吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

男児がリンゴ詰まらせ重体の保育所、国の指針に反し非加熱で提供 その2

2023年07月08日 06時02分28秒 | 日記
 まずこの重体である男児の一刻も早い回復をお祈り申し上げます。
 この事件は、国の指針を未確認のまま、細かく刻んだとはいえ乳児に生のリンゴを提供していたということです。過去にも乳児にすりおろしたリンゴを与えて同様の事故があったと報道もありました。もちろん離乳食期なので固形物は問題があります。
 しかしここで疑問は、すりおろしたリンゴでも事故が起こるのであれば、「加熱すれば可」という国の指針の意味がよくわかりません。加熱したリンゴでもすりおろしリンゴでも繊維分が多い食物なのでどちらもかわらないと思います。
 もちろん今回の事件は固形物なので誤嚥の危険があります。しかし国の「加熱すれば可」という指針の安全性は根拠がなく、指針さえ守ればよいということではないと思われます。
 解決策は、指針の遵守よりも現場に居合わせた人の初動が重要です。居合わせた人による応急手当法が普及しない限り救命は困難です。
 むしろ応急手当普及が注目されるべきと考えます。現在このような施設における心肺蘇生法の普及は遅々として進んでいないのは残念です。