11月4日、リベリアから他国経由で帰国した男性が国内で発熱したとのことで一般の開業医を受診した。開業医は(おそらく慌てて)確定診断をするためにいろいろと動いたであろう。結局精密検査の結果は陰性であった。しかし多くの問題を残したのである。まずこんなにも簡単にエボラ疑いの患者が一般開業医を受診してしまったことである。我々開業医には何ら感染防御のマニュアルも器材も持たないし、その患者管理のための施設も持たない。開業医に最初に来ないような水際での防御は検疫で発熱していないか、あるいは3週間以内に流行地に行っていないことを確認しているはずである。確かにこの2項目のインタビューだけではザルみたいに目が粗く、網をすりぬけてしまうだろうが、でもしょうがない。要は本人がきちんと申告したかどうかである。おそらくは今回の患者は流行地からの帰国であることを隠していたかもしれない。