今日は『絵本大好きクラブ』の初日でした。
2歳3ヶ月~4歳1ヶ月までの★くん、◆くん、●くん、☆ちゃん、○ちゃんの5人で
絵本をテーマにごっこ遊びをしたり、工作をしたり、理科遊びをしたりして遊びました。
読み聞かせやクイズ遊びなどもしました。
子どもに何か体験させるというと、子どもが喜んで活動に参加しているかどうかで
「食いついた」「食いつかない」
といって一喜一憂する方がいます。
子どもがうれしそうに目を輝かせているもを見るのはうれしいものですし、
子どもを嬉々とさせる活動に知的な内容も含まれていれば、お得感も感じることでしょう。
でも、「食いついた」とか「食いつかない」など
外から見て、大人の期待通りに機敏に反応している時だけが
子どもの心に影響を与えているとは限らないですよね。
子どもの感じ方や興味の示し方、インプットのあり方やアウトプットのあり方は
それぞれ個性的で、
どの子もまいたエサに群がるような反応で
感動を表現するとは限らないのです。
目を丸くしたままで、ジィーッと他の子のすることをうかがっているだけに見える子も
心のなかでは驚きや感動や疑問ややってみたいことのアイデアが渦巻いているかも
しれないのです。
そうした場で大人が期待する反応をしたかしないか、
何かが上手にできるかできないか、
他の子と同じように活動しているかどうか、に目を配るのではなく
ひとつの体験を通して子どもの内面に浮かびあがってくる個性的な資質に気づいて
それを磨いて輝かせていくお手伝いができたらいいな、と思っています。
大人が余計な心配をしなくても
自分のなかにある宝物に気づいた子は
他の子らといっしょにする活動でも自分の優れた一面を発揮しながら
関われるようになってきます。
虹色教室に来ている小学生の親御さんが
こんなことをおっしゃっていました。
子どもの小学生のお友だちはほとんどが、学校の先生や塾の先生の良し悪しを
「面白いことを言って自分の楽しませてくれるかどうか」で
評価しているようなのです。
とにかく自分を楽しませてほしい、というテレビでも眺めるような構えが勉強にあって
「勉強とは自分がするもの」「受動的にしてもらうだけでなく自分から働きかけてみる、表現する」という
発想が全く見えないのだそうです。
確かに「面白い、面白い」と見ているだけでいつのまにか英会話をいくつか覚えちゃったなんて
ある意味で理想的に思えるような学習が幼児期や低学年くらいまでは
通用するし、それなりの結果も手にできるはずです。
でも、そんな頭の使い方が身についてしまうと
自分で能動的に考えていかないと答えを出せない学習に移行する時期には
手に負えなくなるのではないでしょうか。
「見る」「聞く」「教えてもらう」「言われた通りに訓練する」と同じように
「言う」「「作る」「表現する」「工夫する」「自分の頭で熟考する」といったことも
たくさん体験させてあげたいと思っています。
話が脱線したので戻しますね。
ひとりひとりの子の資質ってどんなところから見えてくるのでしょう。
4歳になったばかりの◆くん。
線路の絵本を作っていたので、「もっと長くしてみる?」とたずねると
顔を輝かせて、「線路だから、もっともっと紙をつながないといけないよ」という返事が返ってきました。
「もっともっと、パタパタ絵本みたいに」と言いながら、何枚も紙をつなげて
線路を描いていきました。
◆くんはストーリーが長い絵本も心から楽しむことができる想像力豊かな子のようです。
この日、和食レストランで昼食会をしたのですが、
2歳の子がカーテンを引っ張ろうとしたとたん、上にかけてあるハンガーに気づいて、
「それを引っ張ると、上から落ちてくるかもしれないよ」
と指摘しました。
次にどうなるのかな、と推理することに敏感な様子です。
保育園では指示に従うのが一テンポ遅れがちなのんびり屋の一面があるようですが、
よく物を観察し、想像を膨らませたり、先を推理したりすることが好きなために
そそくさと反射的に動けないようです。
◆くんの資質のすばらしい点に気づいて、
想像力や推理力を使って楽しむ体験をいろいろ積ませてあげるといいように思いました。
和食店の個室から外に出る時、◆くんはすかさず靴入れの脇にかけてあった靴べらを手にしていました。
「勝手に触らないの」と注意する必要もあるでしょうが、この場面では靴べらを使うことに問題はなさそうだったので、
「◆くん、それはどうやって使うの?」とたずねました。
「こうやって、靴をはく」と見本を見せてから、
ゴルフのバットを振るような真似をして、「こういう風にもできるね」と言いました。
「◆くん、それはどこにしまうの?」とたずねると、ちゃんと元通りかけていました。
好奇心からあれこれ触ってしまう時も、質問を投げかけると
いろいろと考えているようです。本を読んでもらうのが大好きな◆くんに、
自分の言葉で説明させ、考えを表現させる機会をたくさん与えてあげる大切さを感じました。
次回に続きます。