このような科学研究では研究協力者がいればそれなりの謝礼が必要である。それも研究費の枠組みから出すのである。自分もこの研究を行ったことはあるが、調査に基づく研究計画の場合、その労働対価が偏在することに疑問が残ることがある。例えばこのような「アンケート調査」は労なくして現場の実情が把握できる。つまり低コストで研究データを収集できるのである。それが悪いとは言わないが、苦労しなくとも、あるいは足を棒にしてかき集めなくとも事足りるのである。しかも郵便代と返信用封筒代でよい。しかしそのアンケートの内容は回答するには膨大であったり、複雑であったりすることもある。こちらの年間患者の統計結果を聞いてくるものでは、この上なく手間ひまがかかるので送られたほうはたまったものではない。しかもある意味「研究協力者」であるはずが無償なのである。これは甚だ馬鹿にされたようで癪である。