吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

マスクの有用性 その1

2023年05月22日 05時54分33秒 | 日記
 政府は人流回復させ観光や旅行を奨励しイベントの規制も緩和させました。しかしそれならば感染拡大するのは自明の理ですが、なんと「マスク着用の緩和」も発表しました。
 当然、それ以降、5月になってからコロナ感染者はまた増えています。小学校ではコロナのクラスターで学級閉鎖も現在おこっています。またこの時期、インフルエンザによる学級閉鎖も他区で見られています。このままの状況で政府は本当にいいと思っているのでしょうか。
 メディアも感染者数の発表をせずこの増えている事態を周知しようとしません。
 某感染症専門医のコメントが分かりやすいので引用します

■ マスクは感染者が着けることで飛沫の拡散が防げる
マスクの効果について、従来より「感染している人が着用して、飛沫をまき散らすのを防ぐ」ことはできても、「感染していない人が着用して、飛沫を吸い込まないようにする」ことは限定的だと考えられてきました。なお、ここでいう「飛沫」とは、5μm以上の大きさで、感染者のくしゃみや咳で発生するウイルスを含む「しぶき」のことです。
このため、インフルエンザ対策では、感染者のマスク着用や咳エチケットが重視されてきました。流行シーズンになると、医療従事者は外来診療などでマスクを着用していましたが、あくまで感染リスクを幾ばくか減らすためであって、よっぽど発熱患者にマスクを着けていただく方が重要でした。
SNSなどで、マスクの効果を疑問視する発言を繰り返している医療従事者がいますが、感染者が着用することまで否定している人はいないと思います。ゲホゲホ咳をしている発熱患者の診察時に、マスクを着けるよう求めない医者はいません。ところが、一般の方のなかには、「マスクはすべて無意味」と読み違えている方がおられるようです。ここは理解を修正いただきたいところ。