何も今日に限ったことではなく、これまで数々の信じられないようなゲームが繰り広げられてきたわけですが、今日の第4試合の智弁(奈良)対横浜(神奈川)戦もそうでした。
横浜の2年生エース柳投手は、予選でも完投はなく、継投がいつものパターンとのことですが、今日は非常に安定したピッチングで最終回まで来ました。スコアは1対4で横浜がリード。智弁が得点する雰囲気がまったくなく、誰もが横浜の勝利を疑っていなかったと思います。
ところが、9回先頭打者にヒットを許し、いつもの継投に入り、流れが変わりました。続けてヒットを打たれたものの二死までこぎつけ、そこからヒットを打たれ1点を入れられたものの、まだ2点差で横浜有利の展開です。しかし、次打者を死球として二死満塁。
ここで、打者は代打西村。今大会初出場の選手です。普通なら難しい場面ですが、甲子園は魔物が住んでいると同時に、控えでもしっかり準備している選手には天使も微笑むのかもしれません。粘って、食らいついた当たりは、ライト前に落ちて、2者を向かい入れる劇的な同点打となりました。
これで流れは完全に智弁に移りました。この後、横浜はさらに3人の投手をつぎ込むも、智弁の勢いを止められず、さらに5点を奪われ、完全に突き放されました。それまで1点で完全に抑え込まれていたのが、9回表二死から8点です。逆転された横浜はもちろん、逆転した智弁の方も「まさか」という顔をしていましたね。
横浜がいつもの展開で継投を選択したのは間違いではないと思いますが、きっとどこかで何か歯車が狂ったのでしょうね。9回頭から代えていればまた違った展開だったかもしれませんんし、先頭打者を抑えていれば違ったでしょう。しかし、そうした「たら、れば」ではない結果になったのは、甲子園には「何か」があるんでしょうね。恐るべし。