金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

45:池波正太郎 『鬼平犯科帳〈6〉』

2008-06-15 22:35:24 | 08 本の感想
池波正太郎『鬼平犯科帳〈6〉』(文春文庫)
★★★★★

密偵・伊三次を主人公にした「猫じゃらしの女」、
師匠の仇討ちのために同心・沢田佐治が奮闘する「剣客」、
平蔵の過去とおまさの恋を描く「狐火」
……と脇役にスポットをあてた話が多かった6巻。

今のところ、いちばん好きなのはこの6巻かな?
伊三次、いい男であるよ。
そして三十過ぎても乙女心を秘めたおまさが
可愛いのであります。
自分を慕い続けて身を尽くすおまさの幸せを願い、
「二度と、おれがもとへ、顔を見せるな」
といい捨てる平蔵にしびれる。

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44:池波正太郎 『鬼平犯科帳〈5〉』

2008-06-13 20:52:19 | 08 本の感想
池波正太郎『鬼平犯科帳〈5〉』(文春文庫)
★★★★☆

凶悪な盗賊たちに対して情け容赦ない裁きを下す
「鬼」の面と、
「間取りの万三」や芋酒やの九平へ向ける
優しさに満ちた一面の、
ギャップが際立って見える巻だったのでは?

大物盗賊たちの名前も、もう誰が誰やら、
それらの関係もちんぷんかんぷんになってきたけど
それはそれとして楽しめるので良し。
「鈍牛」では、無実の罪で人が死なずに済んだという
安堵もありながら、事件の発端を作った同心の
焦りも理解できる気がして気が沈む。
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43:角田光代 『この本が、世界に存在することに』

2008-06-12 11:15:13 | 08 本の感想
角田光代『この本が、世界に存在することに』(メディアファクトリー)
★★★★☆

エッセイかと思ったら短編集でした。
本にまつわる9編を収録。
角田光代はデビュー作の『学校の青空』以来ずっと
「気の滅入る話を書く人」ってイメージだったのだけど
最近ちょっと印象が変わってきたな。
これは前向きで優しい話が多かった。

本に対する思い入れが強いと、
自分の周囲に新しく読書家が登場したときにときめきます。
読書傾向の似た人だったりすると、さらに◎。
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42:大橋芳子 『エプロンメモ〈1〉』

2008-06-11 09:31:41 | 08 本の感想
大橋芳子『エプロンメモ』(暮しの手帖社)
★★★★☆

1巻目を発見した。

2巻目と同様、季節の装いやおもてなし、
料理や掃除、リサイクルなど、日常生活の中の
ちょっとした思いつきや工夫を記したコラム。
セロリは食べる習慣がなかったのだけど、
ちょっと食べてみたくなった。

役立つ知恵がいっぱいなのだけど、
なにより、はしばしに表れる、相手に対する気づかいや
おもてなしの心がすんばらしいのである。
素敵な奥さん(節約雑誌にあらず)って感じ。

「~してごらんなさい」という書き方は大橋鎮子さんの
癖だったのかしら。
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41:池波正太郎 『鬼平犯科帳〈4〉』

2008-06-10 09:31:12 | 08 本の感想
池波正太郎『鬼平犯科帳〈4〉』(文春文庫)
★★★★☆

おまさ登場。
密偵として平蔵の役に立とうと危険をおかしてまで
盗賊たちに近づいたり囮になったりするのが
いじらしい。
個人的には久栄がんばれ!って感じなのだけど、
やっぱりおまさにきゅんきゅんしちゃうのでありました。

一巻の一話めもそうだったけど、
盗賊に弱みをつかまれた同心は死んじゃう運命なのね……。
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40:池波正太郎 『鬼平犯科帳〈3〉』

2008-06-09 10:43:44 | 08 本の感想
池波正太郎『鬼平犯科帳〈3〉』(文春文庫)
★★★★☆

「むかしの男」は、平蔵の妻・久栄にスポットをあてたお話。
これだけ既読でした。
おまさ人気に危機感を抱いて、久栄の存在感を押し出した……
という裏話みたいなのをどこかで読んだことがあるのだけど、
初出も、こっちのほうがおまさ登場より早い。
わたしの思い違い? ドラマ版のほうの話だったのかな?

平蔵が老盗賊に弟子入りする「盗法秘伝」がユーモラスで
おもしろい。
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39:池波正太郎 『鬼平犯科帳〈2〉』

2008-06-06 13:23:44 | 08 本の感想
池波正太郎『鬼平犯科帳〈2〉』(文春文庫)
★★★★★

木村忠吾登場
はやくもキャラを確立させていい味出してます。
「お雪の乳房」の「げえっ……」には笑ってしまいましたわ。

「密偵」はやりきれない。
「女掏摸お富」もそうだけれど、
まっとうに生きようとしていた人間が、
必ずしも救われるわけじゃないところに
がっかりするというか、無力感に襲われる。
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38:森瑤子 『香水物語』

2008-06-04 15:26:59 | 08 本の感想
森瑤子『香水物語』(角川書店)
★★☆☆☆

そういえば一度も読んだことがなかったな、と
借りてきました森瑤子。
香水と宝石をモチーフにした一編2、3ページの
短編集。

雑誌連載だったそうで、一編ずつ読むなら
「素敵な大人の恋物語」
って感じなんだけど、一冊通して読もうと思うと
キツい……。
半分で挫折しました。
最初の数編で、「この人のパターン」っていうのが
わかっちゃうので、飽きてくる。
「おやじギャル」がなつかしすぎて吹いた。
初版1993年だもんな~。
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37:江國香織 『がらくた』

2008-06-04 15:10:39 | 08 本の感想
江國香織『がらくた』(新潮社)
★★★☆☆

海外のリゾート地で出会った柊子とその母・桐子、
女子高生・美海とその父。
柊子は美海の父と関係を持ち、
日本にいる夫のもとへ戻る。
桐子のもとへ美海がおとずれたことで、
日本に帰ってからも、桐子・柊子と美海の交流は続き、
柊子の夫も美海と出会うことになるが……

**************************************

これ、すっごく気持ち悪い話だと思うんだけど、
不倫にまつわる背徳感とか発覚を恐れる不安だとかが
完全に欠落しているせいで、ドロドロした感じが
一切ないんだなあ……。
江國さんの夫婦モノには食傷気味だというのもあるけど、
あんまり好きじゃなかったな。
赤い長靴』のほうが好み。
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