吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

これはアウトでしょう その4

2017年10月14日 05時58分35秒 | 日記
 こんなことで「硬膜外麻酔は危険」などと、もし世間に評価されるならそれはいい迷惑である。これで一般の人が「麻酔は怖い、無痛分娩は命と引き換えだ」と思われても困る。
 麻酔の合併症は一定頻度で必ずおこりうる。でもその合併症を知らない医師によって麻酔をかけられることのほうがもっと怖いのである。麻酔医なら硬膜外麻酔での合併症には対応できる。

 世の中の評価だって変なのである。麻酔医が硬膜外麻酔をして、帝王切開したら「麻酔医がお産を? なんてことするんだ」と言うでしょうに。
 でも産科医がお産の時に無痛分娩と称して硬膜外麻酔をかけて分娩させても「産科医が麻酔を? なんてことするんだ」って言わないのが不思議です。
 どちらの医者も同じこと(麻酔と分娩)をしていています。でも麻酔医はダメで産科医はなぜOKなんでしょうか?

 麻酔という手技を「注射一本」で簡単に、かつ安全に鎮痛できると誤解しています。一般の人は麻酔というものを安易に考えていますよね。これは患者側の誤解も原因でしょう。

 ここ40年以上もこの麻酔に対する一般人の誤解は改まっていないですね。麻酔は外科手技と同様の高度な熟達能力が要求されます。だからこそ大昔から「麻酔科」の標榜だけは厚労省からの許可が必要なのでしょう。

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