努力をしても恨まれることもあり、逆に努力をしないでもすごく感謝されることもある。例えばある特定の感染症で経過が定型的なものでは「何日目頃に解熱」と経過が決まっているものもある。このような時に「明後日ごろ熱下がりますから、あと1~2日の辛抱ですよ」と告げて、それが当たればやたらと感謝される。また小児の疾患では症状が出揃うまでには数日かかることがある。最初は熱だけのため医者は「なんだろうなぁ~様子見ましょうか」ということになるが、数日後心配になった親は別の医者のところに患児を連れて行く。数日たって所見が出揃う頃に診れば「あ~お母さんこれは○○ですよ。明日にはよくなりますね」ということになる。そして親の評価は「最初に診た医者はヤブ医者よ」ということになりかねないのだ。これは運である。こちらが努力したかしないかにかかわらず医療というものは結果がよければすべてよしなのだろう。やっぱり因果な職業である。