ブロックで作るドリンクバーの作り方です。
赤いボタンを押すとオレンジジュースが出てきて、
緑のボタンを押すとお茶が出てくるドリンクバー。
くわしい作り方は、近いうちにアップします。
グランフロントで開催されている明和電機の『ナンセンスマシーン展』に行ってきました。
昭和電機製品デモのパフォーマンスが、
19日(日)、6月25日(土)、26日(日) 15:00~
で開かれています。お時間のある方はぜひ足を運んでみてください。
工作好きの子、機械好きの子、ナンセンスな遊びに興じる子、発想が面白い子、
音楽が好きな子には絶対に見せてあげたいです。
わたしは、昨日の3時からの部を見たのですが、すばらしかったです。
『ナンセンスマシーン展』には、
うちの家族とアメリカからいらしている家族全員で行ってきました。
あちらの小4の息子くんは、感動で息もできない様子。目がキラキラ。
デモの後、走って『おたまトーン』という楽器を買いに行ってました。
うちの息子は、友だちともう一度見に行って、スケッチなどを
じっくり味わいたいそうです。
あまりいい写真が撮れていません。
興味がある方は、実際に足を運んでみてくださいね
小学2年生の●くんは普通級で学習している、
さまざまな面で少し発達がゆっくりしている男の子です。
個別で細かいサポートをしていると何とか学年相当の問題を理解できるけれど、
学校での授業の進行についていくのは次第に難しくなっているようです。
<7時半の時計の絵>から、3時間、経過した時刻を問う問題のように、
「時計の絵から何時何分かを判断する」ということと、
「その時間から3時間たった時刻が何時何分になるか考える」ということの
2つの作業をする場合、
手も足も出なくなって、「わからない」と投げ出す姿がありました。
「まず、何をしたらいいのかな?ほら、時計を読むんだよね。
ここに何時何分か書いておこう」と言って時計の横に枠を作ってあげると、
「7時30分」と書くことができました。
また、「次は何をするのかな?問題をよく見てね。時計で時間がわかったら
その次にすることは何かな?」とたずねると、
「何時のほうに足すの?何分のほう?どっち?」とはたずねてきましたが、
意味はそこそこわかっているようで「10時30分?」と自信なげに答えました。
そうしてようやくわかっても、
同様の次の問題になると、
時計の絵の時間を読むというところから、何をしたらいいのか
わからなくなっていました。
●くんは最近まで、ワーキングメモリーが極端に弱い上、
時系列でものごとを考えていくことが苦手でした。
そのため、お家ではお母さんから一度にひとつだけ指示を出してもらって、
それを実行するようにして過ごしてきました。
この頃は、ワーキングメモリーにしても、時系列にものごとを考えるのにしても
わずかですが向上しています。
レゴの作品作りやピッケの絵本というパソコンソフトで遊ぶ時のように
好きなことをしている時は周囲がびっくりするほど少し前にした作業を記憶しながら
目的を持って新しい作業をこなしていくことができるようになっています。
ところが、勉強となると、「問いに答えるためにしなくてはならない手順を考えて、
ひとつひとつ実行していく」という作業がさっぱりできなくなってしまうのです。
問題をいっしょに見ながら、
「何をすればいいと思う?ひとつめは何かな?ふたつめは?」と
指を1本ずつ立てて見せながら考えさせても
●くんは困惑したまま黙っています。
物作りのように、
好きなことなら何をすべきか計画したり記憶を保っておいたりできるのに、
勉強だと手も足も出なくなってしまうのは、
嫌なことをやりたくないからではなさそうです。
●くんは視覚優位の子なので、ブロックの手順のように画像だけで予測したり、
記憶したりするのはそれほど難しくないようなのです。
けれども言葉を使って、何と何をすべきなのか考えるのは
至難の業なのかもしれません。
●くんは教室に着くなり、ドールハウスをいくつか配置して
家の中の家具をていねいに設置していきました。
少し前までドールハウスを出しても、ありったけの人形を部屋に詰め込んで
ふざけて遊ぶだけだったのですが、
今回は「先生、どろぼうのねずみの役して!」と言ってました。
(↑学校を覗く黒いマスクのどろぼうねずみ)
きちんとストーリーを演じて遊びたい気持ちが芽生えてきたようです。
遊びというと、ふざけて追いかけあうとか、
おもちゃを出すだけ出して少し触るとおしまい……という状態で過ごしていた子が、
小学生になってようやくごっこ遊びや人形遊びや工作に
興味を持ち始めることがあります。
小学生ともなると、帰宅は遅くなるし、宿題もさせなきゃならないしで、
今さらごっこ遊びやお人形遊びに付き合うのもどうかな……と感じる親御さんも
多いことと思います。
でも、「幼児期にごっこ遊びや人形遊びや工作をほとんどしなかった」という子は、
想像を膨らませて見えないものをイメージの中で操作したり、
論理的に物事を考えたり、
そうして考えたことを言葉で表現することがかなり苦手なケースがよくあるのです。
子どもの発言に耳を傾けていると、
「うん」「ううん」「いや」「そうする~」以外の言葉をほとんど使っていなかったり、
言葉の使い方が間違っていたり、語彙量が極端に乏しかったりすることが多々あります。
また、理由を推測する力や
質問にきちんと答える力が育っていなかったりします。
学校の勉強がはじまると、計算はできるか、時計は読めるのか、
九九は暗記したか、漢字はかけるのか、といったことが気になりますし、
そうした訓練をたくさんさせると勉強に遅れることはないように錯覚しがちです。
でも実際には、使える言葉が極端に少なくて、
論理的に筋道を立てて考えることができないままで授業を理解していくのは
困難なのです。
想像力を使って頭の中でイメージできず、理由を推理するのが苦手で、
質問されると問いからずれた答えばかり言っているとするとすれば、
それはそれで学習のつまずきの大きな原因となるはずです。
という記事でも書きましたが、(この記事の続きは近いうちに書きますね)
「本来、幼児期に通っていく現実を、論理的に理解していく過程が
スポッと抜けたままになっているんじゃないかな?」と推測される状態にある子に
学校の勉強だけを繰り返し訓練していっても、
あるところまで進むと、頭打ちになってしまう可能性があるのです。
それなら、どうすればいいのか?というと、わたしは次のように考えています。
小学生になってからも、「絵本読んで!もっと読んで!」と言い始めた子には、
たっぷり読んであげて、いろいろおしゃべりし、
ごっこ遊びや人形ごっこをし始めた子とは、ストーリーを展開させ、
会話をたくさん交わしながらいっしょに遊ぶのです。
工作をしたがるようになった子には、道具と環境と時間と適切な手本を与えてあげます。
そして、工作をしている最中にも、「どんなものが作りたいのか」
「工夫した点はどんなところか」
「もっと良い作品にするんはどうすればいいと思うか」などたくさん会話をするのです。
実際に手や頭を使いながら、大人とたくさん会話をしていると、
間違って覚えていた言葉が修正され、理由について正しく考えるようになり、
想像力が徐々に向上していきます。
●くんとのごっこ遊びの様子です。
わたしに泥棒役をするように指示する●くん。
●くんは、警察署のドールハウスに犬の警察官2匹を置いて、
それらの役をするつもりのようでした。
わたしが、「そうだ、あの家にどろぼうに入っちゃえ。何を盗もうかな。
そうだ、いっそのこと、お家ごと盗んじゃおうかな。
お家を全部、泥棒しちゃおうかな?」と言うと、
●くんはすかさず、警官の人形で泥棒をポカポカ叩いて、やっつけてしまいました。
そんな逮捕劇がひととおり済んだ後で、どろぼう人形とお茶犬の人形に
話をさせました。
「ねぇねぇ、お茶犬くん。泥棒って、どんな格好をしているか知っているかい?」
「知らないよ。教えてよ。どんな服を着ているの?」
「袖が青くて、身体の部分は白くて、ズボンは青。赤いベルトをしているよ」
「それなら、警察の近くで見たことがあるなぁ」
「いっしょに泥棒を捕まえに行こう」と泥棒に誘われたお茶犬が、
警察署に近づくやいなや、今度もポカポカとやっつけられて、
●くんの手でお茶犬も泥棒も牢屋に閉じ込められてしまいました。
●くんはとにかくこのストーリーの展開に夢中になって遊んでいるのですが、
人形同士の活劇には一生懸命ですが、ほとんど言葉は使いません。
そこで、
「●くん、●くん。どうして、お茶犬まで牢屋に入れられてしまったの?」とか、
「●くん、泥棒が牢屋に入ってしまったら、お話しの続きはどうしたらいいかな?」
など、たずねました。
すると、●くんは、必死で言葉にしようとするのですが、うまく言えなくて、
「あのぅ、あのぅ、あのぅ……それは」と繰り返しています。
しまいに、「ふたりで相談していただろ。だからどっちも悪いんだ!」と言ったり、
「続きは、牢屋から逃げて、また泥棒にくるといい」と言ったりしました。
●くんは子ども同士で話ている時は、言葉の大切さを少しも
実感していない時があります。
おふざけしながら、何となく、言葉がないままに時間が過ぎていくのです。
勉強している間も、言葉の大切さを理解していません。
分からない時は、
「しらない」「できない」と言ってそのままプイッとよよそ見をして遊びだすし、
分かる問題の時は、答えだけ書きこんで黙っています。
お母さんが話しかける時には、
「うん」「いや」「そうする」「え~」「できない」くらいの言葉で
会話は事足りると思っているふしもあります。
友好的で笑顔が多く、人と関わる力も高いため、そうした語彙の少なさが
それほど周囲に問題として感じられていないふしもあります。
人形遊びをする●くんは、いくら遊んでも遊び足りないほど楽しい様子で、
●くんにしゃべらせるような質問を何度も投げかけても、
楽しそうに必死になって言葉で言おうとしています。
それを補助するように、
「そうなの。お茶犬は、悪者と相談していたから、泥棒の仲間だと思われているのね。
でも、お茶犬はね、泥棒に嘘をつかれて騙されただけかもしれないね」
「牢屋から脱獄するストーリーにしたいのね。
どうやって逃げ出すのか方法を考えてちょうだい。
●くん、脱獄に必要な道具って。何と何がいるのかな?」
など、大人の言葉でできるだけていねいに会話をしていると、
「脱獄するには~」とか「道具が必要だね」など
本人がそれまで使ったことのない言葉も、会話の中で使い始めます。
●くんのように発達に少しゆっくりしたところのある子は
言葉が劇的に増える幼児期には、
何らかの理由で語彙力が伸びにくかったのかもしれません。
でも、幼児期にはそうした困難さが目立っていた子も、小学校に入った後くらいから、
ていねいな会話を心がけて、会話するシーンを増やしていると、
言葉がどんどん増え始める子もけっこういます。
もし子どもがごっこ遊びを喜ぶようなら、ぜひたっぷり付き合ってあげてほしいです。
ご無沙汰しております
虹色教室事務Kです~どうも
ささ、暑くなってまりましたね!!
皆様いかがお過ごしで御座いましょうか?(^^)
そろそろと夏休みの予定を練っておられる頃でしょうか?
先日はユースホステルイベントの募集がありましたね~
少ない枠にも関わらず、ご応募頂きまして誠に有難う御座います。
皆様には大変申し訳なかったのですが、3か月前の段階で8月の土日ならびにお盆休みあたりが埋まっており多めに予約が取れませんでした。
本当にどこもかしこも混んでいるようです…。
さ、本題と参りましょう!!
今年は全15回にて日帰りレッスンを開催いたします。
内容ならびに対象年齢は、回ごとに異なりますので、ご兄弟(姉妹)参加希望の場合は個別に希望日程をご記載ください。
もし、遠方のため同日に寄せてほしいなど御座いましたら、ご記載ください。可能な範囲で考慮致します。
※申し込みに際しての注意事項※
・応募コメントは全て公開させて頂きます。ですので、H.Nにご本名を記載されますと投稿できたかご確認して頂くことが出来ません。
また、コメントの内容(本文)に個人情報…メールアドレスやお子様の名前など…も同様です。記載内容に十分お気を付けくださいませ。
・対象年齢につきましては、小学生・幼稚園児(相当年齢)・未就園児と大まかに分けております。
ご参加のお子様1名につき、3000円の参加費用がかかります。
・参加者発表は、後日、ブログにて発表致します。遅くとも来月初めには致します。
・申し込み内容についてですが、下記記載事項をコピペしてお使い頂ければ有難いです。
お住まいの都道府県につきましては、詳細などを送る際に事務Kが参考にさせて頂きます。遠方の方で各種予約が必要な方には優先的にご連絡を早めに致します。
必須記載事項…【学年】・【年齢】・【性別】→希望日程の番号
自由記載事項…【お住まいの都道府県】
こんなところでしょうか。
おっと、毎度のことながら、【いつでも参加可能】という方がおられましたら、希望日程に合わせてその旨ご記載頂ければ有難いです。
それでは、開催日程をご確認下さいませ。
対象年齢・内容・日程・開始時間となっております。
1.幼児算数 7月21日(木) 午前10時~
2.幼児算数 7月21日(木) 午後3時~
3.幼児算数 7月27日(水) 午後3時~
4.幼児算数 8月3日(水) 午前10時~
5.小学生算数 8月3日(水) 午後3時~
6.幼児算数 8月4日(木) 午前10時~
7.小学生算数 8月4日(木) 午後3時~
8.幼児算数 8月5日(金) 午前10時~
9.未就園科学 8月8日(月) 午前10時~
10.未就園科学 8月10日(水) 午前10時~
11.幼児科学 8月12日(金) 午前10時~
12.幼児科学 8月16日(火) 午前10時~
13.小学生科学 8月16日(火) 午後3時~
14.算数で困り感のあるお子様 8月25日(木) 午前10時~
15.算数で困り感のあるお子様 8月25日(木) 午後3時~
以上15日程です。
なお、小学生のプログラミング(電子工作)のレッスンを希望される方は、こちらの募集日程以外で日程を調整したいと思います。
ですので、ご都合の良い日程を夏休み期間中で記載の上コメント欄にご記載ください。
それでは、1週間後くらいにまた現れます~
ばいばいきーん(@^^)/
子どもの個性も長所も十人十色です。
たとえば、
「がんばり屋だけど考えるのが苦手な子」「飽き性だけど頭の回転が速い子」って
いますよね。
「がんばり屋だけど考えるのが苦手」という子の長所は
「もっともっとたくさんしよう」「がんばろう」とするエネルギッシュさです。
といっても、勉強の場合いくらがんばり屋でも 考えるのが苦手だと、
「考えなくてはならない問題」で先に進めないことが続くと、
勉強を避けるようになるかもしれません。
勉強以外のスポーツやお手伝いや携帯ゲームの攻略などでは長所の根気のよさを
生かすけれど、勉強は苦手というタイプに成長するかもしれません。
かといって、「易しい計算問題ばかり」をスローステップでやらせていると、
ある時点で、考えなくてはならない文章問題の学習に入ると、
満点ばかり取っていて良くできると思っていたのに、小学3年生くらいから
いきなり成績が急降下しはじめるということも起こります。
「がんばり屋でも 考えるのが苦手という子」の答案を見ると、
はりきってたくさん問題にチャレンジしているものの、
どれもこれも間違いばかりということがあります。
そんなときに、相手ががんばり屋さんですから、多少手厳しいことを言っても、
まじめで素直な対応が返ってくるものですから、親もつい本人の心への配慮を
怠ってしまいがちです。
せっかく自発的にたくさんがんばったという場面でも、
「何でこんなにミスばかりなの?」と本人が自分には能力がないと錯覚するような
ことを言ったり、たくさん×をつけて、「たくさんがんばれば、×が増えるから、
自分から努力すると損だ」と思い込むようなことをてしまいがちなのです。
学校の授業やテストでは、間違えた問題にすぐに×がついて、
間違いを修正するのは大事です。
でも家庭で自発的に学習する場合にも、身近な大人が
自分の「勉強とはこういうもの」というイメージを子どもに無理に押し付けていると、
子どもの長所が学習で生かせなくなってしまう場合があります。
カナダ人の心理学者アルバート・バンデューラが提唱した感覚に、
自己効力感というものがあります。
自己効力感とは、
「外界の事柄に対し、自分が何らかの働きかけをすることが可能であるという感覚」
「ある具体的な状況において適切な行動を成し遂げられるという予期、および確信」
といったものです。
勉強の場面で、過去に「自分の強みを発揮して成功できた」という体験がなければ、
次に「きっと自分にはうまくできるから、がんばろう」と自発的に取り組む動機は
生まれてきませんよね。
私は、学習の場面で、子どもに「自己効力感」が身につくまでの間は、
「最初が肝心だから、ミスはその都度きちんと直しておかないと」とか、
「たくさん失敗しても、それを乗り越えられる強い子になってほしいから」
といった大人の持っている学習へのイメージを
子どもが「自己効力感」を得るか否かよりも優先しない方がいいと思っています。
私たち大人でも、外国の方を相手に、勇気を持って習いはじめの外国語で声をかけたとき、
間違いを馬鹿にされたり、注意されたり、何度やっても通じなかったという体験が続けば、
それでもがんばって話しかけ続けるか……というと難しいのではないでしょうか?
でも、相手が外国の子どもだった場合、こちらのミスをいちいち気にしていないとしたら、
たくさん話しかけるうちに、自分は外国語で会話ができるという自信がつくし、
回数を踏むうちに、上手に正しい使い方ができるようになってくるかもしれません。
「自己効力感」がないまま、何年、英語を学んでも、外国の人と会話のキャッチボールを
するのは難しいのかもしれません。
多くの勉強が苦手な中高生は、知的なハンディーキャップを持っている子ばかりでは
ありません。
また、発達障害があって、努力や計画的に物事を進めることに
ハンディーキャップがある子ばかりでもありません。
ごく普通の小学生の頃はがんばり屋で成績も良かった子の多くが
「勉強ができない子」に成長しているのです。
その原因には、日本の教育では、個人個人の「自己効力感」より、
集団に通用する「教育ってこういうもの」という大人が信じやすいものを
優先しすぎているからのように思います。
私は 子どもの個性はさまざまですから、集団の場でない限り、その子が
「自分の有能さ」を感じ取れるような勉強が必要だと思っています。
本来なら、集団の場でも、「みんなから認められている」「自分は有能だ」
というフィードバックを得る体験がたくさん必要だとも思っています。
勉強の場で、「自分の有能さ」を発揮できるという確信が、
いくつになっても自発的に学び続ける姿勢を育てるからです。
一方で、いつも先に解き方を暗記させておいてから良い点を付けていく
スローステップの学習で
「考えない」癖をつけてしまうことも問題だと思います。
このさじ加減は難しいので、何度かにわけてくわしく説明させていただきます。
「飽き性だけど頭の回転が速い子」っていますよね。
さまざまな新しいことをやりたがってチャレンジ精神旺盛なのはいいのだけど、
やる前は、大騒ぎして、「どんな苦労もいとわない!」という様子だし、
やってみると人一倍、呑み込みもいいのに、すぐに飽きて放り出してしまう子。
目ざとくて、知恵もよく働くけど、気が散りやすくて怠けがちな子。
こういうタイプの子って、お友だちが習い事をしているのを目にすると、
すぐに自分もやりたがって、泣いて騒ぐことがよくあります。
「それならと……」習わせると、少しすると、今度は練習や宿題が嫌で、
毎日、親とバトルになるという結末をたどりがちです。通信教材もしかり。
「ぜったいがんばるからやらせて!」と地団駄を踏んでいたのもつかの間、
教材を取り出したとたんに、ほとんど手付かずのまま溜め込んでいくものです。
注意が必要なのは、「自分がやると言いだしたんでしょ!がんばりなさい!」
「ちゃんとがんばればできるのに、努力が足りない!」と叱り続けるうちに、
幼い頃は自分から知的なことに何でもチャレンジしたがっていたのに、
大きくなるにつれ、勉強に関わることは自発的にチャレンジするのを避けるように
なってくることです。
その代わり、後々、「やる、やらない」でもめたり、
「やめたい、しんどい」と悩んだりしなくてもいいテレビゲームとか、
買い物などでは、相変らず、ごね続けるようになりがちです。
飽き性の子に、我慢することや努力することを、しつけていくことは大事です。
けれども、現代は大人と子どもの境界線が薄れていますし、
幼い子も消費のターゲットになっている時代ですから、
「あなたが自分でやるって言い出したんだから、すぐに投げ出さずにがんばりなさい」
と叱ると、年齢不相応な自己責任の押しつけになってしまうことも多々あるのです。
3歳、4歳、5歳といった子が
「お友だちといっしょにリトミックを習いたい」とごねたところで、その子の年齢だと、
「お友だちが公園に行ってるから私も行きたい」とごねているレベルの
先の見通ししか持っていないものです。
まだまだ、自分に何が合っているのか、どんなことなら長続きするのか、
何をすると一番がんばれるのかといったことを、いろいろ試してはやめて、
夢中になっては卒業して、より自分を成長させることができる何かを外にも、
自分の内側にも探索していく時期なのです。
それなのに、大人の世界が幼い子の暮らしにまで浸透して、
子どもの習い事に、ママ友同士のおつきあいが絡んでいたり、
子ども向けの商売のシステムのせいで、幼児が数年計画の責任感を
問われることになっていたりするのです。
「飽き性だけど頭の回転が速い子」の長所は、
新しい興味の対象に向けるエネルギーの強さです。
「やりたい!」と言っているときのエネルギーと、やりはじめた当初のエネルギーが
維持されたら、この子はどれだけ賢くなることか……?
と感じている親御さんはたくさんおられることでしょう。
私は、あまりお金などの負担がかからないことでいろいろチャレンジさせてみて、
やってみたり飽きたりを繰り返しながら、
「こういうことならがんばれそう」「自分が生かせそう」という
自己効力感を得られるものに気づかせていくことが大事だと感じています。
勉強で、基礎を繰り返し学習するのを極端に嫌がる場合、
「あなたは勉強嫌いの悪い子だ」
「あなたは怠けもので、こんなことをしていたら将来勉強が苦手になってしまう」
というイメージを植え付けないように気をつける必要があります。
このタイプの子は、易しい問題と難しい問題が混在したワークで、
「好きなものを1問選んで解いてね」と言うと、
ちょっとひねったものを選んで解いて、それを機会に「もっと解きたい」と
言い出す場合がよくあります。
子どもの学習に構いすぎるのもよくないのですが、
義務を無理強いして大の学習嫌いにさせるよりも、
長所の頭の回転が良さを使って、知的な課題の面白さに気づかせることが
大事だと思っているのです。
飽き性って悪いことばかりじゃなくて、執着心のなさや、
自分によってより必要なものを見極めていく力や、
好奇心の強さとも関わっているものです。
今、自分にとって一番重要な目的に全力投球できる能力でもあります。
短所に見えるところも、罪悪感を植えつけず、大らかに関わっていると、
そのように良い資質として使っていけるようになっていきます。
うちの子たちにしても、飽き性とはちょっと異なるのですが、
コツコツがんばることが苦手です。
ですから決まりごとや義務が多い場では、欠点ばかりが目立っていた時期もありました。
でも、ゆっくりと長所も欠点もどちらも大切に育てていくようにすると、
長所だったものはもちろんですが、短所と思われていたものが、自分で目的を定めたり、
深く考えたり、創造的に解決したり、
学び続けたりする原動力となっているのがわかるのです。
わが子が、子どもとは呼べないような年齢になると、
子どもに対して親ができることは本当にしれていて、
役に立つのは信じてあげることくらいだと気づきます。
子どもは本当に自分がなりたいものに向かって、自分の力で成長し続けていくのです。
3歳2ヶ月のAくん、3歳6ヶ月のBくんのビー玉転がしのおもちゃ作りの様子を
紹介します。
3歳の子たちと工作をする時、こんなことに注意しています。
①作りたいイメージを形にする時、
3歳の子でも簡単に扱えるような素材を用意する。
②時々、簡単に作ることができる作業や操作手順を教える。
③子どもが自分のやり方で自由に作り出したら、正解を教え込もうとせず、
自由に作らせる。
④子どもの「こうしたい」「ここが面白い」を実現するための
試行錯誤を手助けする。
AくんとBくんの希望は「ピタゴラスイッチが作りたい」というものです。
ビー玉が通る道に曲がるストローを使うと、3歳の子でもイメージを実現しやすく
なります。
先に両面テープで道を作って、ストローを貼ります。
子どもが、ストローよりももっと高さのある迷路を作りたがる場合、
広告紙などをくるくる丸めて作った棒をストロー代わりに貼ると、
紙なので粘土のように形の変形をさせることができます。
Bくんの発見。
「ストローを折ってぐるぐる巻きにすると、
大好きなショベルカーのひっかき出す部分のようになる」ということ。
「こんな風にシャッシャッてビー玉を取るの」とBくん。
作ったストローの手で、カップの中に入ったビー玉を取り出せるようにしました。
「ひっかき出す」という動きは、
紙箱に穴をあけてストローを通して左右に動かせるようにしたものに
取っ手をつけると可能です。
AくんもBくんも満足のいくピタゴラ装置が完成しました。
---------------------------------------------------------------------------------
アルキメデスの揚水ポンプは、斜めに傾けた筒のなかを
らせん状のスクリューを回転させて水をくみあげるポンプのことです。
下水道科学館に行くたびに、教室の子どもたちが
夢中になっていたので、作ってみることにしました。
ペットボトルに細いホース(ホームセンターで安価で購入できます)を両面テープで
貼りつけました。
後から、プラスチックボンドで補強する予定。
(↑ これを見本に作りました)
水がスルスル上がって行きます。大成功です。
カルキ抜きをした水をくみ上げて、ベンケイガニたちの迷路に水をかけてあげました。
ベンケイガニたちは、
年中のAちゃん、Bちゃんが作った迷路がとっても気に入っていました。
切り口がギザギザしていて粗いので移動しやすいようです。
Aちゃん、Bちゃん、大喜びです。
この日のAちゃんとBちゃんの作品。算数の時間も楽しく過ごせました。
教室でベンケイガニを飼うことになりました。
ティッシュペーパーの箱を使って
簡単な迷路を作って、ベンケイガニの知恵調べ。
カニの身体の半分くらいのサイズの穴でも通りぬけることができます。
まず脚を使って、穴の大きさを確かめるような作業をし、
しばらく穴から離れます。
再び穴の所に戻ってくると、身体を斜めにしてうまく通り抜けます。
下調べをする姿が面白いです。
迷路は、スーパーボールすくいに使っていたプラスチックの衣装箱の中に置いています。
ハサミを使って上手に食事をします。
<迷路の作り方>
ティッシュ箱の上部を切りとります。
適当に切り込みを入れて折ると
できあがり。
何箱か組み合わせると、1~2分でけっこう複雑な迷路ができがります。
学校での学習についていけるのか、心配なところがたくさんあった1年生の●くん。
言葉の意味理解や数の概念の把握にかなりの問題を抱えていたのに、
ブロック遊びや工作やゲームや頭脳パズルにはまるたびに、
考えることや観察すること、推理することなどが得意になってきました。
このところ、急速に論理的に考える力と推理力が伸びてきたので、驚いて、
●くんのお母さんに、普段の生活や遊びについてたずねると、
学童に『ブロックス』や『マスターマインド』といった頭脳ゲームがたくさん
あるので、それで遊ぶうちに思考力が高まってきたよう……といった話を
伺いました。
虹色教室の知的ゆっくりさんの女の子も、いつまでたっても簡単な計算ルールを
マスターすることができなかったのに、学校で『ウノ』を教わって遊べるように
なってから、繰り上がりや繰り下がりのある計算が解けるようになったのです。
学童やいきいき活動で使う教室、学校の図書館などに、ドイツ製のカードゲームや
さまざまな頭脳ゲームなどをそろえておくと、
子どもたちの知力が自然に高まるでしょうに……!
学校にゲーム類を置くのが難しくてもせめて学童に質のいいゲーム類が
置いておけるように働きかけることはできないかと思いました。
小1と小2の女の子たちのグループレッスンで。
小1のAちゃんが、『ものしりけんきゅうじょ』と題した手作り本を
持ってきてくれました。
てんびんのつりあいについて不思議に感じたことがあるそうです。
今回のレッスンでは、実験をしたがる子が多かったので、
ラメ入りのスライムを作りました。
その後、てんびんばかりを使って、Aちゃんが感じた不思議を実際にやってみて
みんなで味わうことにしました。
でも、てんびんばかりの作りがいまいちで正確に量れません。
半分は、「本当は、こんな風につりあうの」と想像力で補ってもらいました。
「先生、てんびんばかり買ってよ。ちゃんとしたはかり買ってよ」と
子どもたちに文句を言われたので調べてみたものの、
位置を調整できるてんびんばかりは、どうも作りが怪しいのです。
正確に量れないとはいえ、Aちゃんの『ものしりけんきゅうしょ』のおかげか、
位置と重さの関係について興味を抱く子が多く、
てんびん図の問題が逆比で解けることも納得できたようです。
てんびんの中央に近いところから、1,2,3,4,5,6と穴に番号を書き、
6の穴からぶらさげた皿にスーパーボール1つをぶらさげたら、
かけ算をしてイコールでむすばれるように、1の穴からぶらさげた皿に6こ入れたら、
いいのだと理解していました。
もうすぐ授業でかけ算を習う子が多いので、
みんなで九九タワーを作ることにしました。
どの子も熱中して作っていたので、途中で、
「九九タワーを見て、何か気づいたことある?」とたずねると、
「横の列だけじゃなくて、縦も九九になっている」と答えたり、
1から9までの数をたすと45になることがわかった後で、
「1の段から9の段までのかけ算をそれぞれ全てたすといくつになると思う?」という
質問に対して、どの子も本気で考えて、解法を深く理解していました。
これが、他の子たちが作った九九タワーを見ながらする質問だったら、
こんなに真剣に考える子はいなかったはずです。
自分の手で一生懸命取り組むことは、本当に大事ですね。
1から9までを足した数分のブロックを
いろいろな形にして九九タワーに乗せてみて、
1+2+3+4+5+6+7+8+9=45
45×2=90=(1+9)+(2+8)+(3+7)+(4+6)+(5+5)
=10×9
になることを目で確かめています。
また、1の段のかけ算の答えを全てたすと、
1+2+3+4+5+6+7+8+9=45になり、
2の段のかけ算の答えを全てたすと、45×2となり、
3の段のかけ算の答えを全てたすと、45×3になることも
実際にブロックを置いて確かめました。
「そうか~。わかった!」とうれしそうな声があがっていました。
見えない部分は、写真のようにブロックを重ねています。
こうした瞬間、数を面で捉えることができるようになるようです。