金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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現在、記事の整理中。

221:舞城王太郎 『阿修羅ガール』

2006-10-13 16:56:56 | 06 本の感想
舞城王太郎『阿修羅ガール』(新潮社)
★★★☆☆

メフィスト賞でデビューした著者の三島由紀夫賞受賞作。
本屋で文庫版をよく見かけていたので気になっていた。

好奇心で「やっちゃった」相手・同級生の佐野が行方不明に。
女子高生アイコは、佐野を探す陽治への恋心になやみつつ、
佐野の行方に思いをめぐらすが、勃発した「アルマゲドン」に乗じて
金槌で頭を殴られる。
異世界と現実、妄想が入り乱れるファンタジー。

第二部の途中まではついていけたしおもしろかったのだけど、
ファンタジー要素が出てきてからはナナメ読みになってしまった。
ファンタジーの要素って、割合に関係なく、書くほうはもちろん、
読むほうにも「お約束」があると思うのだけど、
わたしはどうもそれが苦手というか、身についていないみたい。
そういう「お約束」に抵抗がない人は
すんなり作中世界に溶け込めるのかも。
物語の発端となった佐野の話は途中でどっか行っちゃって、
解決されないままだったのにがっくり。
評判はいいようなので、デビュー作を読んでみたい。

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220:金城一紀 『レヴォリューション No.3』

2006-10-13 12:14:40 | 06 本の感想
金城一紀『レヴォリューション No.3』(角川書店)
★★★★★

Kazumiさんのおすすめ。
昨晩眠る前に一篇だけ読もうと思ったのだけど、
結局全部読んでしまった。
おもしろかった!
文庫落ちしたら買おう。

女子校の文化祭に潜入するため奮闘する落ちこぼれ高校の男の子たち。
ばかばかしいんだけど、ほろっときちゃうところもあって、
ああ可愛いなぁ男の子だなぁと思った。
『GO』でも『対話篇』でも思ったけれど、
この著者の描く恋する男の子はすっごく可愛い。

語り手は3編とも南方くんと考えていいんでしょうか。
「ラン、ボーイズ、ラン」と「異教徒たちの踊り」の間に
キャラクター的なギャップをやや感じるのだけど、
過去の話だからかな。
「ピータン大嫌い!」のところで夜中に大笑いしてしまった。
フライ、ダディ、フライ』では舜臣以外のメンバーが
完全に脇役に回っていたこともあって
キャラクターがいまいち把握できなかったのだけど、これで大丈夫。
『フライ~』のほうも再度読み返したい。

コメント (2)
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