。
ごっこ遊びでも現実の議論でも、過去、現在、未来といった時間概念を意識させる。
カウボーイの真似をしながら、
「カウボーイは明日どこに行くのかな」と言ってみる。
量の概念も大切。簡単に欲しがるものを与えず、「どれくらい欲しいの?」とたずねる。
ままごとで全員にお茶をあげるにはコップがいくつ必要かも
考えさせる。


       (『自閉症のDIR治療プログラム フロアタイムによる発達の促し』S.グリーンスパン S.ウィーダー著
           広瀬宏之訳 創元社 より(簡単に要約して紹介します)

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上の内容を読んで、虹色教室で普段から何気なく交わしていた
子どもとの会話が、子どもの考える力や論理的思考を伸ばしていたんだな~と実感しました。

たとえば、子どもとの工作の様子を下のような記事にしたことがあるのですが、
今読み返してみると、さりげない会話と活動を通して、子どもが自分の頭でよく考え、論理的思考力を
身に付けていっている様子がわかります。

レッスンで工作をしたり工作の記事を書いたりすると、
何をどんな風に作るかとか、どれくらい上手に作れるようになるかとか、工作のついでにどんな知識を教えるか
といったことだけが注目されて、
子どもがどんなことに興味を持ち、どんな風に人と関わり、どんな言葉を発したかのかといったことは
どうでもよいことのように扱われがちです。

でも、本当は、そうした目立たない部分ほど、子どもを成長させる糧となっているものです。

訓練による目に見える成果ではなく
ゆっくりゆったり味わいながら、人と触れ合う楽しみを満喫しながらする体験の蓄積は、
子どもの本当の賢さや地頭を育みます。

どうか
2度とやりなおすことができない幼児期を
明るく温かで優しいものにしてください。
子どもの目の輝きや幸せそうな笑顔で日々を満たしてください。
工夫する喜びと頭を使うワクワク感でいっぱいにしてください。

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過去記事から  <なぜ幼児に工作をさせると考える力がアップするの?>


教室では2歳くらいから、自分のイメージを表現する手段を与えています。
それは、工作だったり、ブロック製作だったり、遊びの世界を展開していくことだったりします。

「知能を育む方法が、どうして工作なの?」
「どうしてブロックなの?」と質問を受けるときがあります。
幼児は目で見て、手を使って考えます。

幼児に頭の中だけで考えさせるのは、不可能とも言える事です。
ただ工作のように具体的に目で見える作業を通してなら、
幼児も自分のしていることの中に
意味や課題を見つけ出し、
秩序に気づき法則を見出したり、
自分のできることの可能性を感じ取って、集中的に作業ができるようになっていくのです。
また客観的に自分のしたことを振り返って
表現していくことも上手になっていきます。

そうした能力アップも魅力ですが、
幼児が自分で工作をするようになったとき、
何より周囲が驚くのは、ぐずりやワガママ、飽きっぽさ、感情の爆発などが
減っていき、
落ち着いてよく考えて行動するようになることです。
創造性が発揮されることが、
心の安定へとつながるのでしょう。

3歳、4歳の女の子3人のレッスンでの話です。
2歳くらいから教室に通ってくれている3歳の★ちゃん、4歳の☆ちゃんは、
とても工作が上手で、自分でさまざまなことを思いつき、
イメージしたものを即座にもりもり作っていく
子どもたちです。
想像力豊かで問題解決能力が高いため、
「欲しいものがあったけど買ってもらえなかった」といった状況でも、
「なら、紙と~で私たちで作っちゃおう!」と即座に切り替えて
毎日笑顔を溢れさせて生活しています。

一方、最近このグループに入ったばかりの●ちゃんは、
他の子が何か作ったり、楽しく遊んでいる間も、
教室のおもちゃを自分の物にしたがって泣いて、次々新しいおもちゃを出しては片付けるのは嫌で泣いて、みんな何かするときは「できない」の一点張りでした。
このように困ったちゃんとはいえ、
●ちゃんからは発達の問題はあまり考えられず、
知能も高い子であることは感じていました。
お母さんが迎えにくるとぐずぐずはさらに激しくなって、
●ちゃんのお母さんは、泣いたりわめいたりしはじめると止まらなくなるこの子にどう対応したらよいのかすっかり困惑しておられました。

★ちゃんのお母さんが●ちゃんのお母さんとお友だちであったため、
●ちゃんの愛着がきちんと育っていないことを気にかけて、
愛着の形成がきちんとできていくように手助けしていきました。
また教室では、工作や物作りを通して、
自分の内面にあるものを創造的に表現していく手立てを与えていました。

すると、少し前まで教室に来ると新しいおもちゃを引っ張り出しては
少しするとかんしゃくを爆発させていた●ちゃんが、
紙コップを指して
「これで、お人形さんの帽子が作れるんじゃない?」
「私ベビーカーが作りたいの。大きくてちゃんと押せるやつ。
丸い車輪もついているやつよ」などと、それまでには考えられなかったような
想像力を使った目的をもった発言が増えてきました。

●ちゃんは工作に興味を持ち、少しずつですが、
自分で作れるようになってきたのです。するとそうした具体物や
具体的な作業を通して
自分の考えを整理し、イメージの世界を言葉で表現できるようになってきたのです。


するともともと持っている利発で頑張り屋の性質が外に現われてきて、
こぐま会のワークからクイズのように問題を出す時間には、
いくつもいくつも問題を解きたがる姿がありました。
その表情の中には自信をみなぎり、
ニコニコと満面の笑みが広がっていました。

3歳の●ちゃん、★ちゃん、4歳の☆ちゃんのレッスンの日。
●ちゃんと★ちゃんは、「ベビーカーを作りたい」と言い、
(☆ちゃんは自分で思いついた別のものを作ってました)
私が箱に
数箇所切り込みを入れてイス型のベビーカーのおおまかな形を作ってあげると、
布を貼ったり、リボンなどを飾りつけたり、折り紙で車輪を作ったりして
自由に仕上げていました。

ふだんよく工作をする★ちゃんは、物を観察する力が優れています。

それで、折り紙に小皿を当てて車輪を作るまでは自分でしたものの
「これはピラピラだから回らないの。ダンボールに貼り付けて」と言ってきました。
車輪って……飾りで貼る程度に考えていた私はちょっとびっくりしてしまいました。
「回るようにしたいの?」
「そう。真ん中に棒が入っててそれからくるくるってなるの。回すときビリッってなったらダメだから、堅い紙に貼るの」と★ちゃん。
そこで、折り紙を切り抜いた車輪をダンボールに貼り、ストローを通すのを★ちゃんといっしょにやってみました。
それから、ベビーカーに穴を空けて、そのストローをさして、くるくるまわして見せました。

これで満足するかと思うと……

「ちがうの、こうして、ベビーカーが動いたら、車輪がくるくるってしないと……
手で回すんじゃダメだもん。ここの車輪の下がもっと外に出てるのよ。これはちがうの」と言います。

車輪について、よく観察していますね……そうですよね。手で車輪を動かすベビーカーは確かにおかしい……。

そこで、穴の位置を下にずらして車輪が地面に触れて回るように改良しました。
すっかり満足した★ちゃん。

それを見ていた●ちゃん。
教室ではベビーカーに折り紙を切り抜いて作ったうさぎのシールを貼ることなどで忙しかったため、車輪は作りませんでした。
後日うかがったところ、
お家に帰ってから「車輪が作りたい!」と言い出したそうです。
そこでお母さんがいっしょに作ってあげたところ、
「ちがうの。ちゃんと回るやつ。こうなっていて~」と★ちゃんの作品の作りを一生懸命伝えようとし、
お母さんは「私にはできないわ~」と困ってしまったそうです。
確かに困ったでしょうね。でも、★ちゃんがそれだけ物事をていねいに捉えて考えるようになっている証拠なので、
出来る限り付き合ってもらったのだったらいいな~と思いました。


子どもに「工作で何が作りたい?」とたずねると、
「ちゃんとピカッて映って絵が動くテレビ作りたい!」「水に沈んで、沈んだままずっと進んでいく潜水艦が作りたい!」
「お友だちと本当におしゃべりできる電話が作りたい」といった返事が返ってくることがあります。

「そんなの無理よ」「作れないわ」「お母さんにはできないわ」
と即答する方がいます。
「そんな無茶ばかり言わないで!」
と、そうした子どもの言葉をクレームのように受け取る方もいます。

そうした親御さんの、考える前から、
「無理」「自分には出来ない」と決め付けてしまう態度は、
たちまち子どもに浸透します。

子どもの中に
工作だけでなく、どの学習科目にしても、少しでも考えなくてはならない場面にぶつかると、
「それは私には無理」「それは私にはできない」と決め付けたり、

めんどくさかったり、邪魔くさかったりすれば、「できない」と言いさえすれば、
それから逃れられると思う態度を育ててしまうかもしれません。

どんなに不可能と思えることも、
子どもが興味を持ったなら、即座に思考のスイッチをオフにしてしまわず、

観察してみる、イメージしてみる、考えてみる、会話を膨らます、推理してみる

くらいはしてもいいかもしれませんね。
とにかく子どもに、何でもかんでも、「できない」で片付ける姿を
見せていくのは、なるべく避けたいですね。

そこまで子どもの相手をしていられない。いちいち子どもの言葉にそこまで付き合っていたらきりがないと感じる方もいるでしょうね。でも、子どもって
自律と自立のための支えが必要な一時だけしか、大人に頼らないものです。
4歳の☆ちゃんなんかは、
素材を準備するところからイメージ通り再現することまで
全て自分でできるようになっているので、
私の手をわずらわすことなく
ひとりでモクモクと作業を続けているのです。
かなり前から、欲求や願望に十分つきあってあげていたので、自分で作業する力がしっかりついているのです。



ペダル式のゴミ箱の仕組みに興味を抱いて以来、
いつもお家で気づいたことを「大発見大発見!!」と意気込んで知らせてくれる
3歳のかいくん。
今回のレッスンで、かいくんが目を丸くして必死で説明してくれた大発見は、
「あのねぇ、ティッシュをねぇ、引っ張るとね~出てくるの。
もっともっとって。ティッシュを引っ張ると、ティッシュがぁ出てくるの」
という話でした。

「本当???それはすごいね~!!ティッシュ引っ張ったら、もっとティッシュが出てくるんだ。へぇ~」といっしょに感動を味わってから、
いっしょにテュッシュが次々出てくるしかけを作ってみました。

ティッシュの量が少なくなっている本物のティッシュ箱を使ってもできますよ。

ティッシュを取り出して、半分に折るとき次のティッシュをかませて折り、それを折るとき折るとき、次のティッシュをかませて折る……

と、交互にティッシュ引っかけた状態で折っていきます。
それを箱に入れたらできあがり。
(下から紙製のバネで押し上げる仕組みを作ると、取り出しやすいです)

これがティッシュが次々出てくる仕組みです。
この説明ではわからない……という方は、ティッシュ箱から
ある程度の束でティッシュを取り出して、どのようにして出てくるのか
観察してみてください。

おもしろかったのが、3歳の子たちがレッスンに来たとき、
「あのねぇ、ティッシュを引っ張るとねどうなるかわかる?」とたずねて
「わからない」と言うので、
「ティッシュを引っ張ると、次のティッシュが出てきて、それをまた引っ張ると次のティッシュが出てくるんだって!かいくんが見つけたんだって!」と
オーバーに言うと、
目をまん丸くして「ほんと?」「ほんと?」とびっくりするのです。
その後、本物のティッシュを引っ張って見せると、
「ふぅわぁぁ~!!」とため息をついて一同びっくりしていました。
(見たことあると思うのだけど、よく観察していなかったんですね。それにしてもこんなに驚くとは……!)

工作というと、
「学校でする図画工作の成績をアップさせるためにするもの」
「工作教室や工作イベントでするもの」と捉えていらっしゃる方も
たくさんいます。
幼稚園選びも工作が十分できるかをチェックする方はそれほどいないようです。
子育て中の方の意識の中で工作の価値はかなり低いのかもしれません。

そんな「ついで」感覚で扱われている工作ですが、
現実に幼児の工作に付き合ってみると、
(工作教室に連れて行くだけではあまり効果はないでしょうね。それならテレビのワクワクさんを見せる方が効果的かもしれません)
工作が
「難しい概念」を、「幼児が簡単に考えられるもの」に変えてしまう
まるで魔法のような力を持っていることに気づくはずです。

子どもというのは、
子ども特有の物の見方をしていて、長い短い、太い細い、深い浅い、厚い薄いなどを正確に捉えているわけではありません。
お人形用のお風呂に自分も入れると思って
足を突っ込もうとする1歳代の子の姿を見てもわかりますよね。
ですから、最初のうちは、子どもが工作をしている間中、
あれれ?と思うようなことがたくさんあるんです。
大きな箱一面に紙を貼りたいと言ってた子が、1センチくらいのちんまりした紙を切って貼ってから「小さい……」と言う……
貼りたい絵柄の面にノリを貼っては、「絵がなくなった」と不思議がるなど。
でもそれを繰り返した幼児は
小学生レベルの立体図形のイメージなんて全て頭に入っているように
きちん空間についての理解が進んでいます。

また、子どもにとっては電化製品も生活用品もおもちゃと同じように捉えていて、その機能についてきちんと把握していないことはよくあります。

たとえば、懐中電灯には「電池」を入れるけれど、「コード」がついていない
といった事実は、子どもがとてもびっくりするネタで、
工作をするとき、一番「力」が入る部分になったりするのです。

子どものこうした姿を見ていると、
工作とは、子どもが世界を知るため、理解するための手段であって、
工作することで、
観察する姿や考える力が変化してくることがわかるはずです。

それでも子どもが「映るテレビが作りたい」と言ってきたらどうしてあげたら
良いかわからないという方もいますよね。

まず、子どもといっしょにテレビを観察します。
電源を入れると明るくなって、消すと消えますね。
「何に似ているかな?」と子どもにたずねると、
「懐中電灯」と答えるかもしれませんね。

それなら、子どもの描いた絵。リモコンの絵。懐中電灯を用意して、
リモコンを押すと同時に子どもの描いた絵の背後から
懐中電灯を照らせば「テレビのスイッチオン!」
懐中電灯を消せば「消えた!」といったものができますよね。

それ以外にも、子どもと観察してみて、絵が動くから長い絵を描いて、輪にして箱の中で動かすというアイデアを思いつくかもしれません。

また鏡にテレビの枠を貼り付け、
マイクを持ってその枠の中に自分が写るようにするのでもいかもしれませんよね。

良いアイデアが浮かばないときは、
「何かいいアイデアないかな?」と家の中を探索するだけでも、
子どもはとても喜びますよ。

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「虹色オンライン教材のもくじのくわしい説明についての記事を探しています」という質問をいただいています。
記事へのリンクを貼っておきますね。
9歳の壁 と 『虹色オンライン教材 学ぶことが好きになる工作遊び 』  抽象的思考の基盤となる体験について


赤ちゃんの能力を高める方法 と ハンディーキャップのある子への接し方の共通点 3

2011-08-17 08:28:39 | 教育論 読者の方からのQ&A
自閉症スペクトラムの子が、定型発達の子の成長の各段階を
ていねいに踏んでいけるようサポートするために、
DIR治療プログラムでは次の7つの段階のアプローチをしていくことを勧めています。

自閉症スペクトラムの子向けのものとはいえ、
ごく一般的な健康な乳幼児を育てている親御さんにもぜひ目を通していただきたい
内容だと感じています。

たくさんの情報、集団保育の場が親のニーズに応えることを優先して子どもの発達を無視していること、
早期教育的な働きかけ、生活様式の変化、
誤った子どもへの関わり方、
遊びの世界の貧しさ、
大人と子どもの遊びの場での思いのずれ、
早期からの計算訓練などによる脳の偏った使い方……

などのさまざまな要因が複雑に絡み合って
ハンディーキャップのない普通の乳幼児が、
正常な発達の段階をきちんとマスターしてないように見えるケースが目立ってきているように感じます。

現実に教育現場では、小学1年生たちが授業中にうろうろしたり、教室を飛び出したりするケースや、
これまでにはなかったようなトラブルが多発しているようです。
その全てがハンディーキャップを持っている子の問題とは
言いきれないのではないでしょうか。

赤ちゃんを育てておられる方は、ぜひ ステージ1から、
障害児用のプログラムと思わずに読んで、子どもを人との関わりの中で育んでいくコツを
学んでいただきたいです。


『自閉症DIR治療プログラム フロアタイムによる発達の促し』S.グリーンスパン S.ウィーダー著
広瀬宏之訳 創元社 より(簡単に要約して紹介します)

<家族主導のアプローチ>

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ステージ1

<周囲と同じことに注意を向け、感情のコントロールができるように>

情報処理の方法を把握します。
赤ちゃんがどのように音を聞き、見つめ、触り、ほほえみ、身体を動かすかを観察します。
どんな音(音の高低やテンポなど)にもっともよく耳を傾けるのか、どのように触ると
(やわらかく羽根のように、あるいは優しくしっかりと)もっとも安心するか見極めます。

どんな発達段階でも常にその子の情報処理特性に留意する必要があります。


ステージ2

<周囲との関わりを増やすために>

どんな感覚刺激が赤ちゃんを一番喜ばせるのか観察します。
単純な音、キス、くすぐり、好きなゲーム、いないないばあやおもちゃを隠すゲームなど)

その子のリズム、感情、感覚、動きに
大人が合わせることが大事です。
騒音を発するだけのばかばかしい遊びでも、子どもの興味に合わせることです。


ステージ3

<子どもと意味のある感情的なやりとりをするために>

表情、音声、身ぶり、言葉、ごっこ遊びなどを通じて
生き生きやりとりをすることが大切。
目がキラキラ輝いてくれば、やりとりを楽しんでいる証拠です。
興奮して手をひらひらさせていたら、こちらも同じことをしてみましょう。
意味もなく玩具の車を行ったり来たりさせていたら、
「この人形がね、テレビにでてくるあなたが大好きな
何とかさんに車でお手紙を届けてほしいみたいよ」と言ってみましょう。

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レッスンが近づいたので、ステージ4~7は今日の午後に書きますね。

生活体験を豊かに  修理する

2011-08-16 20:12:50 | 幼児教育の基本


教材に使っていた時計の針が折れてしまいました。

教室に来ていた◆くんに修理してもらいました。

作業の手順を説明し、少し危ない道具も使って
責任を持って作業をしてもらいます。

3分ほどの作業でしたが、こうした小さな体験の積み重ねが
子どもの生活力や自立心を育ててくれると思っています。

2ケタのイメージがつかめない子と2ケタの暗算

2011-08-16 20:00:51 | 算数

1ケタの数の計算はできるけれど、
2ケタの数の計算になると
「どうも、2ケタの数のイメージがつかめていないみたいだな~」
というでたらめの答えを連発する
○ちゃん。

「17引く15は?」とたずねると、
「9? あっ15かなぁ」という答え。

そこで、チップを10、デコレーションボールを作って1を表して、
17を表現してもらうことに……。

あんまりわかっていない様子だったので、
「10の塊を1枚のチップで表すのはまだ難しいかな?」と思っていたけれど、
数についての苦手は大きいけれど生活体験が豊かな○ちゃん。
ちゃんと理解できました。

これを使って17-15をしてもらったところ、
きちんと答えが出せました。



そこで、紙に、10にあたる丸と1にあたる点で
2ケタの数を表現してみることにチャレンジ!

上手にできました。

このようにしてイメージの世界を広げながら、
2ケタの計算が暗算で答えが出せるように練習しました。

赤ちゃんの能力を高める方法 と ハンディーキャップのある子への接し方の共通点 2

2011-08-16 14:49:52 | 幼児教育の基本

ごく普通の乳幼児と親との関わりにおいても
非常に重要な指摘がされていると思う話を紹介します。


『関係からみた発達障碍』(小林隆児著  金剛出版)に、

「遊びの中に生まれた母子の思いのずれ」についての

次のような話が載っています。(短く要約しています)

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ある軽度発達障碍が疑われる男の子、A男と養育者の遊びの場面。

最初、A男は電車を並べたり、ボールを転がしたりして、次々遊びを変えていた。
A男の両親は遠くから見つめるだけでどう関わっていいかわからず、重苦しい空気が漂っていた。

A男は、滑り台に興味を示し、滑り台の下から上へ、反対方向から登り始めた。
母親が靴下を脱がせてやると、A男は機嫌よく登り始め、夢中になった。

そんなA男の反応を見てうれしくなったのか、両親はA男に積極的に関わりはじめた。
母親はA男を抱き上げて一番上に載せ、滑り台を滑らせてやった。

両親はA男と一緒に遊べたことがうれしかったようだが、
滑り終えたA男は、不快そうに唸り声をあげながら滑り台に頭を打ち付けた。


A男は何が不快だったのか?


滑り台を反対方向から全身を使って登るA男は、
全身で感じ取っていたある種の躍動感(力動感)に
心が動かされていたのだろう。

両親のA男を抱き上げて滑らせてあげるという対応は、
A男に楽しい体験をさせてあげようという思いからの行動で、
遊具の使い方としても正しい。

しかし、A男は「いま、ここで」この遊具を用いて
何をどのように楽しんでいるのか、
そのことをこのときの両親はなぜか感じとることが困難であった。

A男が今どんなことに夢中になっていたかを考えると、子どもと両親とのあいだに
遊び方をめぐって大きなずれが起こっていることがわかる。

われわれはこれまで生きてきた中で、身の回りの無数の対象の意味を体得している。
「滑り台という遊具なら、階段を登って滑るもの」と捉えて、そのように子どもに遊ばせようとする。

しかし、A男はこれが滑り台という遊具でこのように遊ぶものという認識は乏しく、
「いま、ここで」A男が夢中になっていたのは、登り坂を懸命になって登ろうとすることによって
全身で体感している力動感の心地よさにあったのだろう。

原初的知覚体験とわれわれの認識世界のあいだに生れたずれということができる。

こうしたずれは日常でよく起こりがちなことだが、このずれが頻繁に起こっているため、
両者の関係が深刻さを増しているのだろう。

              (『関係からみた発達障碍』(小林隆児著  金剛出版)より 要約して引用)

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こうした子と親の「遊びの場面での思いのずれ」というのは、
発達障碍の子と親のあいだだけではなく、
ごく一般的な乳幼児と親とのあいだでもたびたび起こっているのを見かけます。

3歳までの子のレッスンをしていると、
両親ともに愛情深い性質で、
子どもにハンディーキャップなどはない様子……なのに、

言葉に遅れがあったり、
コミュニケーションがぎこちなかったりする子にたびたび会うのですが、
そのほとんどのケースに
この例のような「遊びの場面での思いのずれ」が見られるのです。

たとえば、赤ちゃんが四角や三角の穴が空いた箱の大きな穴の部分から
形の積み木を入れて、「入れる感覚」や「それによって出る音」に喜びを感じて
夢中に遊んでいたとします。
すると、親御さんが即座に三角の穴に三角の積み木を入れるように指示をしはじめて、
赤ちゃんは気が散って固まった表情のまま
遊ばなくなったり、すぐに飽きてうろうろし始めたりするのです。
3、4歳の子で親御さんが遊びに関わろうとするたび、不快な表情をして
だらだらしたり、反抗的になったりする子がいます。
子どもによっては、そうした親の侵入に慣れ過ぎて、そこそこうれしそうな様子で……でも子どもらしい
いきいきした興奮状態にはならずに、淡々とそれをして、「もう終わり」とすぐ飽きて次の遊びに移ります。

また緊張した表情で言いなりになって遊んだりしている子もいます。

語りかけ育児が大切だからとタイミングの悪いときにたびたび声をかけるために
落ち着きのなさが激しくなっている子もいます。

ごく一般的な子とのあいだでこうした親子のボタンのかけちがいがあっても、
子どもがいつも不機嫌とか、いつも消極的とか、
いつも飽きっぽい、いつも親の方をちらちら見ながら
遊ぶとか、親の方は見向きもせずに無視して遊ぶとか……
ちょっと気になる程度の
さほど大きな問題にはならないものですから、
それが改善されることはめずらしいです。

乳幼児早期の子どもたちや発達障碍といわれる子どもたちや自閉症の人々は、
原初的知覚様態が優位に働いている世界に生きていると言われています。

それらは五感に分化する以前の段階でのあらゆる知覚に通底するような性質を持っている
未分化な段階での原初的な知覚です。

一般的な大人は視聴覚優位なコミュニケーションの世界に依存して生活をしています。
両者は生きている世界が異なるのですから、
当然、コミュニケーションがずれがちです。

私が子どもたちと接していると、ごく一般的な発達をしている乳幼児期を過ぎた子ら……
つまり幼稚園児にしても、小学生にしても、
乳幼児早期ほどではないにしろ、
大人に比べると、ずっとこの原初的知覚との関わりが強いように思っています。

子どもが水遊びや泥遊びをするとき、いきいきと輝いているのも、
いたずらと呼ばれることを繰り返すのも、大人から見ると馬鹿げた遊びに夢中になるのも、
大人よりずっとこの原初的知覚に依存していたり、
これを十分体験することで知覚を分化させていこうとするからだと
感じています。

子どもが自分の世界の流儀で世界を味わおうとするとき、
横から大人が自分の世界のやり方を押し付けてばかりいると、
遊びが面白くなくなるだけでなく、
子どもの知覚はいっこうに分化しないし、統合もしていきませんよね。

子どもが発見するいきいきとした遊びの世界を支えることは、
子どもに好き勝手にさせて「しつけ」を怠ることではありません。

子どもの心を正しく感じとること、受信すること、
子どもと心と心を共鳴させあうことです。

そのためには、大人が視野を広げ、異なる価値観を受け入れ、心に余裕を持って
子どもと過ごす時間を楽しむ必要がありますね。


次回に続きます。


赤ちゃんの能力を高める方法 と ハンディーキャップのある子への接し方の共通点 1

2011-08-16 08:31:43 | 幼児教育の基本
虹色教室通信の読者の方は、ハンディーキャップなどはない乳幼児を育てている方が
多いことと思います。
イベントへ応募してくださる方の子どもさんの年齢からすると、
2歳以下の幼い子らを育てている方々の
比率がかなり大きいようです。

ごく普通の育てやすい赤ちゃんを
ごく普通に育てている方にすると、
前回のような自閉症スペクトラム障害の子の治療プログラムの記事は
「読み飛ばし」の対象かもしれません。

でも、私は自閉症スペクトラム障害の子に向けた
DIR治療プログラムの「定型発達(ごく一般的な発達)の子の発達段階をきちんと踏ませていこう」という
考え方に触れるとき、次のようなことが心に引っかかっているのです。

乳幼児と接していると、

「脳や身体の機能は正常に定型発達の子として生まれているのだけど、
人との関わりの質や量が乏しくて、そのごく少ない大人の接し方に偏りがあったり、
遊びや活動内容が貧しかったり、
言葉や思考力の発達を高めるような働きかけにゆがみがあるために、
きちんと発達のステージが踏めていない子が多い」

という事実です。

そのために、幼児期以降、

◆創造的かつ論理的な思考
◆抽象思考と内省

といったことができるようになって、だんだん伸びていっているように
見えない子がけっこういるのです。
成長するにつれて、短絡的で視野の狭い決めつけるような考え方をする子が
増えているようにも見えるのです。


『自閉症のDIR治療プログラム』創元社 によると、

幼児期以降、成人にまで認められる自閉症スペクトラムの症状として
次の4つの点での問題が挙げられています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
①注意、関わり、感情的交流

②意味のある社会的相互交流があり、一緒に問題を解決することができる

③創造的かつ論理的な思考

④抽象思考と内省

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
↑の4つの能力の発達は、定型発達の子たちは
ごく自然に獲得し、伸びていくものでもあるのでしょうが……

私の子ども時代を振り返っても、毎日遊び呆けていても、
こういうことが自然にできるようになっていった記憶があるのです。
前にも書いたように私は聴覚や運動能力などには一部に困難を抱えていたものの、
上の4つの面は、高学年の時には大人と変わらないくらい発達していたし、
周囲の子たちも学級会での議論の仕方や劇の出し物を考えるときの進め方などを
思い出しても、たくさん体験するなかで、徐々に賢くなっていたな~と感じるのです。

現代っ子の場合、「できているかどうか」より、上のような体験をする場自体、友だちとの関わり自体がないように
見えます。

また、乳幼児期に大人が「早期教育的」な関わり方をしようとするせいで、
上の4つの基盤となる体験が極端に減っているようにも。

うちのダンナは毎年、小学生や中高生のキャンプやジュニアリーダーの研修のお手伝いに加わっているのですが、
「年々、自分の意見を言わない子が増え、自分で考えずにすぐ大人に頼り、
自発的に動こうとしない子が増えているな~。
子ども同士、自由に遊べない子が増えた。お互いに相談したり議論したりできないし、
大人がいないと自分たちで問題を解決することができないようになってきた。」とぼやいています。

自閉症スペクトラム障害を持っている知力が高い子たちは、
テストの成績は良いし、検定試験などもスムーズに合格するものの、
上の4つの能力の獲得が難しい子が多々います。

現在、そうした自閉症スペクトラム障害の子らと同じような困難を抱える
ごく普通の子たちが増えているように感じるのは、
私だけでしょうか。

幼児期から「頭をよくさせたい」「他の子より成長させたい」「あれもこれもできるようにさせたい」と願うのは
親心ですが、
大切な乳幼児期に、
知力のインプットを優先して、
乳幼児の正しい発達段階をきちんと踏ませずに、
成長を狂わせてしまうことはとても危険だと感じています。

次回に続きます。






自分の世界に没頭している自閉症スペクトラムの子と DIR治療プログラム 4

2011-08-15 17:56:00 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

かつて自閉症の子の多くは、自分の世界に没頭し、自己刺激行動ばかりして
教育や治療が難しい子だと思われてきました。
ひとりでピョンピョン跳ねたり、くるくる回ったり、
独り言を言い続けたりして、
誰の指示にも従うことができないイメージがありました。

(自閉症スペクトラムの子の中には、知的な能力が高く、
一般的な子どもとほとんど変わらないけれど、
集団行動が苦手だったり、感覚が過敏だったり、
コミュニケーションが少しだけぎこちないという子もいます。)

応用行動分析などの行動療法が行われるようになり、望ましい行動に報酬を与え、
望ましくない行動は無視することで、
自閉症児の行動は好ましい形に返られると考えられました。

行動療法によって、課題をこなし、型はめをし、音や身ぶりの模倣ができるようになりました。
そこで問題になってきたのは、汎化です。
行動を身につけても、予想していなかった場面で使うのは難しかったのです。

そこで、DIR治療プログラムという発達に基づいたアプローチが登場しました。

DIRとは、

D=Developmental(子どもそれぞれの発達に応じた)、

I=Individual‐Deference(個人差を考慮に入れた)、

R=Relationship‐Based(相互関係に基づいた)アプローチのことです。


臨床経験に基づいた代表的な包括プログラムの一つとして、注目を浴びつつある自閉症の治療プログラムです。


その中で特に重要な「フロアタイム」という技法は、
1回20分程度、親やまわりの大人が床(フロア)に降りて子どもと同じ目線で関わるだけの
特別な訓練も環境も必要としないプログラムです。

くわしい内容を知りたい方は、
『自閉症のDIR治療プログラム: フロアタイムによる発達の促し』創元社を一読されることをお勧めします。

DIRの目標は定型発達の基盤を作ることです。
従来の自閉症の子に対するアプローチのように
表面上の特徴的な行動の修正が
目標なのではありません。

DIRのアプローチによって、発達段階で欠かせない能力を身につけることが
可能なのだそうです。

↑の著書によると、自閉症スペクトラムの子たちが、

「温かい気持ちと喜びをもって他人と関わる、

目的と意味のあるコミュニケーションができるようになる、

論理的かつ想像力豊かに考えられるようになる」ことを

可能にしてくれるそうです。

実際、多くの自閉症スペクトラムの子がこの治療プログラムによって
奇跡的な成長を遂げているようですが、
そうした事例を読まなくても、私は「フロアタイム」の方法を目にしたとたん
それがどのような効果をもたらすのか理解できました。

というのも、前の記事に書いた
娘の友だちの妹ちゃんも、幼いころから虹色教室に通ってくれている
自閉症スペクトラムの重度や中度という診断を受けていた子たちも、
療育の場で「この子は黒よ」と決めつけられていた子も、
成長するにつれて定型発達の子と変わらないくらい創造的で知的で、
上手に人間関係を創り出し、想像力を使った遊びに興じるようになっていきましたから。
幼児期は診断名がついていたのに、
小学校に就学する際に病院に連れて行ったところ、
「どうして連れてきたの?」と尋ねられて困惑した親御さんもいらっしゃいました。

そうした子たちというのは、DIR治療プログラムを意識していたわけではないけれど、
(当時はそんな名前すら知らなかったので)
虹色教室との関わりや、親御さんの「子どもにさまざまな体験をさせてあげよう」という積極的な性質や、
きょうだいや近所の子との関わりなど豊かな人間関係のもとで、
「フロアタイム」のプログラムの各ステージを全てをやり終えている子たちでした。


『自閉症のDIR治療プログラム: フロアタイムによる発達の促し』に次のような一文があります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
定型発達の各段階をマスターしていくために親が行えることを簡単に述べます。(略)

方法や技法を問わずもっともうまくいくのは、子どもが自分から興味をもって、
やってみたいと感じる場合です。そして親子ともども、楽しむことが必要です。
嬉しそうな笑顔、楽しそうな声、キラキラした眼差しなどを、
楽しさのサインを常に見つけるように心がけてください。
こうした関わりは、子どもの意識がはっきりしていて、気持ちに余裕のあるときに
やってみましょう。
1回15~20分間の関わりを一日に何回も行うのが理想的です。
それぞれの家族で、目的に合わせたやり方を工夫してみましょう。

            (『自閉症のDIR治療プログラム: フロアタイムによる発達の促し』創元社 より引用)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そういえば、自閉症のトムくんと私の関わり合いも「フロアタイム」の技法にとても
よく似ている気がします。「フロアタイム」について知らなかった時期も、
仕事柄、定型発達の赤ちゃんたちと関わることが多い私は、
トムくんにそうした赤ちゃんたちがたどる心の発達の段階を
順番にていねいにたどらしていきたいと強く願っていました。
トムくんと、楽しく交流したかったのです。
トムくんの親御さんも、トムくんが通うアトリエの先生も
同じ考えで、トムくんに定型発達の子の成長過程を歩ませたいという
願望のもとで環境作りに励んでしました。
すると、トムくんはみるみる成長していきました。

興味がある方のために、
過去記事をリンクしておきますね。


2010年5月

★(鎌倉で……)知力、能力、意欲を引き出すってどうするの? 1
★(鎌倉で……)知力、能力、意欲を引き出すってどうするの? 2
★(鎌倉で……)知力、能力、意欲を引き出すってどうするの? 3
★(鎌倉で……)知力、能力、意欲を引き出すってどうするの? 4
★(鎌倉で……)知力、能力、意欲を引き出すってどうするの? 5
★(鎌倉で……)意欲的に算数に取り組むための教材 6
★(鎌倉で……)意欲的に算数に取り組むための教材 7
★(鎌倉で……)やりとり と 勝ち負けを 教える 8


2010年9月 

★神奈川に行って来ました♪ + 劇的に成長する時期 1
★知的働きかけと それをめぐる盲点 (神奈川に行って来ました♪ + 劇的に成長する時期 2)
★知的働きかけと それをめぐる盲点 (神奈川に行って来ました♪ + 劇的に成長する時期 3)
★知的働きかけと それをめぐる盲点 (神奈川に行って来ました♪ + 劇的に成長する時期 4)
★知的働きかけと それをめぐる盲点 (神奈川に行って来ました♪ + 劇的に成長する時期 5)★真似したい気持ち (神奈川に行って来ました♪ + 劇的に成長する時期 6))

2010年11月 

蒔いた種の芽が出てきた!算数・自発性・創造性が伸びてきたトムくん 1
蒔いた種の芽が出てきた!算数・自発性・創造性が伸びてきたトムくん 2
蒔いた種の芽が出てきた!算数・自発性・創造性が伸びてきたトムくん 3

蒔いた種の芽が出てきた!算数・自発性・創造性が伸びてきたトムくん 4
蒔いた種の芽が出てきた!算数・自発性・創造性が伸びてきたトムくん 5
蒔いた種の芽が出てきた!算数・自発性・創造性が伸びてきたトムくん 6
蒔いた種の芽が出てきた!算数・自発性・創造性が伸びてきたトムくん 7


2011年4月

神奈川のトムくんに会ってきました 1
神奈川のトムくんに会ってきました 2 トムくんと ジャンケン
神奈川のトムくんに会ってきました 3 トムくんと ジャンケン ②
神奈川のトムくんに会ってきました 4  お人形遊びとじゃんけん
神奈川のトムくんに会ってきました 5 トムくんと算数
神奈川のトムくんに会ってきました 6 トムくんと お友だち トムくんと工作 


シアトルからのお客様 と シアトルでのレッスン 

2011-08-15 12:44:59 | 日々思うこと 雑感
前回の続きは今日の晩にでも書きますね。

昨日はシアトルからお客様(Aさん)が5歳の息子くんといっしょにいらっしゃいました。
アメリカでの幼児教育の現場の視察に誘ってくださっている方で、
今年の12月に1週間ほどあちらに滞在して、いくつかの保育の現場を体験させていただく予定です。

ユースホステルでのレッスンではたびたび家を空けているとはいえ、
1週間も留守をするとなると、さすがにうちの子らの食事のことや家事が心配で、
ちょっと悩んでいたら、ダンナが「家のことは協力するから、子どもらの食事も大丈夫だから、
安心して行っといで!」と強く推してくれました。
ありがたい~

シアトルでは、3日間はAさんの職場(幼稚園)で過ごさせていただいて、
残りの日にAさんといっしょにさまざまな幼児教育の現場を見に連れて行っていただく予定です。
アメリカでの障害児教育の現状についても
学ばせていただくことになっています。

Aさんはシアトルに住む日本人の家族に声をかけて
私がレッスンをする時間も作ってくださろうとしています。

もし、ブログをご覧になっている方で、シアトル周辺にお住まいの方がおられましたら、
コメント欄に投稿していただいたら、(非公開で見て)
くわしいことが決まったら連絡させていただきます。(9月半ばくらいにはだいたいの日時が決まる予定です)



Aさんの話では、アメリカの子どもの学力不振を危ぶむ声が国内に高まっていて、
幼児から小学4年生くらいまでの詰め込み教育が加速しているそうです。
その結果、現場で子どもたちに接するAさんは、
「知識は多いけれど自分で考えない」という子の急増にとまどっているそうです。

たとえば、宇宙について子どもたちにたずねると、「こんなことも知っているの?」と思うほど、
パッと即答する子が増えたにも関わらず、
「宇宙人が宇宙にいると考えるのなら、どうして空気がないところで宇宙人は生きていられるのかな?」
といった図鑑に載っていないような問いだと、
「わからない」と言うだけで
誰ひとり考えるてみようともしないし、考えることができないのだそうです。

また、幼稚園の年長であっても、簡単なものでも工作ができる子がほとんどおらず、
すぐに「やって」という依存的な態度が目立つようになってきたそうです。

一方、Aさんの5歳の息子くんは、
たとえ間違っていたとしても、自分の頭でよく考えて
自分の言葉で表現して思いを伝えようとする子です。

この息子くんは、3歳くらいから何度か虹色教室に来てくれて、
それ以来、物作りを通して、自分の頭で考えることを大切にしながら
成長しています。論理的に考えることが得意で、
英語でも日本語でも、複雑な内容を自分の頭でしっかり練って考え抜きます。

Aさんは、虹色教室でしている物作りを通して思考力を育てる教育法に心から
共感してくださっていて、ご自分のお子さんの子育てだけでなく、
職場での教育実践でも生かしてくださっています。
すると、子どもたちの考える力や創造性や意欲が急速にアップし、
目を見はるような成果が出たため、周囲の方々からも高い評価を得ることができたそうです。

物作りを通して子どもたちが成長している話をお聞きするとうれしいです~♪

最近、「赤ちゃんの時から虹色教室通信を読んで、いろいろと実践しています」という子に
会うことが増えてきているのですが、
あまりの賢さに何度も年齢を問いなおすほど
しっかりしていてびっくりすることが多々あります。
2歳半とか3歳半の子なのに、6,7歳の子並みの言語力で
自分の考えを表現し、
物を作ったり、年上の子らの活動に参加したりするのです。
そうした子どもたちを育てている親御さんは口をそろえて、
「物作りがいかに子どもの知能を発達させるか、実感しました」とおっしゃいます。

Aさんは、「子どもの工作につきあうようになって、
親の私が今までいかに頭を使ってこなかったか痛感しました。
工作するようになって、私が頭を良く使うようになりました。
でも、息子は私が思いつかないような発想をし、
親の私より集中してよく考えることができるので、おどろきます」と笑っておられました。





↑Aさんの息子くんと、酢に重曹を入れる実験をしている最中に、
「泡があふれる様子を利用して火山を表現したい」というあんまり日本では思いつかないような
発想が出てきました。
大量の固めのスライムとゼリーの容器を使ってチャレンジ。
写真を撮る時点で、火山が崩れてしまって写真の通りへなちょこ火山……ですが、
噴火の様子はとても迫力がありました。


自分の世界に没頭している自閉症スペクトラムの子と DIR治療プログラム 3

2011-08-14 13:37:54 | 教育論 読者の方からのQ&A

世界各地の家畜施設を設計する動物科学者であり、
コロラド州立大学で教鞭をとり、多くの講演や執筆でも活躍している
ご自身が自閉症スペクトラム障害の当事者であるテンプル・グランディンが、
次のようにおっしゃっています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
自閉症関係の集会で講壇に立つと、
「どうして今日のようなあなたになれたのですか。
よい仕事をし、友人に恵まれ、社会で立派に通用する人間になれたのでしょうか」と、
会場の親や教師から質問されることがあります。
(略)
現在と過去のさまざまな段階での自分の社会理解を比較するうちに、
いくつかの成功要因に気づきました。

ж1950年代から60年代にかけて成長期を過ごしたこと
жきちんと枠組みのある家庭生活
ж創造性と好奇心に富む気質
ж両親と教師の高い期待
ж行動の明確なルールと一貫性のある罰
ж高い自尊感情と強いモチベーション

ふり返ると、つくづく私は時代の子だったと思います。1950年代から60年代の社会構造は
現代よりもずっと単純でした。
家族の絆が強く、人々は尊重し合い、期待される行動がはっきりしていました。
マナーを守ること、他人を思いやること、地域社会に貢献することを、子どもは教えられていました。
(略)
子どもの頃の私にはかなり重度の問題があったにもかかわらず、母は自閉症を理由にして、
社会で通用する人間になるという私への期待を緩めたりしませんでした。
(略)

私が育った環境は、人の交流や友情が自然に育まれるような環境でもありました。
現代のようにテレビやDVD,コンピューターやテレビゲームの前で何時間もひとりで遊ぶことはありませんでした。
自閉症スペクトラム障害のある子どもの成長には、まさしく理想的といえるでしょう。
工作や手芸、他子や模型飛行機の組み立て、戸外遊び、ボードゲームやトランプで時を過ごし、
「交代する」ことや「順番を守る」ことは遊びの中で覚えました。
(略)
母は私の持ち前の好奇心を刺激するために、いろいろな活動をさせたし、
世間とのつながりを断つことを許しませんでした。
(略)
家族や家庭教師、学校の先生も、私の得意なことを積極的にやらせてくれました。そうしたことの
すべてがプラスに働いたのだと思います。

 (『自閉症スペクトラム障害のある人が才能をいかすための人間関係の10のルール』テンプル・グランディン
ショーン・バロン  明石書店 より)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

虹色教室をはじめる前、まだうちの子どもたちが教室で接している子らのような年齢だったころ、
わが家にはひっきりなしにうちの子の友だちが出入りしていました。
特にうちの子だか他所の子だかわからなくなるほど
しょっちゅう遊びに来ていた娘の友だちは、いつもその子の妹も連れてきていました。
姉にひっついて妹ちゃんが遊びに来るようになったのは
2歳の時で、それ以来、小学校を卒業するくらいまで、週のうち半分くらいは
わが家で遊んだり、工作したり、料理をしたり、勉強したり、ゲームをしたりして過ごしていました。


娘の友だちであるお姉ちゃんは、利発でおしゃべりでおしゃれなごく一般的な女の子でしたが、
妹ちゃんの方は言葉の発達がゆっくりで、コミュニケーションを取ることが難しく、
ようやくおしゃべりしはじめたときは、オウム返しがほとんどで会話につなげることができませんでした。
人が大勢いる場所にいくと、甲高い声をあげて、パニックを起こしていました。

うちに遊びにくると、娘と娘の友だちが遊びはじめると、妹ちゃんは
忙しく動き回って、細かいビーズやシールの入った容器を探し出してきて、
部屋の中にばらまいて遊んでいました。
拾うとばらまくの繰り返しなので、そうじに恐ろしく手間がかかりましたが、
他の子らが次々新しい遊びに興じる中で、
妹ちゃんはそれしか楽しみが見つけられない様子だし、そうしている間だけあまりに楽しそう……
だったため、
仕方なしに好きなようにさせていました。

その当時、私は子どもたちが何か思いついてやりたがった時は、
それほど手間のいらない方法に変えて、
たいていのことをやらせてあげていました。
子どもたちは、お料理を作ったり、パーティーをしたり、工作したり、水遊びをしたり、絵の具で絵を描いたり、
ビデオを使って映画を撮ったり、お店屋さんごっこをしたり、外遊びに出かけたり、博物館や科学館や工作の作品展や劇に出かけたり、冒険遊びをしたり、手紙を出したり、本格的に演劇を演じてお客さんに来てもらったり、
雑誌を作って配ったり、会社を作って仕事に励んだりと、毎日、忙しく遊んでいました。

そうした活動のどれにも娘の友だちもその妹ちゃんも参加していました。
私はその頃、妹ちゃんの持っているハンディーキャップについてよくわからないながらに、
できそうなことはどんなことでも他の子らと同じようにやらせようとして、
妹ちゃんができることとやりたがることのレパートリーを増やすことに専念していました。

すると、ずいぶん長い期間、双方向のコミュニケーションができなかったにもかかわらず、
いつの間にか、子どもたちの集団にまじって、
それなりに過ごすようになっていました。
さまざまな経験を重ねるにつれて、受け入れ、楽しめることの幅が広がり、
会話をするのもずいぶん上手になっていきました。

そして年齢が上がるにつれて、
礼儀正しくて、気持ちの優しい女の子に育っていきました。
私はその成長の一コマ一コマに立ち会えてよかった~と、しっかりしたお嬢さんに成長している妹ちゃんを見かけるたびに、
感じます。
思い出としてよかったという思いもあるのですが、
この子と過ごし成長を見届けたことが、今の自分のハンディーキャップを持った子たちとの
関わる時の「成長を信じる気持ち」の根っこになっているからです。

それから私は、ハンディーキャップを持った子たちに関する本をたくさん読んだり、
さまざまなハンディーを持った子たちに勉強を教えたり、いっしょに遊んだりして、
少しずつ理解が深まってきました。

といっても、特別な教育を受けてきたわけではないので、専門家でもなんでもないのですが……。

でも、自分の世界に没頭し周囲と関わることが極端に苦手な子たちも、
温かな人間関係の中で、困り感に配慮されながら
さまざまな種類の経験を蓄積していくと、
その成長は加速していくと強く信じています。
そのサポートは、専門家だけでなく、
家族や地域の人々や異年齢の子どもたちによって可能だとも。


DIRプログラムの話題にまた入れなかったのですが、お盆休みの最中に、
この話題を書きあげてしまいますね。

次回に続きます。









子どもの個性を良く見て、長期のスパンで子どもの教育を考える 

2011-08-14 12:44:54 | 子どもの個性と学習タイプ
自分の世界に没頭している自閉症スペクトラムの子と DIR治療プログラム
の続きは今日中に書きますね。

(過去記事です)

3歳の☆くんのレッスンでの話です。
「自分で習い事をしたいと
言い出したときは、習わせてもいいでしょうか?」
というご質問をいただきました。
☆くんのお母さんは、虹色教室通信の過去記事を読んで、幼児期の習い事はよくないのかな?
と感じていたようです。

幼い時期からの習い事をするのは、良いか悪いか、
簡単に白黒つけられるものではないと思います。

同じ習い事も、Aちゃんには良い、Bちゃんには良くないと分かれたり、
関わり方次第、大人の心次第で、ひとつの習い事が
良いものにも悪いものにもなってしまうでしょう。

そのカギをにぎっているのは、習い事の内容ではなくて、子ども自身の個性です。

たとえば、この☆くんは、
好奇心が強くて、エネルギッシュで、何でもやりたがるチャレンジ精神の旺盛な子です。

同時に、いやなことはいや!とはっきり自己主張する子でもあります。

新しいものにすぐ飛びつくエネルギッシュさは、
裏を返せばあきっぽさにもつながりやすいものです。
☆くんの性質からして、習い事の内容によっては、
自分でやりたい!と言い出しても、途中で「こんなん、面白くないわ、しない!」と言い出すことは目に見えているのです。

そのとき、どうするか?

それについて、親がきちんと決断してから、習い事をさせることが
たいせつですよね。

こうした自分が強いタイプの子には、さまざまな場面で、
自分の言葉に責任を持たせることや、
忍耐力をつけていくことが最重要と感じています。
好奇心もチャレンジ精神も申し分ないので、あとこの2つが身に付けば
百人力ですよね。
少しだけ危険もともなう外遊び、キャンプ、山登り、川遊び、工作
などは、☆くんに、そうした精神力をしっかりつけてくれることでしょう。

ただ、習い事だとどうか……というと、幼児期は???なのです。
(小学生になったら、ちょっとしたことでやめない約束をさせた上でやりたい習い事をさせるのは大事だと思います)

まだ、『ちょっとしたことでやめない約束』が成り立つほど、☆くんに見通しを立てる能力はないはずです。
面白そう、お友だちがやってるから……とやりたい!と言い出したとしても、
ちょっと退屈すると、
たちまち気が変わってしまうかもしれません。

それで、すぐすぐやめたがるときに、
上からおさえつけて、それを続けさせると、
今度はだんだん、

お勉強的なことやがんばらなきゃならないことに「やりたい!」と言い出すのは損だな~
遊園地に行くようなことだけ、積極的に「行きたい!」と言おう

といったことを心の中で学習していきます。

(実は、かなり早い時期から早期教育の習い事をしている子の多くに
この特徴があって、
虹色教室に来ている子の中でも、
他のお教室に幼い時期から通っている3歳代の子は、お勉強のにおいのするものいっさいに
強い嫌悪感をしるしたりするのです。)

それならば……と 
子どもの言いなりになって、すぐに習い事をやめさせていると、
いやになったらやめればいい、さまざまなルールは自分の思い通りになると
思い込むときもあります。

もし、習い事が合っていて、楽しそうだったとしても、
☆くんのように、自分で自由に動くことが好きな子がいつも喜ぶ場合、
幼児用のかなり自由度が高い内容なのかもしれず、
「するべきときに忍耐してしっかりする」という
☆くんに必要な能力が養われないかもしれません。

(虹色教室も自由度が高いので、こうしたタイプの子が喜んで
通ってきますが、常にその子のレベルで、
忍耐力やルールを守ることが身につくように配慮しています)

やはり何かさせるときは、
その子の性質を良く見て、
やめたがるとき、悪い癖がついてきたとき
などの急所でどうするか、
親が自分の態度を決めてからさせるのが良いように感じます。

それとは別に
お母さんとは、今の☆くんの姿から、今後
大きくなるまで、どういう教育的な見通しが必要かについて話し合いました。

☆くんは、「どうして?」が多い子で、
さまざまな自分の意見を表現するのが
好きな子です。

そこで、ただの知ったかぶりさんや、おしゃべりさんに終わらせず、

新しい知識をどんどん取り入れて
どんどん出していく 表現していく

というサイクルが自分の力で、いくつになってもしっかり行えるように
教育していくことが
必要だと感じました。

またこの強いエネルギーが、自分を誇りに感じて、自分を高めていこうと努力する方向へ、きちんと流れるように導いてあげなくてはならないと
思いました。

ただの知ったかぶりさんや、おしゃべりさんに終わらせず、

新しい知識をどんどん取り入れて
どんどん出していく 表現していく

というサイクルが自分の力で、いくつになってもしっかり行えるように
教育していくこと

って、どういうことなのでしょう?

幼児期に、おしゃべりがとても上手で、打てば響くように
あー言えば、こう言う~具合に、会話が行き来すると、
大人たちは、賢いな、面白いな、と感じて、
とにかくあれこれ からかったり、いろいろ言わせて褒めちぎったりしがちです。

でも、そうした幼い時期に、

じっくり考えずに、とにかく言葉を発しさえすれば、得!!

という考えを持たせてしまうと、せっかく持っている積極性や
表現力を、
内容の浅い無駄話ばかりに使うようになってしまいます。

好奇心も同じで、いつでも「何?何?どうして?」とうるさいからと、
適当にあしらっていると、ショッキングなニュースやテレビの話題のような
そのとき限りの好奇心を満足させることにばかり首をつっこむように
なってきます。

個性を良く見て、長期のスパンで子どもの教育を考える

ということは、子どもの持っているひとつひとつの個性的な長所が
押さえ込まれたり、ゆがんだ使い方をされたりせずに、
一番良い形で伸びていくように配慮することです。

☆くんでしたら、
魚を与えるのではなく、魚のつり方を教えるように、
知識の取り入れ方を学ばせ、
その知識をもとに、いっぱいおしゃべりするのに耳を傾けてあげると良いですよね。

さまざまな新しい知識が手に入り安い環境を整えてあげる
親しめるようにしてあげる

ということが大事ですよね。
長期スパンで考えるということは、幼児期は熱心にかかわって、小学生になったら塾任せではなくて、
幼児期も小学生になっても、その子にとって大事な働きかけは
無理のない形で継続して続けていく
ということです。

うちの子たちが小学生のころは…、

ちょっと目新しいものがあると
興味をそそられる息子の性質に合わせて、

毎週のように7冊ほど、薄くて面白そうな科学絵本や読み物、図鑑
などを図書館で私が借りてきて、家においていました。

とにかく目新しさのおかげで、息子は、必ずといっていいほど、それに目を通していました。おかげで、受験のときは、理科の勉強はほとんど必要ありませんでした。

娘は、お料理や手芸など、何かひとつのことにじっくり取り組むのが
好きな子でした。そこで、そうした本は、惜しみなく買い与えるようにしていました。息子の場合、目新しさが大事なので、図書館の本でいいけれど、
娘は作りたいとき、すぐ手元に本があった方がいいのでそうしました。
おかげで、計画性、目標を達成するための構成力などが身についたと思います。

☆くんの場合、
図書館を利用して
小学生になっても、手軽な知識の供給源が身近にあるようにしてあげること

自分の好奇心に忍耐強くつきあえるようになるために、
手を使ってする工作や実験にしっかりつきあってあげることが
大切だと感じました。