別の受診者の方である。また輸血と献血を間違って〇がつけてあった。「これは輸血ではなく献血ですね」というと。「え? 私はそうは思わない」とおっしゃるのだ。「そうは思わない」といわれても、そう決まっている単語なのでどうしようもないと思うのであるが、その方は頑なに献血のことを輸血であるといわれている。そしてその方は続けられた。「自分の血液が他人の輸血に用いられるのだから「輸血」でいいのだ」ということである。う~む何となく一理あるような気もする。まあ診療があるのでその献血・輸血会談はそのぐらいで引き上げた。さてその方が帰られ診療がひと段落したときにもう一度思い出した。行為の主体は自分である。自分が血液をあげることは献血であり、自分が受けることが輸血である。先ほどの受診者の方との話では「主語」をうやむやにしていた。やっぱり人に輸血用の血液を上げてもこれは「献血」なのである。でも話の勢いで何となく向こうに押し切られたようであった。