金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

242:武田友宏 『大鏡 ビギナーズ・クラシックス』

2020-11-24 11:56:34 | 20 本の感想
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

大寺院の法会に集まった2人の老人が若侍相手に語る、
14代176年間にわたる王朝の藤原氏の歴史物語。
華やかな王朝の裏で繰り広げられる道長らの
あくなき権力闘争の実態、
花山天皇の破天荒な振る舞いや
才能豊かな行成の逸話など、
平安の都人たちの興味津々の話題が満載。
平安という時代や「枕草子」「源氏物語」などの
女房文学への理解を深め、
古典を一層楽しく読むための最適な入門書。
役立つコラムや図版も豊富に収録。

*************************

ビギナーズクラシックスシリーズ。
知っている人物や流れが多かったので苦戦はしなかったけれど、
一部をピックアップして取り上げているので
時間の感覚や血縁関係に関する前提知識が
ないと苦しいかも。

村上天皇の中宮・安子が、
天皇の寵愛深い芳子に嫉妬して、
壁に穴を空けてそこから芳子に土器のかけらをぶつける
→怒った天皇が、安子の兄弟を罰すると
安子がキレて天皇に抗議する、
というこのエピソードの無茶苦茶さ。
自分のやったことについては反省しないの??

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奈良覚え書き 大和郡山

2020-11-24 08:46:00 | おでかけの記
せっかく京都まで出てきたので、奈良も行っとくか! と
夜はJRで奈良へ。快速でだいたい1時間弱。

奈良は4~5回は来ていて、有名どころはだいたい見たので、
今回は大和郡山へ。
JR関西線で奈良から1駅。



金魚の街。

駅から少し歩いて、







外堀緑地。
お堀沿いに作られた遊歩道。
地元の方々がせっせと清掃作業をしていた。
地元民らしき人達が犬を散歩させていたりも。
この緑地はそこまで距離があるわけじゃないけれど、
いいムード。

途中で離脱して西へ。



車止めにも金魚。



外灯の台にも金魚。



大和郡山の観光案内には必ずといっていいほど載っている
紺屋町。
でも反対側はこれだよ。



ガイドブックマジックだ……と思うけど、
あちこち歩いてみると、
郡上八幡みたいな徹底した演出がない代わりに
古い町家はあちこちにかなり残っている印象。





紺屋町にいくつかあった金魚の水槽。
治安がいいんだなあ。
破壊行為に及ぶアホがいないのだ(と思いたい)。



水路の中にも一匹だけ金魚を発見!

道の中央に水路の通ったエリアはそこまで長くないので、
東に向かって郡山城へ。
郡山は「お城と金魚の街」らしいよ。



高校の「城内学舎」って何かかっこいい!







城郭に興味がないので、追手門までしか行かなかったんだけど、
ちゃんと「城が残ってる」感があった。
新しく造っていないし、観光地化も激しくない。



追手門にかかった幕も金魚。

ここまで1時間弱。
この日もひどく暑くて、
「おい! もう11月中旬だぞ! 季節を考えろよ!!」
と腹が立つほど。
コートを脱いでも暑くて暑くて。

この後、城のすぐ東にある図書館に2時間半滞在。
見たことのない本がたくさんあって、
「ああ~! もう一泊すればよかった!!」
と激しく後悔。



帰り道に見た杉山小児科医院。
大正時代の建物。

他にも、明らかに普通の民家ではない
大きなお邸みたいな町家があって、
後から調べたら、元は造り酒屋だったみたい。



二日間、まったく旅行らしくない食事をとっていたので、
最後にアリバイ作りのように葛餅を食べた。
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241:河村恵利『時代ロマンシリーズ 12 緋の谷』

2020-11-23 21:37:41 | 20 本の感想
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

源平争乱の時代、乱世の激流に飲み込まれた
哀しい恋を描いた表代作のほか、
珠玉の時代ラブ・ロマンを収録!!

*************************

再読。
かなり記憶が鮮明なので、数年前に読んだんだろうか……?

『緋の谷』教経と影武者になった男
『望めの月』若かりし日の西行
『真澄鏡』常磐と清盛
『化ヶ原』小督と源仲国
『露分け』重衡と源師仲の娘
『夢七夜』オリジナル? 江戸時代、赤穂浪士 

作者さん、教経好きね。
西行の話は、どうも釈然としない。
そういう立場で出会った相手にそこまで執心する
感覚が自分にはよくわからないだけかもしれないけれど。
西行自身の恋ではなかった点が意外。

 
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京都覚え書き3 風俗博物館

2020-11-23 08:55:53 | おでかけの記
ラストは2度めの風俗博物館。
今回の展示も充実していた!





















かさねの色目の紹介のあとは、
『源氏物語』の中の、
光源氏と紫の上が女君たちに贈る装束を
準備する場面を再現。

















「天徳内裏歌合」の再現も。




平兼盛。


壬生忠見。

入館料600円は安すぎる! というくらい見ごたえあり。
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240:河村恵利 『時代ロマンシリーズ 10 かがり火百万石』

2020-11-22 20:55:50 | 19 本の感想
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

戦国時代、乱世の荒波に翻弄されながらも、
加賀百万石の礎を築いた前田利長・豪姫の愛と修羅!!

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『かがり火百万石』 利家と松
『夜半の嵐』 利家の嫡男・利長と、信長の娘・永姫
『波振り』 利長と茶々
『花の香籠め』 利長と家康
『葉の上』 利長の弟・利政と蒲生氏郷の娘・籍 

1冊通して加賀前田家。

表題作は利家と松の話かと思いきや、
利家の姉嫁と松の関係が中心。
利家と松、10歳近く歳が離れてたんだな。

「夜半の嵐」の永姫とお麻阿の関係性、
歳の差夫婦の間の空気が可愛い。

茶々の人物像もテンプレートでなく好感が持てる。

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239:松薗斉 『日記に魅入られた人々 王朝貴族と中世公家』

2020-11-22 20:06:24 | 20 本の感想
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

押し寄せる時代の波に順応しながらたくましく生きた
王朝貴族・中世公家の個性豊かな姿を、
日記研究の第一人者がわかりやすく解説する。

院政期から戦国時代まで――
いつの時代も一生懸命生きていた人々がいて、
面白い人物がたくさん蠢(うごめ)いていた! 
栄華が過去のものになりつつある時にも、
決してあきらめず前向きに、
押し寄せる時代の波に順応しながらたくましく生きていた
個性豊かな貴族・公家たちの姿を、
中世日記研究の第一人者がわかりやすく説き明かす。

第一章 人生を仕上げた男―藤原宗忠『中右記』―
第二章 日記の中のジキルとハイド―藤原頼長『台記』―
第三章 父と姉と娘と息子―藤原定家『明月記』―
第四章 経光くんの恋―藤原経光『民経記』―
第五章 やさしい宮様(中世の夫婦善哉日記)―貞成親王『看聞日記』―
第六章 戦国の「渡る世間…」―三条西実隆『実隆公記』―
第七章 言継さんの診察カルテ―山科言継『言継卿記』―
第八章 天皇様を支えます! ! ―戦国の禁裏女房たち『御湯殿上日記』―

***********************

同じシリーズの他の巻もチラ見したけど、
この巻はびっくりするほどライトでエンタメしてる。
読みたかったのは『民経記』の部分だけど、
他の部分も面白かった。
師である身分の低い儒士が寝込めば
自ら見舞いに行こうとしてお父ちゃんに怒られたり、
乳母に恩を感じてその娘に米を与えたり、
猫の病気が治るように千寿観音を描いてお祈りしたり、
子どものころの頼長、めちゃ可愛いしいい子じゃん……。
『民経記』は今回、恋にのぼせているところが
ピックアップされていたが、外の部分にも興味が出てきた。
関連本を読んでみよう。


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京都覚え書き2 京都御所

2020-11-22 09:26:35 | おでかけの記
国立博物館を出た後は、京都駅まで戻って
地下鉄で今出川駅へ。

京都御苑で確認することがあったからだけど、
ここ、何度か来たけど砂利道疲れるから嫌だ……



近衛邸があったあたり。

たまたま御所が公開されている期間だったので、
入ってみることに。
整理券が必要だったので、
時間帯によっては入れなかったのかも。

諸大夫の間。
諸大夫の中でも、身分は細かく分けられているのね。
身分によって使う部屋が異なり、
使われている畳の縁がちがうとのこと。

新御車寄せ。
「御車寄せ」は「おくるまよせ」なのに、
「新御車寄せ」は「しんみくるまよせ」。
「御」の読み方が変わるのはなぜ……? と
帰宅してから調べたら、おそらく、
「御車寄せ」は公卿が使用したもので、
「新―」のほうは、大正天皇の馬車による行幸のために
作られたものだから。
「御」を「み」と読ませるのは
神や皇室関係の語なんだそうだ。


牛車って車輪が大きく乗り降りが面倒くさそう。

紫宸殿。
つい最近、文様の本を読んだので、
「あれ朽木形だ!」
と「チャレンジでやったとこが出た」状態でうれしい。
奥の幕についている模様がそれ。
全然素敵に見えない模様なんだけど、
昔の人にとってはとってもよいものだったそう。

小御所と御学問所の前にある御常御池庭、きれいだった。

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京都覚え書き1 京都国立博物館「皇室の名宝」展示

2020-11-21 08:50:46 | おでかけの記




仕事のために京都に行くことになったので
京都国立博物館の「皇室の名宝」展へ。
このご時世なので、ふらりと立ち寄ることはできず、
入場制限があり、予約制になっている。

以前、「国宝」展に行ったとき、平日にもかかわらず
バスが激混みだったので、今日は京都駅から徒歩。
所要時間20分。
毎日歩いている距離なので、楽々。

印象的だったもののみ、覚書き。

■西行書状

定家に判を頼んだが、全然寄越さないので、
俊成に催促を頼んだもの。
以前、書道の本を読んだときに、
この形式が後に定着したみたいなことが
書いてあったような気がするんだけど……
フリーダムすぎんかね??
スペースが足りないからって、空いてるとこにどんどん書いて、
最後には文字列が横倒しになっている。

■記文草案(藤原定家)
■和歌懐紙(藤原定家)

後世になって茶人やら文化人が争って定家の書いたものを
求めたそうだけど、こんな改稿のあとが残った下書きを
立派な表装をつけてありがたがられて、
本人はいたたまれないんじゃないだろうか。

ちなみに「更級日記」も展示されており、
「浮舟みたいに」のページが開かれていた。

■蒙古襲来絵詞

漢字にルビが振ってある!!!
読み仮名って、このころにもつけてたんだ!

■春日権現験記絵

すごく保存状態がいい部分がある。
モブにいたるまで、手を抜かずに生き生きと描いてあってすごい。

■四季絵屏風

俊成九十の賀のときに詠まれた歌を屏風に仕立てたもの。
「宮内卿」の名だけ読み取れた。
若くして亡くなってしまったという宮内卿、
新古今和歌集に入っている歌しか知らないけど、
言葉がきっぱりはっきりしていて、めちゃ気が強そうで
興味ある。
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238:室城 秀之 『うつほ物語 ビギナーズ・クラシックス』

2020-11-20 21:25:44 | 20 本の感想
室城秀之 『うつほ物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

源氏物語に先行する壮大な長編物語。
ある貴族の四代にわたる秘琴の伝授を主題とし、
源氏・藤原氏両家の皇位継承をめぐる対立を絡めて語られる。
異国の不思議な体験や琴の伝授にかかわる奇瑞などの浪漫的要素と、
皇位継承や結婚に関する世俗的な話題を併せ持つ。
絶世の美女への求婚譚、三奇人のエピソードも登場し、
波瀾万丈の展開が楽しめる。
膨大なため全体像がみえにくかった作品を
初めてわかりやすく説いた古典入門書。

*************************

ビギナーズクラシックスシリーズ。
この『宇津保物語』は特に、現代語訳で全編を読もうとしても
早々に脱落してしまうだろうから、
こうしてコンパクトにまとめてもらえるととてもありがたい。

といっても、これだけまとめてもらっても、
「これ誰だっけ??」
「この人とこの人の関係は?」
としょっちゅうわけがわからなくなって
何回も前に戻ったんだけども。

ところどころ、「これ、源氏物語の元ネタかな?」と
思えるエピソードがある。
「どう解釈していいかわからない」という言葉も二つ出てきていた。
『源氏』『伊勢』は定家が校訂した本文を残しておいたため
鎌倉時代までの本文がたどれるが、『竹取』『落窪』『うつほ』は
室町時代・江戸初期までしか本文がたどれず、
意味不明のまま残されている部分があるとのこと。

ストーリー自体はすごく面白いわけじゃないのだけども、
主軸の一つが、恋愛の成就や立身出世ではなく、
「秘琴の伝授」であることが新鮮だった。

【メモ】

・六歳でまだ乳を飲んでいる。
 主人公が三歳で飲まなくなったのは「孝養譚」として。
 当時はかなり長い間飲んでいた。

・複数の物語が合体して一つにまとめられた?

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237:河村恵利 『時代ロマンシリーズ 9 初花染め』

2020-11-18 23:30:36 | 20 本の感想
河村恵利 『時代ロマンシリーズ 9 初花染め
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

戦国時代、美女で名高い浅井三姉妹の次女・初姫の前に現れた
謎の階(きざはし)とは!? 珠玉歴史ロマン集!!

*************************

積読解消月間その4。
この巻は戦国~江戸が多め。
共通したモチーフあり。

五郎八姫、大河の「独眼竜政宗」で名前を知ったけれど、
結婚に関してはこういう運命をたどったのか。
河村先生のヒーローは聡明だけど、その後興味を持って
wikipediaを見ると伝わっている人物像のギャップに
びっくりする。

京極高次は大河ドラマ『江』のせいで、まったく何の役にも立たん
アホのイメージが定着してしまった。

【初花染め】お初と京極高次
【遠つ長路】松平忠輝と五郎八姫
【木の下闇】秀吉の妹・旭の生涯
【媛姫残香】上杉綱勝と保科媛姫
【中の衣】オリジナル? 
     女が蛇になって追ってくるという類型に則ったもの
【屋島】現代が舞台 平教経と菊王丸

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