金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

26:赤木かん子 『六の宮の姫君 (Little Selectionsあなたのための小さな物語)』

2008-05-04 07:53:03 | 08 本の感想
赤木かん子編『 六の宮の姫君 (Little Selectionsあなたのための小さな物語)(ポプラ社)
★★★★☆

【収録作品】
山岸涼子「朱雀門」
芥川龍之介「六の宮の姫君」
福永武彦「六の宮の姫君がはかなくなる話」
今昔物語「六宮姫君夫出家物語」

今昔物語原文に、福永武彦の現代語訳、
原文をアレンジした芥川龍之介の短編に、
その芥川作品をモチーフにした山岸涼子の漫画。
解説で音楽のアルバムの話を例に出していたけど、
この取り合わせ、並び順が重要なんだね~と納得。
同じ作品をモチーフにしながら、ここまでちがう、
それぞれの味の出た作品にしあがるのがおもしろい。
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25:平岩弓枝 『浮かれ黄蝶―御宿かわせみ』

2008-05-03 08:37:55 | 08 本の感想
平岩弓枝『浮かれ黄蝶―御宿かわせみ (御宿かわせみ)』(文藝春秋)
★★★★☆

麻生家に通う途中、麻太郎は新内流しの娘・お蝶の
熱い視線を感じる。
彼女と言葉をかわし、心さざめく麻太郎。
そのころ、両国では少年たちによる引ったくりが
続発していた。
花世・小太郎とともに天満宮のご開帳に出かけた
麻太郎と源太郎はその引ったくりの現場に遭遇し……

***********************************************

さっさと予約しておけばよかったのに、
しようしようと思いながら2年が経過。
かわせみシリーズ江戸編、最終巻であります。
麻太郎に恋の予感? 
源太郎と花世はどうなるのか?
……と子どもたちのロマンスも気になるところ。
最終巻だからといって何がどうなるわけでもなく
ちょっと拍子抜けしてしまったのだけど、
このところ活躍の少なかったるいの勇姿もおがめ、
彼女の少女時代にまつわる謎も明かされます。

明治編はもう本になっているようですね。
雑誌掲載時にちらっと読んで、大ショック!
読むのが怖いんだけど、やっぱり気になる……。
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24:川上健一 『ビトウィン』

2008-05-02 16:34:57 | 08 本の感想
川上健一『ビトウィン』(集英社)
★★★☆☆

『雨鱒の川』発表以降、『翼はいつまでも』までの10年、
体調をくずして執筆活動から離れ、八ヶ岳の麓の村で
暮らしていた筆者。
妻子と友人たちとの、「慢性的手元不如意状態」ながら
楽しい日々のできごとを描くエッセイ。

「小説すばる」に連載されていたのを
たまに読んでいたのだけど、今回一冊の本として読んで、
ほろっと来ましたわ
とくに娘のヅキちゃんに関する話が泣かせる。
いいお父さんだ~
小説を書かないため貧乏で、食事から服、家具まで
全部手作りという生活なのだけど、
奥さんやヅキちゃんが明るくけなげなので
貧乏くささがなく、素敵に思えました。
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