八王子市散田町在住のスポーツ好き親父の戯言!

八王子市の学童野球チーム散田ドラゴンズ元管理人(2007年3月~2016年2月)のブログです。

スポーツ・グラフィック ナンバー編『日本野球25人 私のベストゲーム』文春文庫

2008年08月25日 23時17分24秒 | プロ野球・高校野球
スポーツ雑誌ナンバーが創刊25周年を記念して、創刊年1980年から25年間のベストゲームを、25人のプロ野球人にインタビューしたものです。長嶋茂雄、王貞治、野村克也、星野仙一、イチロー、清原和博、掛布雅之、原辰徳、ランディ・バース、ラルフ・ブライアント、秋山幸二、落合博満、新庄剛志、古田敦也、松井英喜、野茂英雄、山田久志、江川卓、斎藤雅樹、阿波野秀幸、桑田真澄、佐々木主浩、工藤公康、松坂大輔、江夏豊という錚々たる顔ぶれです。
 
1980年以降などという制約をつけなければ、さらに迫力のあるベストゲームが挙がるのでしょうが、今のふやけた野球よりは、はるかに「密度」が濃い試合をしていたことが分かります。古田がイチロー封じに全精力を注いだ日本シリーズを振り返っての言葉が印象的です。「ホントは130試合すべてに、これくらいの気持ちでやらんといかんのでしょうけど、それじゃ体がもたんですよ(笑)。シリーズが終わった後は、身も心もクタクタでした」と。確かに130数試合、イニングにして1000イニング以上を神経を張り詰めたままでは体がもたないでしょう。だからといって、いつも同じテンションのままでいいわけではありません。年間の中でベストゲームがあるように、一つの試合の中でも、神経を研ぎ澄ませるべき、ここぞという場面が必ずあるはずです。それが「集中力」「メリハリ」というものです。
 
思うに、今回のオリンピックの野球代表には、こうした集中力、メリハリが欠けていたと思います。金メダルを獲得したソフトボール代表が、予選リーグでは上野を温存し米国にコールド負けし、決勝トーナメントでは一転上野一本槍でエースと心中という戦い方は、見事なメリハリでした(負けていれば、何を言われていたか分からない潔さです)。野球代表が、そうした戦い方が出来なかったのは、当然のことながらふだんからそういう戦いをしていないからです。ぜひ、手に汗握るスリリングなゲームを見せてほしいものです。練習で出来ないことは、試合で出来ませんし、普段の試合で出来ないことは、ここ一番の大切な試合でもできるはずはないのですから。
 
しかし、これにはファンの責任もあります。どんな試合も鳴り物で応援し、ゲームそのものの良し悪しを見る力がないファンが選手をダメにしているともいえるのです。素晴らしいプレーには拍手を、ふがいないプレーには喝を入れるファンの力量も問われます。

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