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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

鋭角な季節の移りゆきと美空ひばり

2022-03-14 16:10:04 | 花便り&花をめぐって
          

 「世の中は三日見ぬ間に桜かな」という句があって江戸中期の俳人、大島蓼太の作らしいが、俳句としてよりもっぱら諺のように使われる場合が多い。
 もちろん、この句は桜を詠んだものではなく、世の中の変遷の速さを詠んだものだが、その例として桜をもってきたところが秀逸である。まさに、「桜パッと咲いてパッと散った」が背景にあるのだが、ことほどさように花の変化は早い。そして世の変化も・・・・。

          

 ついでながら、「花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに」は小野小町の歌だが、やはり、花の変化と己のそれとを対比させている。しかし、ここでの時間経過は「三日」よりもかなり長い。にもかかわらず、「気づいてみればいつの間にか・・・・」というニュアンスは共通している。

          

 今年の冬が厳しかったせいか花が遅い…と嘆いていたのは一週間ほど前だろうか。ところが、数日続いた好天、高温の中で、状況はアッという間に変化した。
 ぽつりぽつり咲いていた紅梅の鉢はアッという間に満開に、そして、2,3日前、やっと一輪の開花を見つけた早咲きの我が家の桜ももう7,8分咲きで、ちょっと小ぶりなミツバチたちが群をなして飛び交っている。
 レンギョウも黄色が少し目立ちはじめ、雪柳も白い花がポツポツと付きはじめた。

          
                  何という電線の多さ

 ところで、どうも最近の季節の変化は鋭角的で、その間にあるはずのグラデイトの期間がほとんどないような気がする。要するに、芝居の緞帳が上下するように、ストンと季節が変わるのだ。
 だから、新しい季節を迎える用意をする期間がない。急に気候が変わり、着るもののチェンジにも戸惑うばかりだ。
 しかし、寒がり家の私としては、暖かくなるのはありがたい。あとは、つい、2,3日前まで着ていたボコボコの衣類をどう片付けるかだ。

              

 上の話と全く関係ないが、あいかわらづ、途中覚醒などの睡眠障害と闘いながら、珍しく論理的飛躍や不条理を含まないストーリーがしっかりした夢を見た。

          

 あるレトロな居酒屋のカウンターで、美空ひばりと隣同士で飲んでいるのだ。
 「あんたもよく頑張ってるじゃない」と彼女。
 「そうでもないんだけど、まだまだ私の先輩たちも頑張ってるし」と私。
 「先輩って?」
 「例えばあなたですよ。私の一つ歳上でしょ」
 「あゝ、そうね」
 「なんか一曲歌ってくださいよ」
 「そうね。じゃぁ、あなたへの応援歌のつもりで・・・・」
 と彼女が歌いはじめたところで目覚まし時計が鳴った。

          

 彼女がもうずい分前に亡くなっていることを除いては何の不条理もでてこない夢だ。私より一つ歳上であることも事実だ。

          
 
 とくに彼女のファンだったわけではないが、同年輩だから彼女の歌は自然と耳に入り、今日でも覚えているものが結構ある。
 夢の中で彼女が歌い始めたのは、それらの中でも、私が好きなものである。
 TouTubeから拾ったそれを貼り付けておく。

 https://www.youtube.com/watch?v=S0WqvSXazdk

 なお、この歌が発表されたのは、私が連日街頭でどろんこになって駆け回っていたあの60年安保(昭和35年)の年であった。
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コメント (2)
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