牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

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「惣花」のありようは、下り酒文化の名残、でもある。

2022-05-02 13:18:52 | 新川大神宮と新川
                          
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ゴールデンウィークも前半戦が終了。

4/29の昭和の日が、元は天皇誕生日だったからでしょうか、お休み中に皇室御用達の銘酒「惣花」の注文がたくさん入っていました(テレビ等で紹介された?)。

この惣花については何度か触れましたが、製造元は日本盛さんですが、商標を持っているのは新川の問屋仲間「加島屋」さん。

この辺り、なかなか分かりにくいのですが、江戸-明治期、灘の蔵元さんと新川の下り酒問屋とは一対一の関係ではなく、同じ蔵元でも問屋毎に異なる「銘柄」のお酒、あるいは同じ銘柄でも異なるバージョンのお酒をプロデュースして扱っていたんです。

例えば、当社と足掛け3世紀のお付き合いの白鷹さんも、ウチが明治の初期に扱っていたのは「青松白鷹」で、フラッグシップともいえる「黒松白鷹」は別の問屋さんが扱っていました(その後ウチ扱いになった)。

そんな状況をよく表している資料がこちら。





大正時代の資料ですが、「西宮酒造株式会社」というのは今の日本盛さん。

その西宮酒造が造っている、東京の下り酒問屋各社の専売銘柄が記されています。


「日本盛」は右から2番目の「富士本商店」が扱っていて、一つ飛んでウチ(升本商店)は「褒紋源勲」と「鳳紋正宗」、そのお隣の廣岡商店(加島屋さん)が「褒紋惣花」と「日本輝正宗」となっています。


上の問屋各社とも新川大神宮の発起人として名を連ねていますが、現存しているのはわずか。
それと共に銘柄も「日本盛」と「惣花」くらいになってしまいました。
(ちなみにウチの「鳳紋正宗」は色々あったのでしょうか、今では白鷹さんが「褒紋正宗」というお酒を、とある酒屋さん用に造られています)


日本盛も蔵元である日本盛さん自身の銘柄になってしまいましたし、その意味でも「惣花」は新川の下り酒問屋の伝統(下り酒問屋専売)を伝えているものなのですね。

で、頂いた注文、ちゃんと加島屋さんから分けてもらえているのかしらん。




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