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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

なんやかんやで初めての沖縄 第二日 安田(あだ)集落の朝

2019-11-14 17:46:47 | 旅行

 

 11月11日は中国の影響で「独身の日」とかいうのだそうだ。どこで調べたのか連れ合いを亡くした私のもとに、「独身の日特別セール」と銘打った広告メールがやってきたりする。
 その日の朝、沖縄は安田の集落の民宿で目覚めた。6時!日頃不健康な生活をしているせいで、こんな時間に起きて動き回ることはめったにない。

 朝食前の散歩に出かける。昨日も書いたが、経度の関係で夜明けも遅い。まだ暗いままだ。それでも、昨夜漆黒の闇の中に到着した頃に比べると、かすかながら集落の全体像が浮かび上がってくる。

 民宿の前の川(安田川)に沿って下ると、河口まではものの数分で、その辺まで来るとまだ仄暗い橋の上に地元の人が何かを待っている。日の出だ。今日は6時45分だという。

          

          
 

 空が白み始める。河口に伸びた防波堤がくっきりしてきて、その向こうにある無人島(安田ヶ島)も次第にその姿を鮮明に見せ始める。

          

          

          
 

 その後、明るさがより強かった一角から、パッと赤い光が弾け、誰からともなく「出たっ!」という言葉が。
 急いでシャッターを押す。最初、一点だった光が次第にその領分を広げ、それが紛れもない球体の部分であることを示し始める。そしてやがて、それがテイクオフし、球体全体が空の住人となって浮かびあがる。

 昨夕の夕日といい、この日の出といい、我ら宇宙の子という体験をその光とともに全身に浴びる時間をもったのが、この沖縄の地であることをしばし思った。

          
 

 朝食のために宿へ戻る。昨夜は暗くて気づかなかったが、宿の前の川の向こう岸はマングローブの林であった。生で観る初めてのマングローブ体験。時折、川面に波紋を描いて小魚がジャンプしたりするのも風情がある。

 朝食は質素ながらもやはりこの地の味わいがあって美味しかった。写真を撮り忘れた。

 食後、今度は腹ごなしに集落内部を散策。
 白っぽいセメント瓦の家、それを守護するシーサー、南国特有の植物たち。気根をいっぱいぶら下げたガジュマル、根本が何本かに分かれるタコの木、そして南国らしい強い色彩の葉をもつもの、もちろん、ブーゲンビリアンやハイビスカスの仲間たちの花々もここぞと咲き誇っていて、自分の住んでいる地区との季節感のズレ、植生の違いに戸惑うほどだ。

          

          

              

          

              

              

              


 安田の集落はおよそ100世帯で人口は300人を切るという。かつては小・中学校があったが、いまは中学生はスクールバスで他の地へ通い、残された小学校も全校生徒数9人で、まったく生徒がいない学年もあると聞いた。

          

          

          

          

 その辺をそぞろ歩いていて、出会った集落の人に挨拶をすると、気持ちよく受け答えてくれて、いろいろ説明してくれ、おまけに自宅の庭を開放して見せてくれたりする。

 手造りのシーサーがあるお宅では、自分の庭を案内してくれたばかりか、ふと目を止めた柑橘類、シークヮーサーをいくらでもあるから持ってけと、帰りの荷物が重くなるのではと心配するぐらいどんどん詰め込んでくれた。

          

           

                

 この酸味のある果汁を刺し身や焼き魚に使用すると美味いとのことだが、それももちろん、焼酎の水割り、お湯割り用という手もある。見た目はゴワゴワした感じのこの果実、皮がきわめて薄く、そのぶん、果汁がたっぷり詰まっている。

 一通り観て宿へ帰る。そして精算。なんと一泊二食付きで5,000円ポッキリ。昨夜の差し入れのビール代も、もちろんサービス。
 礼に礼を重ねてこの地を後にする。

              
 

 さあ、いよいよ南下しながらの旅だ。
 スッキリと晴れ上がった日差しのなかで、マングローブの林が美しく水面に映り込んでいた。

【おまけ】この地区では「安田(あだ)のシヌグ」といって、国の重要無形民俗文化財に指定されているこんな面白そうなまつりがあるようだ。毎年、旧暦7月の最初の亥(い)の日から二日間とのこと。
   https://www.youtube.com/watch?v=EfXXjDCXaJw
  (冒頭にCMなどが付いていますからそれはスキップしてご覧ください)


 

 

 

 

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