きっと、いいことあるよね!

母(sake)と息子(keke)の日々の記録。
お出かけ写真と料理など。

心に残る「万引き家族」

2018-06-14 | 巷の話題
う~ん。。。
観ていた時は惹きこまれる感じのしなかった「万引き家族」であるが、観終わってからジワジワ頭から離れない。

何でもその映画は結構なシーンをカットしていて、主役が号泣しているシーンも大幅カットした位だと言うので、(何だかスピード感がないまったりした感じだな~)とも思ったが、その中にいろいろな含みを持たせた作りになっているのだろう。

アメリカ的な派手な映画だと「あぁ、このシーンがこれに生きてくるのね」みたいなスッキリ感があるのだが、それがなかなか曖昧。そう言われてみれば、いろいろなことがどこかで何かの意味を成しているという奥の深さはあるかもしれない。それが低音やけどのようにジワジワと頭から離れない。


この監督さんがどこかのスピーチで「日本はアジアの国に謝らなくてはいけない」みたいなことを言い、保守系ニュースサイトで疎んじがられてたり、昨日だか一昨日だかは福島みずほさんが「いい映画です!皆さん観てみてくださいね!」みたいなツイッターを書いたりで、私もあまり政治がかった誘導があるのだったらヤダなぁ~と思いながら見たが、そういうものは私は感じなかった。

広義の意味では、底辺で暮らす人達が愛や笑いでつながる映画なのだから、社会風刺とも取れなくもない。でもそう言う捕らえ方はこじつけになるのではないだろうか。
「こんな(万引きで生計を立てる等)アンダーグランドの国だと思われたくない」と言うのは過剰反応ではなかろうか。


そう言えばどこぞやのバンドが「ヒノマル」(正式にはローマ字)という曲を出したと言う。
それが軍歌みたいで「歌うな!」と運動している人がいると言うが、私は正々堂々みたいな清清しいぐらいの歌詞で、「自分の国に誇りを持とう」という曲だと思う。

それを歌うなと言うアクションがあると言うのを聞くと、どっちもどっちじゃなかろうかと思ってしまう。
そういう風に何か一つで「あぁあなたはあっちですね」みたいなのは(気持ちは分かるが)どうなのだろうか。
(でもやっぱり自分の国は愛したい!)


前書きが長くなってしまったが、昨日はOMさんと車で帰って、新幹線の事件の話になった。
OMさんはその日、関西へ新幹線で旅行していたのでとても衝撃的だったという。

「あれって・・・お父さんちょっとコメント変でないですか?」と言うと、OMさんも「そうだよね」と言っていた。

「でも誰もそういう指摘しませんよね?何でだろう?」と言うと、OMさんは「その後で米朝首脳会談があったから、そっちに行っちゃったんだよ」と言った。

そこで私はあまり知らなかった拉致問題の話をOMさんから聞いた。

横田めぐみさんが、どこかから出たくてドアに爪で引っかいた痕があったとか、そういう話を聞いた。

「カップルで拉致された人もお互い励ましあってやってこれたって言ってたの。だからきっとめぐみさんはとても大変だったんじゃないかな」とOMさんは言う。

「それに帰って来れた人は元気で不自由なく暮らしていたから帰されることができたのでしょうね。」

そんな話をすると、やっぱり「拉致なんて」と言う気持ちはなくなってくる。

さてこれからどうなるか。。。

映画「万引き家族」を観る(ネタばれあり)

2018-06-14 | 読んだ本
OMさんが「あの賞を取った映画を観たい」と言うので、「万引き家族」を見に行った。

また今回もネタばれありますので、これから見る人は気をつけてくださいとお断りして。。。感想を書くと・・・



私はまだ映画歴が短いので、正直何とも不思議な映画だった。
映画の評価も人それぞれで「さすが是枝作品だ」最高という人から、「良く分からない」と言う人までピンきりである。

私も観ている間「これがあの有名なカンヌ映画祭で最高賞(なの?)を取った映画なのかなぁ・・何だかまったりしてるなぁ」と思った。
ストーリーにハラハラドキドキがある訳でもなく、感動の涙もなければ(涙が出ましたという評価する人もあり)、クスリと笑うところもない。
目の前にあるのは、社会の底辺(?)で暮らす家族の淡々とした(でも何故か楽しそうな)日常生活である。

そしてある所で急にエンドロールが流れ・・・(これで終わり??)という何とも言えぬ不調和(モヤモヤ)な感じ。。。


だがしかし、この映画はそれで終わらないのだ。
観ている間は「それでぇ~??」みたいな退屈感さえあるのに、観終わった後・・何故か延々とこの映画のことばかりが浮かんでくる。

「あのシーンは何なの?」とか、「あれは何の意味があるの?」という初心者ならではの解決しないもどかしさや、この人たちこれからどうなっていくのだろうというお節介な気持ちとか、いろんなものが混ざって映画から気持ちがよそに行かないのである。


私は帰りにOMさんに「何だかスッキリしないよねぇ」と言い、「おばあさんの保険ってアレ何だったの?」とかいろいろOMさんに尋ねるが、同じレベルで映画を見ていたOMさんに分かるはずが無く、OMさんは一言「何だか昔(戦後まもなく)ああいう家族ってありそうだよね~」とか「キキキリンの最後のシーンであの人入れ歯だったのかなぁって思ったの、何だか口元がモゴモゴしててきっとどちらかの入れ歯をはずしたのよ。」とか言うばかり。(それは本筋とは離れ過ぎなのでは?!)と思うが、その本筋とはいったい何なのか。。。。


「これが何とか賞を取る映画なのかねぇ~何だかよく分からないなぁ」と言うと、OMさんは「安藤サクラの演技がすごく評価されたらしいよ」というので、「たしかに!」と私もそれは思った。最初は脇役かな~みたいな感じなのが、話が進むにつれてだんだんいぶし銀のように魅力的に見える人だった。(奥田エイジと安藤カズの子供だったと後に知った)

それから私は車から降りても、食事をしても映画のことばかり考えてしまい、ネットの評価なんかも読んだりして、最終的に「そうか、この映画は万引きを始め、社会的に良しとできない、いわゆる世間的にドロップアウトの人達が集まっている家族なのだ。しかしその中に愛があったり、むしろお金持ちで恵まれた人より良しとする部分もある。それは監督は伝えたかったのではないか。つまり悪いと良いの間にはいろんな事情があったり、悪いと思われているものの中にも否定しきれない、むしろ良いより良しとするものさえあるのだよ。ということが言いたかったのでは。。。」と思ったら少しモヤモヤが晴れてくる気がした。

良いこともあるし、悪いこともある。
でもそれをやたら裁こうとする今の社会に疑問を投げかけたかったのでは?!


批評の中には「カンヌらしい映画だと思いました」という意見もあり、つまり私がすっきりしたい、最後にハッピーエンドで豪華なエンディング・・という映画ではない。だけどそれがいつまでも心に残って、やはりこうして書いてもまだ消化不良で、またまた考えしまう映画なのだ。

もう一度観るという人も居るのも何となく分かる気がする。

「これを観てあなたはどう考えますか?」と逆に作り手の人から問われるような映画なのだろう。
そしてその感想は千差万別なのである。。。