民主党の新代表に、野田佳彦財務大臣に決定しました。
下馬評通り、小沢・鳩山グループの支持を受けた海江田さんが143票で1位となりましたが、前原氏の出馬で苦境に立ったと見られた野田さんが102票と意外(?)な健闘を見せ、74票の前原氏に大差をつけ2位に入り、決選投票に持ち込みました。そして、決選投票では、野田さん215票、海江田さん177票と逆転劇を演じました。
その背景については、いろんなところで報道されていますので、改めて述べませんが、この結果は悪くなかったのではないかと個人的には思っています。
まず、第一に人格・人柄が信頼できそうなところです。前代表は問題外でしたが、前々代表も宇宙人と言われたようにだいぶ変わっていました。その点、極めてノーマルな人だと思います。若く見栄えもいい前原氏が国民の人気は高かったですが、話し方・表情のガードが高く、その人格・人柄が本当のところどうなのか私には伺い知れません。
第二に、不人気の原因でもあった財政規律重視の姿勢で、「財務省の言いなり」など陰口を叩かれていましたが、日本の今の状況で、財政規律を重視しなければ、その人の常識を疑います。景気との兼ね合いもあるので、タイミングが難しいと言われますが、デフレ状況が長引く中、本当にそんなタイミングが来るのかどうか私は疑わしいと思っています。であるならば、タイミングいかんにかかわらず、やるべき時にやるということを、誰かのように口先だけではなく、いかに国民に真摯に語りかけられるかがポイントになると思います。
第三に、信念でしょうか。これまでの代表選では、政治の方向性が似ている前原氏とタッグを組むことが多く、支援されたり、支援したりと一本化を図ってきました。しかし、そうした「人の好い」態度に、馬淵氏・松本剛明氏などが離反するということもあったそうです。今回も早々に出馬を表明しながら、慎重姿勢だった前原氏が出馬し、俄然不利な立場に立たされましたが、ここで退いていたら、都知事選の松沢氏と同じように、完全に政治家としては死んでいたでしょう。そこを、不利は承知で出馬に臨んだ乾坤一擲の覚悟、信念は、少し期待したいと思います。
地味ではありますが、地力はあると思います。そして何よりも、中身が何もなかった前任者の後ですから、何をやってもプラスです。思い切ってがんばってほしいと思います。