与那嶺要さんが亡くなりました。与那嶺さんは、日本プロ野球界に激しいスライディングなどアメリカ流のプレーを持ち込んだり、首位打者と取ったり、中日の監督として優勝したりと、数々の足跡を日本球界に残しましたが、最大の功績は、王さんのお手本となったことではないでしょうか。
新聞記事にもあったように、王さんが子どもの頃に、後楽園球場で初めてサインをしてくれたのが与那嶺さんで、その時の感激を忘れず、王さんは必ずファンのサインに応じるようになったというのは有名な話です。巨人のスター選手たちが、目を輝かせる野球少年のサインの依頼にいちいち応じない中、与那嶺さんだけがファンを大切にする姿勢を示したわけです。そのおかげで、世界のホームラン王にして、なおかつファンをもっとも大切にする王選手が誕生したわけです。
しかし、与那嶺さんも立派ですが、それを忘れず、どんな時でもファンのサインには必ず応じるという王さんもすごすぎると思います。家に送られてくるファンレターにも、必ず返事を書くという律儀さだということです。現役時代でも、時間のある時には、返事や依頼されたサインを書く専用の部屋にこもって何時間も書き続けたそうです。
王さん自身が「僕のサインは安いよ。数えきれないくらい書いているからね」というほどですから、その数やどれほどかと思われますが、その数だけ、多くのファンに夢や感激を与えたのだと思いますし、王さんの後に続く選手たちも生まれたきたのだと思います。
プロ選手は、プレーがもっとも大事なのは言うまでもありませんが、「ファンを大切にし」、「後輩たちのお手本となること」もとても大切なことだと思います。