乃南アサ『ライン』(講談社)
★★★☆☆
パソコン通信にひそむ危険性と、大人になりきれず現実に苛立つ若者たちの物語。
主人公薫の甘ったれた性格にイライラしっぱなし。
他人は自分に気を遣い、便宜をはかるべきだというその発想がさー。
生活費の中の三万って大金だぞ! 稼いでみろ!!
親がかりの身分のときって確かにそういうとこあるよねー、とわかるだけに
嫌悪感。KAHORUのキャラも勘弁していただきたいものだ。
面白いのは後半から。
細かく見れば納得できないところも多いし、
登場人物たちにも感情移入できないのだけど、
それでも勢いがあってぐいぐい引き込まれてしまう。
誰かを本当に理解することなどできないのだと知る痛み、
通過儀礼を通した青春小説としての側面もあって、おもしろく読めました。
しかし乃南さんの真骨頂は『水の中のふたつの月』『5年目の魔女』のような
女の怖さを描いた作品だと思うので、次はその系統の作品を読みたい。
★★★☆☆
パソコン通信にひそむ危険性と、大人になりきれず現実に苛立つ若者たちの物語。
主人公薫の甘ったれた性格にイライラしっぱなし。
他人は自分に気を遣い、便宜をはかるべきだというその発想がさー。
生活費の中の三万って大金だぞ! 稼いでみろ!!
親がかりの身分のときって確かにそういうとこあるよねー、とわかるだけに
嫌悪感。KAHORUのキャラも勘弁していただきたいものだ。
面白いのは後半から。
細かく見れば納得できないところも多いし、
登場人物たちにも感情移入できないのだけど、
それでも勢いがあってぐいぐい引き込まれてしまう。
誰かを本当に理解することなどできないのだと知る痛み、
通過儀礼を通した青春小説としての側面もあって、おもしろく読めました。
しかし乃南さんの真骨頂は『水の中のふたつの月』『5年目の魔女』のような
女の怖さを描いた作品だと思うので、次はその系統の作品を読みたい。