吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

最高裁裁判官の是非 その3

2017年10月25日 17時12分30秒 | 日記
 この介護保険申請書の下の方に「介護保険での審査情報を他に提供しても良いという方はサインしてください」と言う欄がある。申請者は何のことか分からん場合が多い。「分からない時にはサインしないことが多い」という人間の心理を利用しているのである。
 ここにサインがないとケアマネにも医療機関にも介護度の情報が通知されないのである。通知されないとこちらは業務上不都合である。

 我々医療機関は個人情報の秘匿義務がもともと刑法や民法レベルの法律で課せられているのである。つまりお役所レベルでの通知文なんかよりもっと重い法律で縛られている。情報漏えいが業務上強く規制されている医師にまで区役所の思惑で情報を提供しないのである。これは個人情報漏えいに関して役人が過剰なまでに反応しており、内心「個人情報はとりあえず誰であれ止めておいた方が安全である」と保身的感覚から意図的に作り上げたチェック方式なのである。
 そうではないと言い張るのであれば、「審査情報の医療機関等への開示を希望されない方はここにチェックを入れてください」という逆の文言に変えるべきである。そうすれば何のことか詳細が分からない人はチェックいれないので、逆に医療機関への情報は増えるはずである。

 今まで情報が医療機関に届かなかった場合、後日家族に確認するとほとんど「え?あそこにサイン? なんだかよく分からなかったので空欄にしました」と言うのである。空欄にさせることで医療機関に情報が行かないようにした文言である。
 つまり情報を外に出したくない側(役所)にすれば好都合なのである。「詳細がよく分からない時は手を付けない(承諾欄にサインしない)」という真理を逆手に取った思想誘導なのである。区の役人の思惑が手に取るように見える。
 この件については介護認定委員をやっている時に指摘し改善要求をだした。でも頑として受け付けなかった。このことも自分が認定委員をやめた原因の一つである。やっぱりずるいと思う。