熊本藩年表稿で寛政八年の項をみると、5月「十五日頃より雨降続き、度々洪水」とあり、6月11日「大雨降る、熊本大洪水」12日「洪水1丈6尺、緑川・加勢川筋53ケ所塘切れ、藤冨村権藤「古ホゲ」を生ず、俗に辰の年の大水」とある。
「古今未曾有の洪水、熊本府内京町山崎の外全域浸水、潰家2,927軒、田畑15,202町、損毛362,2000石」と肥後近世史年表は記している。
上の記事はあるお寺様の由緒を読んでいる中にあった、この水害に関する走り書きの記録である。
正月中旬から雪が七・八寸(21~24㌢)も積もるという異常天気であったらしい。貴重な記録である。
蛇足:左にある カノト ミツノへ ミツノトの書き込みは余計物ですが、実はその左には 辛 壬 癸 の字が書かれて居ります。
振り仮名を付けて居られるわけですが、思わず笑ってしまいました。(失礼)