しかしながら税関では、他国を経由したとはいえ、パスポートみればどこからの帰国者なのかはわかるはずである。流行地に滞在していたのであれば、帰国後発熱した場合の注意事項や対応策を本人に告げているはずである。それは保健所に連絡し指定病院を受診する手はずなのであるが、それがどうして一番無防備な開業医に行ってしまったのか不思議である。これはどう考えても本人の認識不足や理解不足によって「まあとりあえず近場で診てもらおうか」という安易な発想による行動であったものと考えられる。一般開業医はとにかく無防備である。患者は待合室で咳などをして痰などが周囲の患者やスタッフに飛沫していた可能性もある。幸い患者は陰性ではあったが「幸い」では済まされないのである。これだけ世の中あげて感染対策指定病院を設定し、事前訓練までしてスタッフの動きや指揮命令系統も統制したシステムを構築してきているのである。しかしそこの施設にはいかず、いとも簡単に一般開業医を受診されてしまうのであれば、とにかく本人の自覚に期待するしかない。でもどんな感染症でも世の中に蔓延するとしたらまず最初の防波堤はやっぱり一般開業医なんだよなぁ~と思う今日この頃である。