八王子市散田町在住のスポーツ好き親父の戯言!

八王子市の学童野球チーム散田ドラゴンズ元管理人(2007年3月~2016年2月)のブログです。

涙の意味

2008年08月29日 23時21分32秒 | スポーツ
今回のオリンピックでも多くの涙が流されました。涙のメカニズムがどのようになっているのか、詳しくは知りませんが、涙にはカタルシス効果(抑圧された感情を表に出して、心の緊張を解消する効果)があると言われます。それだけの緊張状態にあり、ストレスがかかっていたのだということでしょう。
 
今大会で一番印象的だった涙は、100m平泳ぎの北島康介です。前回アテネ五輪での二冠制覇の時は、涙はなく「超気持ちいい~」でした。もちろん、このときもストレスはあったでしょうが、当時の北島にとっては通過点で目標はもっと先にあったのだと思います。それに対して、今大会は200メートルでブレンダン・ハンセンが出場権を逃し絶対視されていたものの、100メートルはハンセンのほか、オリンピックに入って台頭したノルウェーの若手選手などがおり、世間でいうほど安泰なものではないことを本人が一番自覚していたのでしょうし、次の目標もセットされていなかったからこその、涙であり、引退騒動だったのだと思います。いわば、ギリギリのところで目標を達成したことによる緊張からの解放だったのでしょう。柔道の谷本、レスリングの吉田、陸上400mリレーなども同じでしょう。ケガや思わぬ敗戦、不可能と思われたことを乗り越えての目標達成だからこその涙です。柔道の鈴木桂司、塚田真希の涙は、こうしたギリギリの目標を達成出来なかったがゆえの涙でしょう。そうした意味で、悔し涙もうれし涙と紙一重ですね。
 
一方、体操の内村航平、フェンシングの太田裕貴、柔道石井慧は、満面の笑みでした。これは、アテネ大会の北島同様、目標が今大会で終わりではなく、まだまだ目標が先にある若手だからでしょう。
 
涙があった反面、笑顔もありました。前回大会で銀メダルに憮然としていた伊調千春は同じ銀メダルに満面の笑顔でした。今大会で引退を決めており最も涙が似合うはずの400mリレーの朝原選手も笑顔でした。彼らは、いわば最終的な目標=goalに到達したことによる満足の笑顔だったのでしょう。
 
いずれにしても、「目標」をどこに置くかでこうした涙や笑みの意味が変わってくるのでしょう。翻って、またまたここにくるかと思われるでしょうが、野球代表チームが最終戦を終えてどんな顔をしていたか見ていないので知りませんが、きっと涙はなく、ただうつむいていただけなのではないでしょうか。ソフトボールも実業団リーグがありますが、彼女たちの最終的な目標は、間違いなく世界最高峰を決めるオリンピックだったはずです。それに対し、プロ野球選手たちの目標は、通常は優勝争いや、自分の成績です。世界大会に慣れていないプロ野球選手たちにとっては、それが当然です。そういう意味では、星野ジャパンの敗戦の原因のひとつには、「目標」をしっかり選手たちに植えつけることが出来なかったことにもありそうです。
 
帰国した選手たちが、シーズンに復帰し活躍していますが、なにか複雑な感じですよね。次のWBCでは目標の切り替えをしっかりしてほしいものです。散ドラ諸君も悔し涙が出るくらい、目標を高く掲げてやってみよう。

コメント
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