うちのクリニックに一人暮らしで高齢のSさんという女性が通院していた。足が少し不自由ではあるが腰も曲がっておらず比較的元気である。ただ同じ話を何回もされる傾向があった。来院するたびに「娘が鎌ヶ谷大仏で有名なあの千葉の鎌ヶ谷に嫁いでおりまして・・・」といつも言っていた。自分は大昔に鎌ヶ谷のゴルフ場に行ったことはあったが、その時まで鎌ヶ谷大仏の存在は知らなかった。でもその患者さんの「鎌ヶ谷に嫁いで・・・」という話で何かしら鎌ヶ谷は近しい感じがしていた。ところがSさんは急に具合が悪くなり昨年お亡くなりになった。しばらく「鎌ヶ谷」という名前に接していなかったのだが今回の斉藤投手の入寮の件でまたSさんのことを思い出した。もう外来で「娘が鎌ヶ谷に嫁いで・・・」という話は聞けないのである(合掌)。