King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

映画『東京タワー』をみる

2007年09月23日 23時21分38秒 | 日々のこと
21日のこうせつのコンサートと同じ会場に映画を見に行きました。
わが町に映画館がなくなってから、ふた月に一度位の割りにこの
ような映画を見る会のような上映方法で映画がかかります。
自分の町に映画を見る文化をというこんなイベントがあると応援
の気持ちで参加します。昨日買った前売り券は、1000円でした。
それなら映画の日とかに熊谷や入間のシネコンで見たほうがはるかに
音も絵もいい物がみられますが、これは文化活動ですから。

例により、会場内は加齢臭漂う構成で、入りは半分も行かないくらい
です。今回は『東京タワー』です。これは原作を読んでいて、時間を
守らない男とか、家賃を踏み倒して夜逃げしたとか違和感のある
内容が気になったことと、テーマとなる個人的な関係をなぜ世間様に
発表する必要があったのかと思うような代物でした。それでもこれが
世間には200万部も売れたそうですから、大衆の求めるものなんて
酷評する人の中には、マザコンと揶揄する人もいてそんなマザコン
話でも大丈夫なんだという不思議な感覚を持ちました。

もちろん犯罪者の獄中記でも、ひとつの時代の証言のようなもの
ならたちまち大ヒットでしょうから、売れたからいいと言うものでもない
のです。それで、映画まで作るとなればそれはそれでまた映像表現で
のひとつの挑戦なわけで、マザコン話もどう料理されるものなのかという
興味も出てきます。

で見た感じですが、直ぐに内容が退屈で紙芝居のような絵でもあり、
飽きてしまいました。後ろの席からは、映画の画面に相槌を打つような
合いの手が入り、鼻をすするような音まで聞こえてまた背中がゾゾと
粟立つような寒気を感じるのでした。

映画が始まる前に、熊谷の病院が映画の舞台に使われたという資料
が配られていて、どんな建物かと思いましたが、外見はあまり時代を感じ
させないような安っぽい建物でした。小泉今日子も出ていて、それが
あまり重要な役でなく、ほんのちょいでただけでかつてのCM女王ももはや
こんな端役でしかみられないのかとこちらの方が時代を感じさせる存在でした。

映画は、そもそもオダギリジョーが主役で失敗しています。こんなスタイリッシュ
でもろい感じの人が伸びきったゴムから仕事をやっとやる気になってどうにか
物になっていくという人生においてのダイナミズムを感じさせないし、ストーリー
を過去と現代を交錯させていく語り口にも斬新さも効果的な結果もなく、
文学的味付けにもなっていません。脚本の松尾スズキも監督も全然だめ
です。脇を固めるクリエィティブ集団も同居人たちも全然描ききれていません。

原作を読んでいない人に、オトンがどんな人だったかどれだけ伝わったか
なぜオカンが人気者で主人公以上に好かれたかが伝わりません。絵も
汚くて、現代と昭和30年くらいの薄汚さがそのまま平成あたりの切り替わりの
バブル華やかな感じとか時代それぞれの町の臭いとか勢いとかまったく
感じられず、借りた部屋には生活感もなく、生きている人のぬくもりも
伝わらないのです。原作以上につまらなかったかもしれません。

ようやく長い映画の時間が過ぎて、やっと昼飯に行きました。昨日に
引き続きそばです。昨日が10割そばでしたが、あまりの劣化ぶりに半場
あきれ、半場悲しくなり、今日の違うそば屋でお口直しです。昨日の
そばが何かにつけ極力経費節減で薬味のねぎもさえもつゆもちょっぴり
しかついなくて、てんぷらも油までケチったのかというようなみっともない
ものだっただけに、普通はこうだろうというところに行きました。この店は
ここ10日間位の間にすでに、3度目です。

この連休中ということもあり、市内のそば屋はどこも満席状態ですが、
ここはまだできて間もないのと市内中心部からは離れていることから、
私達が行った時には、他に客がいない状態でした。いつもはそばしか
食べませんが、店の実力を知るためと昨日との比較のため他の料理と
てんぷらも取ってみます。てんぷらも思ったとおりのものが出てやはり
昨日の店の劣化振りが印象付けられました。

雨が降ったり止んだりの日でしたが、夕方いつもの公園を走ります。
休日ということで、走っている人も多く、日曜でも観光客より地元の
運動をする人達が多いという状況でした。
コメント
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