私の父親は、小学生の頃は(男の私にだけ)非常に厳しく、少しの口答えも許されず、始終ゲンコツをくらっていました。私の方に言い分がある時でさえ、「へ理屈言うな」の一言で片づけられ、非常に怖い存在でした。それが、中学生になるとパタリと殴られなくなりました。もちろん、父を見下ろすほど私の体がでかくなったわけではありません。その時すぐには分かりませんでしたが、しばらく経ってから私を大人と認めてくれたのだと気づきました。しかし、そうなると自分の責任ですべてやらなければいけないということです。事実、その後の進路など様々なことを自分で決めて、それに対して意見を言われたことはありません。
翻って、自分が中学生の息子を持つようになり、父と同じように出来ているかというと、なかなかそこまでいきません。もちろん、小学校の時とは違い、本人の意思に任せることは多くなっているのですが、前向きな時はともかく、後ろ向きの時にはついひとこと言いたくなります。もちろん、こうしろとは言わないのですが、それに近いことを言外に言っている気がします。
しかし、結局は自分自身がやる気になってこそなんですよね。中学生になったからといって本人に任せて放任ということではなく、本人がやる気になるように持っていければいいのですが、中学生になると、行動範囲を含めてどんどん親の目が届かなくなっていきます。やはり、前向きな時も、後ろ向きな時も、本人が気づくのを見守り、何か相談があれば受け止めてやるという役割に徹するしかないようにも思います。
父親がそんな風に思っていたかどうかは知りませんが、戦争と戦後を生き抜いた世代は強いなあと思います。