金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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208:森鴎外 『舞姫』

2006-10-01 21:32:02 | 06 本の感想
森鴎外『舞姫 集英社文庫』(集英社文庫)
★★★★☆

※真面目に好きな人は読まないでください。

バイトのため再々々読。
わたしは鴎外自身には熱烈ラブだけども、小説そのものに対しては
それほどでもない。
でも作家の内面の投影だと思えば、追っかけたくもなるものです。
「舞姫」は、ご多分に漏れず高校の教科書で初読。
当時から古文にまったく抵抗を感じなかったので、雅文体にめろめろ。
明治という時代は本当におもしろいと思うし、当時のエリートという存在には、
その偏った部分も含めてひとかたならぬときめきを感じます。
弁明と感傷からできているところも○。

しかし、近代文学ってどうしてもツッコミをいれずにいられない。
今日も女子高生と読みながら大爆笑。
(わたしの現代語訳がふざけていたせいもある)
今日のツボは、エリスと関係を持ったのを、
「俺はつらくって大変で、頭がぼーっとしてたんだよ!しょうがないだろ!」
と言い訳してるところ。
これを雅文体で書いてるところがさらに笑いを誘う。
「俺はかわいそうなの、だからしょうがないの、疲れてたの、とかさー」
「やったことは取り返しつかないし、言ったことは消せないんだよ、キモイ!」
「こういう言い訳する人いるよねー。だから帳消し!みたいな」
「甘えてんだよ!マザコン!」
……エリートの苦悩も現代のおなごにかかればさんざんです。

しかし鴎外の後妻のしげさんは、この豊太郎にめろめろになって
鴎外に嫁いできたんだよなー。時代を感じます。

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207:恩田陸 『小説以外』

2006-10-01 21:03:37 | 06 本の感想
恩田陸『小説以外』(新潮社)
★★★☆☆

図書館より。
籐子ちゃんライブラリーのおかげで新刊にも追いつき、
ようやく既刊はすべて制覇した恩田陸(アンソロジー収録は除く)。
本書はタイトルどおり、各誌に掲載された小説以外のエッセイを
まとめたもの。
自作について書かれたもの以外にも、書評やおすすめの本を挙げた記事が多く、
読書案内としても活用できそうな一冊。
わたし、「ほとんど知らない!」と無意味に威張って言えます
もともとミステリーってあまり読まないし、特に翻訳ものなんて数えるほど。

しかし子どものころに読んだ本なんて、よく覚えているものだなあ。
わたしの場合、読書記録をつけはじめた3年くらい前までの本は
なんとか覚えているけど、それ以前に読んだ本なんて
記憶に残っているのはほんのわずか。
タイトルを出されれば、
「あっ、読んだことがある!……たぶん中学のとき」
とわかるけど、小・中・高のベスト5をそれぞれ挙げろって言われたら
たぶん5冊も思い出せない

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