2回目の説明である。「・・・T字路を左折し・・・」 2回目はかなり丁寧にゆっくり説明した。私は「それでは、失礼します」と走り始めようとしたが、なんとそこでまた制止された。その高齢男性は「あんたの説明はよいが、正しく理解したかどうか自分が復唱するので確認してくれ」と・・・。(あーー、もういい加減してくれないかなぁ)という言葉も出かかったが私はそれも美味しく飲み込んだ。普通ならここで横から奥様なりが「あなた、もうご迷惑だからそのぐらいにしては?」とかツッコミを入れるはずである。しかし彼女は横でニコニコと佇んでいるだけであった。夫婦そろって達人である。私は観念した。「はぁ~、あ じゃあいいですよ、では復唱してください」 わざとぶっきらぼうに返事をしたのだが、そんなこちらの態度など意に介さず、その男性は復唱しはじめた。「え~っと、さて・・・T字路を右折し・・」 ・・・あぁ もう最初からダメだ・・