牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

三世紀に亘り問屋を営む升本総本店の徒然を毎日更新!!商品情報からビアガーデン・試飲等イベント情報、酒文化経済・書評等々!

老若男女、一人一日一合飲んでいたのは、、、

2009-04-09 17:40:55 | 酒の本棚(書評?)
ブームとも言える神楽坂人気。

本屋さんにも「神楽坂」「江戸」関連の本が平台のコーナーとなっていました。

ただ、江戸時代は神楽坂エリアは武家屋敷、町家が混在しており、にぎやかになったのは明治も末期。
料亭の集まる花柳界が形成され、都内随一の花街として知られたのは大正から昭和にかけてですから、「江戸情緒」ではない気もします。。。。。

そんなことを考えながら、平台から手に取ったのが

この本

北原進(1991):百万都市 江戸の生活、角川選書215、角川書店、294p.

「江戸地廻りの名産品」「天保の改革と遠山の金さん」「産湯と水道」「不良幕臣列伝」、、、、。
タイトルどおり、江戸の生活について、数ページのコラム的な文が並んでいます。

その数、全部で54本位(たぶん)なのですが、お酒に関するものもそこかしこに。

お酒&江戸としては定番的なテーマが記されているのは「下らぬもの」というタイトルのもの。

高級品としての(上方からの)「下りもの」と、そうでない「下らぬもの」のお話。これはおなじみですね。


お次は「大酒、大食の記録」。これはまさにその通り。

文化14年の晩春三月、両国柳橋、料理茶屋の万屋八兵衛方にて、「大酒大食会」なる催しがあったそうです。

三升入りの大盃で飲み比べをしたようなのですが、それを三杯あおって集まった人々にお礼を言って帰ったのは堺屋忠兵衛さん。68歳の魚河岸商人だそうですが、三杯といえば9升です、何とも威勢の良いこと。

出ている中で最も多かったのは、六杯半飲んでバッタリ倒れ、目を覚まして茶碗で水を17杯飲んだ38歳の鯉屋利兵衛さん。そりゃ倒れますよね。。。。


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「みんな飲んじゃう」というタイトルもありました。

最初の小見出しは「一人一年三斗六升の酒びたり」で、享和元年(1801)頃の江戸の消費量を江戸に運ばれた酒や地廻り酒の量から90万樽と推定しています。

この90万樽というのは四斗樽。老若男女全部ひっくるめた人口で割っても一人一日一合です。
実際には飲む人は全然多い計算になりますね。

お酒ではありませんが、「初物の売り出し日」というのも。

ツクシや鮎、ミカンや鴨など、さまざまな初物の売り出し日がリストになっています。

今時分だと、旧暦表記なので「3月より」というが相当すると思われますが、鳥・魚介では「相黒」、野菜では「ワラビ、タデ、ショウガ」が出ています。

「相黒」って何だろう?

「胸黒」とも呼ばれるチドリの一種らしいのです。食用としてポピュラーだったのでしょうか?

どこかで江戸の初物食いとして復活させたりするのかなぁ。。。


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