そしてその引っかかった小銭を指でかき出そうとしたがフードが邪魔で指先に力が入らない。コインをなかなか取り出せないでいた。しばらくすると券売機から半分だけ飛び出していた切符とつり札が機械の中にスルッと戻ってしまったのだ。これは一定時間つり札や切符を引き抜かないでおくと機械が自動回収してしまうようになっているらしいのだ。これはいい迷惑である。しかも回収した後は「故障」にはならず次の発券対応になっている。切符とつり札を巻き上げておきながら何事もなかったような顔をしている券売機は大変無礼千万なやつである。あわてて駅員を呼ぼうと半分身を横にずらしたら、後ろにいたご老人が間髪をいれず自分の小銭を券売機の投入口に入れてしまった。これでますますわけが分からなくなってきた。後ろに並んでいたなら前の発券でトラブルがあったことには気がついているはずだし、切符購入を遠慮してもよさそうなのだが・・・。う~む敵は前からだけでなく後ろからも攻めてきた感じである。とんでもない高齢のご婦人である。