前号ではkoshinyaさんと一緒に2000m級のワインディングへと繰り出し、キャーキャー騒ぎつつも(ばか)、いよいよTIP-Sの本質に迫るべく、ドライバーのkoshinyaさんにDレンジシバリを課してブレーキングGでスポーツモードを呼び出すテクニックを伝授。
やってみればそのあまりの簡単さと凄さに一同舌を巻いたわけですが(爆)、こうなりますと件のこのTIP=TIPTRONICなるZF謹製(アイシンAWでわないか、という指摘がございましたが、どうやらZFらしい)というATギヤボックスに興味が湧いてくる、というものです(熱心なこった・・・この熱心さが本業に生かされれば・・・)。
うちの本棚にあるカーグラフィックのなかに、それっぽいのはないか、と思いついて探してみたのですが、あったあった!
カーグラフィック90年1月号・・・表紙の赤文字は「メルセデスベンツ・神話の解剖」とあり、W124を中心にアツ~~ク語られている他に、お目当ての記事には「近未来装備のポルシェ・カレラ2」とあるでわないですか(狂喜)。
90年カレラ2にはそのカブリオレに8万キロほども乗り倒して、しゃぶりつくした(きつぱり)この私のことでございますから、「近未来装備」といわれれば、TIPのことだとすぐさま理解できます(ちなみに乗っていたのは5MTですた)が、この記事を書いた時点では、その後に露見するこのモデルイヤーに特有の数々のトラブルを知る由もなく、ホメちぎっているのが印象的。50年以上にわたる911史上でも、最悪のモデルだったと逝っても過言ではない90年カレラ2のその褒めちぎり記事を書いているのは後にも先にもCG史上、一番カゲキだったのではないか、と思われるクマクラ編集長だったのが更にウケるぜ!
文中、TIPのあつかいには左足ブレーキングがきっちり推奨されているのと、ロックアップの詳細な記述があって、今更ながらベンキョーになるほかに、どちらかといえばMTよりもTIPを推しているのが印象的。現在のようなツインクラッチメカニズムの隆盛は知る由もなかった当時の状況を考えますと、非常に興味深いです。90~92の964MTモデルにはカレラ2、4ともに有名なツインマスフライホイールの不良からくる路上での「お不動様」がデフォルトだっただけに、この記事にあるTIPのススメはある意味正しかったか、といえなくもないです。
画像は件のCGとカルティエロードスター(そうくるか)。この当時にはボクスターの誕生など微塵も予見できないわけですが、こうしてTIPの最終型にのって、カレラ2を思い出すとき、こんな記事を読むのは非常に感慨深いものがございます(爆)。
ロードスターの裏蓋に刻印されたロゴのカッコよさを見よ、と(ばか)。