今日は2007年度の講義要項の締切日である。6つの科目について書かねばならないのだが、無論、まだ1つも書いていない。背水の陣で取りかからねばならない。「明日できることを今日するな(今日は今日しかできないことをしろ)」をモットーに生きている私にとって、背水の陣というのは最も得意とする戦法である。背水の陣をとるためには、相当の力量を必要とする。怠惰な日々を送っていると必然的にそうならざるを得ないという次元の低い話ではない。第一に、この仕事は今日やらないと間に合わないか、明日でも間に合うか、それを的確に判断する能力が必要であり、第二に、その判断に基づいて実際にその仕事を期日までにやり遂げる能力が必要であり、第三に、もし判断を誤って、あるいは力及ばす、期日までに仕事を終えられなかった場合に、「ごめんなさい」と素直に謝って、相手が「しょうがないなあ。今度だけですよ」と言って、大目に見てくれる人間的魅力(「憎めないところ」ともいう)を備えていなくてはならないのだ。
午前中、まず大学院の2つの科目、「質的調査法特論」と「社会学演習(8)」に取りかかる。「質的調査法特論」については、すでに年末に、社会調査士認定機構から資格科目としての認定を得るために詳細なシラバスを書いて提出しているので、それをカット&ペーストすればいいだけだから簡単である。「社会学演習(8)」は題目を「戦後日本の知識人と大衆-清水幾太郎と彼らの時代」とする。どう見ても集客力のある題目とは思えないが、2007年は清水の生誕百年であるから、思い切って清水幾太郎を前面に出すことにした。使用文献は『清水幾太郎著作集』全19巻(講談社)であるが、もちろん各自で購入する必要はない(古書市場での相場が20万円で、そもそも市場にめったに出ませんから)。2科目の講義要項を添付ファイルにして大学院事務所にメールで送る。実は、大学院の講義要項は学部よりも一日早くて、昨日が締切だったのである。だから正確にいうと、大学院の講義要項に関しては、背水の陣ではなくて、水の中に一歩入っている陣なのであった。足腰の強さと精神的な図太さを必要とするこの陣形も、私は得意としている。
ここで作業を中断して、昼食をとりに外に出る。残りは4科目。楽勝ペースである。午後の作業を考えて、昼食は軽めのもの(たとえば回転寿司屋で白身の魚を中心に数皿か、鈴木ベーカリーのハムサンドとタマゴサンド)を頭に描いていたのだが、「やぶ久」の前を通ったら、本日の日替わり定食「キスの天丼と山菜そば」と表示されていたので、ついふらふらと暖簾をくぐってしまった。御飯物とそばという組み合わせには抗しがたい魅力があるのだ。しかし、その結果、腹はふくれ、いくらか風邪気味のせいもあって、眠くなってしまった。ちょと午睡のつもりで蒲団にもぐり込んだら、夕方まで寝てしまった。これはいかんと飛び起きて、「社会と文化」に取りかかる。これは今年度の二文の科目の継続科目なので、既存の講義要項の微修正だけでよい。
風呂に入り、夕食(ジンギスカン)をとり、一服してから残りの3科目にとりかかる。学部の科目の講義要項は添付ファイルで事務所に送るのではなく、Web入力で、その期限が今夜の12時なのである。あと3時間。「期間終了後の入力・修正はできませんので、ご注意ください」と事務所から届いた書類に書いてある。ホントだろうか? 3時間で3科目というのはけっこう大変である。3科目とも新規の科目で、一から書かないとならないからだ。まず「現代人間論系総合講座1 現代人の精神構造」に取りかかる。この科目は私と安藤先生(英文学)、大藪先生(心理学)、田島先生(宗教学)の4人でチームを組んで行う科目で、コーディネーターである私が講義要項を作成することになっている。事前に3人の先生方から予定している講義内容についてうかがっているので、それをもとにして作文をする。1時間かかった。あと2時間。次に「ライフストーリーの社会学」に取りかかる。この科目は新学部の1年生用の科目で、2年後に私が開設するゼミ「現代人のライフストーリー」(文化構想学部現代人間論系の3・4年生対象)へ学生を呼び込む役目ももっているので、気合を入れて(ただし肩に力が入らないように細心の注意を払いながら)書かねばならない。やはり1時間かかった。あと1時間。ぎりぎりである。最後に「社会学演習ⅠB」に取りかかる。これは一文の社会学専修の2年生用の科目で、必修科目(演習ⅠABCの3つのクラスの中のどれかを履修)なので、集客力のある文章である必要はない。定員も決まっているので(30数名)、なまじ面白そうな文章を書いて希望者が多くなっても抽選で落ちる学生が増えるだけである。おそらく他の2クラスと違うのは、グループ発表を重視する(合宿もする)という点なので、「グループワークに意欲的に取り組む意志のある学生の履修を期待する」と特記する。副題は「社会学的想像力のための練習問題」としておいた(はい、関川夏央の『ソウルの練習問題』のパクリです)。これまた1時間近くかかった。学部の4科目の講義要項をWeb入力して、「確定」ボタンを押したのが12時10分前。ぎりぎりセーフである。ふぅ。この緊張感と安堵感が背水の陣の醍醐味である。ちなみに12時を回った後も入力・修正は可能だった。やっぱりね。制度というのはこうしたファジーな部分がないといけませんよ。
午前中、まず大学院の2つの科目、「質的調査法特論」と「社会学演習(8)」に取りかかる。「質的調査法特論」については、すでに年末に、社会調査士認定機構から資格科目としての認定を得るために詳細なシラバスを書いて提出しているので、それをカット&ペーストすればいいだけだから簡単である。「社会学演習(8)」は題目を「戦後日本の知識人と大衆-清水幾太郎と彼らの時代」とする。どう見ても集客力のある題目とは思えないが、2007年は清水の生誕百年であるから、思い切って清水幾太郎を前面に出すことにした。使用文献は『清水幾太郎著作集』全19巻(講談社)であるが、もちろん各自で購入する必要はない(古書市場での相場が20万円で、そもそも市場にめったに出ませんから)。2科目の講義要項を添付ファイルにして大学院事務所にメールで送る。実は、大学院の講義要項は学部よりも一日早くて、昨日が締切だったのである。だから正確にいうと、大学院の講義要項に関しては、背水の陣ではなくて、水の中に一歩入っている陣なのであった。足腰の強さと精神的な図太さを必要とするこの陣形も、私は得意としている。
ここで作業を中断して、昼食をとりに外に出る。残りは4科目。楽勝ペースである。午後の作業を考えて、昼食は軽めのもの(たとえば回転寿司屋で白身の魚を中心に数皿か、鈴木ベーカリーのハムサンドとタマゴサンド)を頭に描いていたのだが、「やぶ久」の前を通ったら、本日の日替わり定食「キスの天丼と山菜そば」と表示されていたので、ついふらふらと暖簾をくぐってしまった。御飯物とそばという組み合わせには抗しがたい魅力があるのだ。しかし、その結果、腹はふくれ、いくらか風邪気味のせいもあって、眠くなってしまった。ちょと午睡のつもりで蒲団にもぐり込んだら、夕方まで寝てしまった。これはいかんと飛び起きて、「社会と文化」に取りかかる。これは今年度の二文の科目の継続科目なので、既存の講義要項の微修正だけでよい。
風呂に入り、夕食(ジンギスカン)をとり、一服してから残りの3科目にとりかかる。学部の科目の講義要項は添付ファイルで事務所に送るのではなく、Web入力で、その期限が今夜の12時なのである。あと3時間。「期間終了後の入力・修正はできませんので、ご注意ください」と事務所から届いた書類に書いてある。ホントだろうか? 3時間で3科目というのはけっこう大変である。3科目とも新規の科目で、一から書かないとならないからだ。まず「現代人間論系総合講座1 現代人の精神構造」に取りかかる。この科目は私と安藤先生(英文学)、大藪先生(心理学)、田島先生(宗教学)の4人でチームを組んで行う科目で、コーディネーターである私が講義要項を作成することになっている。事前に3人の先生方から予定している講義内容についてうかがっているので、それをもとにして作文をする。1時間かかった。あと2時間。次に「ライフストーリーの社会学」に取りかかる。この科目は新学部の1年生用の科目で、2年後に私が開設するゼミ「現代人のライフストーリー」(文化構想学部現代人間論系の3・4年生対象)へ学生を呼び込む役目ももっているので、気合を入れて(ただし肩に力が入らないように細心の注意を払いながら)書かねばならない。やはり1時間かかった。あと1時間。ぎりぎりである。最後に「社会学演習ⅠB」に取りかかる。これは一文の社会学専修の2年生用の科目で、必修科目(演習ⅠABCの3つのクラスの中のどれかを履修)なので、集客力のある文章である必要はない。定員も決まっているので(30数名)、なまじ面白そうな文章を書いて希望者が多くなっても抽選で落ちる学生が増えるだけである。おそらく他の2クラスと違うのは、グループ発表を重視する(合宿もする)という点なので、「グループワークに意欲的に取り組む意志のある学生の履修を期待する」と特記する。副題は「社会学的想像力のための練習問題」としておいた(はい、関川夏央の『ソウルの練習問題』のパクリです)。これまた1時間近くかかった。学部の4科目の講義要項をWeb入力して、「確定」ボタンを押したのが12時10分前。ぎりぎりセーフである。ふぅ。この緊張感と安堵感が背水の陣の醍醐味である。ちなみに12時を回った後も入力・修正は可能だった。やっぱりね。制度というのはこうしたファジーな部分がないといけませんよ。