福島第一原発の状況は、4号機に炎が見えたという報道と、消えたという報道のほか、今のところ進展はないようです。
2号機の圧力容器への給水を継続するとともに、次なる課題は、点検のため休止していた4号機の使用済み核燃料を入れていたプールの水位が下がって、温度が上がっていることです。周囲の放射線レベルが高いこと、爆発により開いた建屋の穴からうまく放水できるかという懸念、圧力容器内の燃料棒に比べれば温度は低いもののどの程度の温度、量があるのかがよく分かっていないこと、などが、課題となっています。
いずれにしても、こうしたことを一つ一つ潰して、問題解決を図っていくしかありません。
今日は、記者会見が少ないせいか、テレビ番組も抑制的な報道が多いですが、昨日は、3号機周辺で高レベルの放射線量が観測されたことを受け、扇情的なテロップ、報道姿勢が目立ちました。
「メルトダウンの可能性も…」
「関東にも放射線飛散!」
など、ウソではないでしょうが、報道すべき問題の本質はそこではないでしょうし、いたずらに不安を煽るだけのキャッチコピーです。日本のマスコミの本質である、視聴率を獲らんがための、程度の低い商業主義が透けて見えました(商業主義はもちろん否定はしませんが、正義の皮をかぶっていることが悪質だと思うのです)。
今朝の新聞社会面でも、東電の会見を「あいまいな態度に終始」「報道陣の抗議にも明確な回答なし」「どれだけの大事故かという危機感が欠如」と批判的な記事を載せていましたが、出せる情報がないところに、いくら吊し上げたり、抗議したりしたところで何も出てこないと思いますし、扇情的な答を引き出そうとする悪意ある詰問をされればされるほど、専門家、当事者として慎重になるのも当然です。そんなことにも理解が及ばす、上から目線で物申すクオリティペーパーと言われる新聞も、所詮この程度のレベルだということです。
情報が遅い、少ないということに問題があると思ったら、東電の現地の指揮、報告体制がどのようになっているのか、本社での分析、指導体制がどのようになっているのか。一企業で対応できるレベルになっているのか。こういったことを明らかにし、政府やテレビがスタジオに招いている専門家に提言すべきであって、今、目の前にある問題の解決に、全精力をあげるべき相手に対して、不要な攻撃を加えることではないと思います。
周辺住民、国民が期待しているのは、一刻も早く、原発を安定的な状態に戻すことであって、くだらない吊し上げではありません。関係者は一致団結して問題解決に全精力を注いでほしいものです。