フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

1月21日(日) 曇り

2007-01-22 03:18:11 | Weblog
  予定では今日は『社会学年誌』に載せる論文の校正(二校)を終わらせるつもりだったのだが、昨日、作業の途中の原稿を研究室のテーブルの上に忘れてきてしまった。痛い。そのため、明日、大学に出ていかなければならなくなった。これはさらに痛い。そんなわけで、今日は一日自宅に引きこもっていた。昨日も大学に出かけた、明日も大学に出かけるとなると、今日は引きこもらないと精神のバランスがとれない。
  昼食(インスタントラーメン)の後、ハードディスクに録っておいた『顔のない女』という二時間ドラマ(1月24日のテレビ東京「水曜ドラマ9」特別企画)を観た。エド・マクベインの小説が原作だが、とてもよくできたミステリーだった。つくりも丁寧で、殺人事件の被害者の女性の生い立ちを刑事が語る場面は、野村芳太郎監督の名作『砂の器』を彷彿とさせるものがあった(あっちは父と息子の放浪だったが、こっちは母と娘の放浪だ)。
  夕食(ステーキ)の後、『華麗なる一族』の第二話を観たが、お金をかけて作っているにもかかわらず、どうしても安っぽく見えてしまうのはなぜだろう。キムタクはIT関連の若手企業家にしか見えない。彼が専務を務める阪神特殊鋼は中小企業にしか見えない。万俵家の豪邸はゴルフ場のクラブハウスにしか見えない。鉄平の祖父の肖像画は路上の似顔絵画家の手になるものにしか見えない。鉄平の人生最後の場所になる山の上の「大木」は神宮外苑あたりにある並木の一本にしか見えない。・・・これは私に1974年に放送されたTVドラマ『華麗なる一族』(鉄平役は加山雄三、父大介役は山村聰)の記憶があるためだろうか。リメイクであることを知らずに見ている30代以下の人たちはこのドラマを重厚な大作として受け止めているのだろうか。今期のTVドラマの中で視聴率ダントツのこの作品を見切るべきかどうか、迷っている。
  『華麗なる一族』の後に録画で観た今日の『NHKスペシャル グーグル革命の衝撃』は非常に面白かった。情報検索システムというものが現代社会においてもつ重要性と問題点を鮮やかに指摘している。社会学の授業の教材のコレクションとして保存しておこう。(後記:最初の再放送は1月23日に行われ、再々放送は1月28日の深夜に衛星第二で行われる)。