津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

三島由紀夫著「奔馬」を読む

2006-05-27 10:14:11 | 書籍・読書
 三島由紀夫の「奔馬」の作中にある、「山尾綱紀著・神風連史話」が読みたくなって、「豊穣の海」シリーズ「春の雪」「奔馬」を読む。この「神風連史話」はもちろん三島の創作であるが、石原醜男著「神風連血涙史」がベースになっているという。作中約40ページにわたり、この「神風連史話」が披露されている。(新潮社・三島由紀夫全集13)三島のあの壮烈な死を思うとき、この作品は一つのヒントを与えてくれるのではないかという思いがあった。最後の主人公の死のシーンは、彼が理想とする純粋な死の形であったのだろう。彼のなかにあった神風連への思いが、如何に大きいボリュームであったのかを改めて思い知った。800頁に及ぶ、三島の耽美の世界に数日はまり込み、些かの疲れを感じている。
コメント (2)
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