牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

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質の良いもの?悪いもの? 「下り盃(下り杯)」の謎。

2020-03-04 18:12:10 | 酒の道具など
                          

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昨日は「下り酒」の並びでの「下り傘」を話題にしました。

実はその際、広辞苑(電子辞書です)を調べていて、こんな言葉を発見してしまいました。







くだり-さかずき
【下り杯】
----------------------------
安物の粗末なさかずき


なんと! 「下り酒」の「質が良い」という意味ではなく、真逆の「粗末」という意味じゃあないですか。



すぐにググってみたら、ネット上での「大辞林 第三版」にもありました。


下り杯・下り盃
(読み)くだりさかずき

上方(かみがた)で地方向けに作られた粗末な杯。江戸でいう。



うーん、上方から来た、というのは同じなのに、質は逆に悪い、ということですね。

とすると、「下り盃で下り酒を飲む」「粗末な盃で上等の酒を飲む」ということになりますよ。

ますます紛らわしい。



でも、これ、本当かなぁ?とも思います(天邪鬼な性格なんです)。

実際、Googleでは「下り杯」として、上掲の「大辞林」しか出てこないし、その大辞林の説明の用例も、

下り杯一つ、焼物たきもの一貝とりて/浮世草子・一代男

と、「一代男」にその単語が使われていることは分かりますが、このセンテンスだけでは質が良いか悪いか分かりません。

同じ江戸時代、しかも表裏一体の酒と盃で逆の意味というのは、江戸時代の江戸っ子がよほどシニカルな語感の持ち主だったのか、下りモノにムカついていたのか、でしょうか。

「一代男」って恐らく西鶴の「好色一代男」ですよね。

機会があったら読んでみましょう。






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