既に若くして日本プロ野球界の第一人者であるダルビッシュ選手ですが、今年はさらに凄みを増しています。キャンプ中から今年は本当に球が速いなぁと思っていましたが、今日のオープン戦でも、150km/h台の速球をバンバン投げ込み、圧倒的な球威を見せつけました。
まさに、日本のエースというピッチングです。普通、ダルビッシュくらいのエースであれば、これくらいの時期は。「まだまだ調整段階」といっても許される立場ですが、今開幕しても問題がないほどの出来です。いろいろと周囲が騒がしい中でも、ここまでに持ってくるのは、まさにプロですね。
大物とはいえ、昨日登板した西武の新人・大石のピッチングなどは、まだまだと思えてしまいます。比べるのは酷かもしれませんが、年齢でいえば、そんなに違いはありません。こういう本当のプロフェッショナルの姿を見て、また奮起して本当のプロになってほしですね。プロフェッショナルは、次のプロフェッショナルを育てる効果もあります。
ダルビッシュは、今年体重を10kg増やして球威を増したと言われていますが、結構大胆なチャレンジですよね。研ぎ澄まされた感覚が必要なプロ選手にとって、体重の増減はそんなに簡単なことではありません。
清原のレスラーと見間違うような肉体改造が失敗だったのは明らかですし、サッカーのカズもヨーロッパ移籍時に体重を増やして体のキレを失いました。上原浩治投手もメジャーに入って球威を増そうと体重増を図ってかえって体のキレを失ったそうです。それほどプロの技は、微妙で繊細なものですが、ダルビッシュはそれをうまくコントロールしたようです。
巨人の新人沢村投手も高校時代は平凡な選手だったのが、大学時代の肉体改造で大変身しましたが、投球を支える下半身だけをウェートトレーニングし、ピッチングをする上半身自体は、ウェートトレーニングをしなかったそうです。ダルビッシュもおそらく、そうした繊細な神経を使って、自分の体と向き合ったのだと思います。
落合中日監督の持論として、野球で必要な筋肉は野球でしか身に付かないということがありますが、きっとそういうことなのだと思います。清原選手は才能豊かな選手ですし、実績も立派なものですが、本当のプロフェッショナルだったとは、どうしても思えません。
ダツビッシュなどの本当のプロの技を見て、多くの選手がそれに続いてほしいものです。その意味でも、今年のダルビッシュには20勝するくらいの活躍を期待です。そして、体も絞れてようやく坊主頭が板についてきた中田翔の飛躍も期待です。T-岡田、おかわり君との本塁打争いをするくらいで、まあまあってところでしょうね。