金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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大河ドラマ『いだてん』#36

2019-09-22 21:36:06 | 大河ドラマ「いだてん」
今日のトピックは、

・プレッシャーに苦しむ前畑の奮闘
・もはや政治抜きでは行えないオリンピック

の2本立て。

たったひとり、おそらく両親でさえ理解できず
分かち合うことができない前畑選手の
プレッシャーと孤独。

金メダルなしでは国に帰れない、と彼女は
精神的に追い詰められているけれど、
彼女のライバルであるドイツの選手もまた、
ヒトラーじきじきの激励を受け、
大変なプレッシャーを感じているであろうことが
それとなく示される。

結果として前畑は金メダルを取り、見ている自分も
「よかったね」
と祝福できるけれど、前畑に敗れた選手が
どんな目にあわされたかと思うと、
苦しくて仕方ない。
こういう世界情勢だもの、
国の威信を背負ってやってきた選手たちに
気楽な人などだれひとりいないよね……。

ドイツで通訳してくれていたユダヤ人の彼、
「4年後、東京に来るといい」
というまーちゃんに、
「それは難しい」
と告げる。
この後でユダヤ人を襲う運命を
視聴者の大部分が知っているからこそ、
副島氏に解説させなかったんだな……と
思ってみていたのだけど、
まさか通訳の彼が即刻
自殺してしまうとは思わなかった。

日中戦争がはじまり、世相はどんどん暗くなる。
東京オリンピックを開催するとなれば
ほうぼうに気を遣わねばならず、
さすがの嘉納先生も追い詰められ気味。

オリンピックを軸にしながらも、
ちゃんと時代の空気を色濃く映しだして
移り変わりを描いてる。
「大河ドラマ」と言うにふさわしい出来じゃないの。

【その他いろいろ】

・カナクリシソウからの電報を
「だれやそれ」
 で片付ける前畑。
 友人たちも何も言わなかったあたり、
 本当に彼女たちにとっては「だれやそれ」
 だったんだろうなあ。
 若い世代で、しかも競技もちがうんだもん、
 前半も主役もモブ以下の扱い!

・ピリピリする前畑を「秀ちゃん」とか呼ぶまーちゃん、
 「河童が人に気使うてはる」
 と女の子たちに不気味がられる。
 さわがしくデリカシーのないおっさんが
 なれなれしく「秀ちゃん」なんて呼んだら
 火に油を注ぐだけだよ!



コメント
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