津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

秋山駿の「信長」を読む

2006-05-03 15:29:58 | 書籍・読書
 前段がある。秋山駿には「魂の言葉で語れ・信長と日本人」と云う本(著作ではない)がある。文芸評論家・富岡幸一郎氏との対談の内容が文章化されたものであり、一人称の語り口調で本音が書かれている。養老猛司氏の「バカの壁」などもやりだまにされ、「自分というものにあくまで固執して、その関心の範囲内で他人など問題にしないで物事を追求することの何処が悪いのか」とかみつく。そのことは信長への評価に繋がっているようだ。
「信長というのは、日本人にはめずらしい男で、戦争を現実だけから学んだんだ。余計な教養なんかは要らない、自分自身の現実だけから学んだんだよ」とも云う。
堅苦しい文芸評論など読む気になれないが、この本はなかなか面白い。☆☆☆

 秋山もまた、自分に固執して「信長」に挑戦している。西洋の古典などを引き合いに出し、「西洋的天才信長」と紹介する。
野間文芸賞や毎日出版文学賞受賞作だというが、ご尤もと納得する力作である。 
コメント
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