金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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231:西尾維新 『クビキリサイクル』

2006-10-25 12:00:12 | 06 本の感想
西尾維新『クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い』(講談社ノベルス)
★★★★★

縁あって通っていたサイトで猛烈プッシュされていたもの。
メフィスト賞受賞作。

話題の作家さんだし、今さらですが、おもしろかったー!

財閥の令嬢によって絶海の孤島に招かれた5人の天才女性。
そのうちの1人・玖渚友と、その付き添いでやってきたいーちゃんが
密室で連続して起こった首斬り殺人の解決に乗り出す。

ミステリー要素も大きいのだけど、
「新青春エンタの傑作」と銘打たれているとおり、
ミステリーというよりはエンターテイメントといった感じ。
キャラクター造型がかなりアニメ的で、どちらかというと
ライトノベルに近い印象があるので、読む人を選ぶかも?
いかにもな感動詞やヒロインの一人称には正直ドン引きだったけど、
それを補ってあまりあるおもしろさ。

最初の「孤島」「天才」キーワードと、散見される思想から
すぐに森博嗣を連想した。
著者も影響をうけた作家の一人として公言しているとのこと。
ほかに挙げられていた京極夏彦や清涼院流水、上遠野浩平あたりは
数冊読んだきりなので、あまり感じなかったけど、
ファンの人はそういう点でも楽しめそう。
矛盾するようだけれど、作中に、
「誰かを褒めるときに《何々みたい》と言うのは最大級の侮辱」
という話が出てくる。
なんとなくわかるなあ。
「外見が芸能人に似ている」という話ではなく、作ったものに対する話。
言ったほうにどんな意図があるにしても、言われたほうにとっては
《何々に似てる》ってたいてい悪い意味なんだよね。

コメント
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