
★★★☆☆
【Amazonの内容紹介】
十五歳のわたしの家にとつぜんやってきて、
一緒に住むことになった三十七歳のレミちゃん。
むかし作家を目指していたレミちゃんには
「ふつうの人と違う」ところがあった…。
季節のうつりかわりとともに描かれる人と人とのきずな、
人間のみにくさと美しさ。
そして涙がおさえられない最後が待ち受ける。
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ものすごく久しぶりの作家さん。
読んだのは単行本版。
両親が突然手のひらを返したような態度を取るのだけど、
レミちゃんのずうずうしさや甘え、
彼らの体面をつぶすようなふるまいを考えると、
いくら同情して助けたいと思っていた人でも
見放すよね……と納得はできる。
そして両親の気持ちはわかるけれども、
家に友人たちを招いて頻繁にホームパーティをする
アート系の、いわゆる「成功者」である彼らとレミちゃん、
どちらが自分に近いかといったら
やっぱりレミちゃんなんだよな。
もやもやしてすっきりしない、
だけど不快でない読後感が不思議。