鹿島春平太チャーチ

「唯一の真の神である創造主と御子イエスキリスト」この言葉を“知っていれば”「天国での永生」は保証です。

49.自由吟味活動の難しさを示す事例

2018年05月22日 | 安全なキリスト教の学び方

 

 

「聖書の絶対正統な解釈を知る人間はいるのではないか・・・」という漠然とした意識~

これがものを学ぶ際に、「おびえ」の心理を作り出している。

だがこれから脱却するのは、日本人にとっては難しい。

    ~前回、そんなことを述べた。

今回は、それを示している事例を述べよう。



 
 
<自由吟味を貫徹してきた牧師>

海外に、自由吟味を徹底的に行い、とても深い解読にたどり着いた神学者兼牧師がいる。

彼は若い頃から、教団に呼び出されて再三尋問を受けた。

様々な迫害を被りながらも、自らの解読吟味を続け、ついに独自の解読(神学)を確立しはじめた。

教会メッセージもそれを元に行い、教会も成長を続けてきた。

 
 
 

<聖書解読を聞く会>

最近、この人の聖句解読を聞く会があって、わたし・鹿嶋も参加した。

十数人の小さな会で、参加者には同志的な親しい関係があった。

そのなかに一人の女性牧師がいた。

彼女は従来より、その解読を取り入れて自らの教会を運営していた。

牧会には癒しなどのしるしも現れていた。



 

<女性牧師の教会に問題発生>

二日目のセミナーが終わって、私は数人の牧師さんと雑談をしていた。

そのそき、その女性牧師さんが、一つの悩みを述べた~。

+++

~自分の教会に、あるとき3人程の信徒が他教会からグループで参加してきた。

彼らは説教をよく吸収し、感動し、喜びをもって教会活動をしていた。

ところがあるとき、グループみんなが退会し、他の教会に移っていった。

そして自分について「あの牧師は異端だ」と言いふらし始めた。

+++

しばらくして、その動きはおさまった。

ところがまた同じことが起きた。

一団のグループが参加して、活動して、脱会して「あの教会は異端だ」と公言する・・・という動きだ。

二度も同じことが続いて、どうしたらいいものか、悩んでいる~と。

 
 

<そもそも異端とは・・>

わたしは次のようなアドバイスをしてみた~。

「そもそも、異端という言葉は絶対正統な解釈を持っていて、それと違うことを根拠にして初めて言えるもの」

「そこで、絶対正統な解釈には、人間には到達できない・・・との前提を教会員に明示して牧会したらどうか」

「そして各々が助け合って、日々聖句解読を深めていくようにする」

「さすれば、もう“異端”という非難はしなくなるだろう」~と。

 
 

<米国南部の自由吟味教会を説明>


彼女は~「そんな牧会など出来るのだろうか」~と言った。

わたしは応えた~

「米国南部のサザンバプテスト教会は、みなこの方式で教会運営をしている」

「全員集まっての礼拝の前に、教会員はスモールグループ用の小部屋に分かれて、礼拝と同じ程の時間を使って聖句自由吟味会をしている」

「時には牧師も自由参加して、一般会員と対等に議論したりすることもある」

「彼は“これが正しい解釈”と主張したりは絶対にしない」

「それでいて、全員礼拝になると、講壇からメッセージを”自分の見解として”力強く語っている」

 
 

<牧師の権威はどうなる?>

すると女性牧師はこういった~

「それでは牧師は何も教えられないのでは?」

「牧師は聖霊によって指導者としてたてられている」

「聖霊によって正しい解釈を啓示され、毎週メッセージをする」

「牧師はそういう権威を聖霊によって与えられている」~と。

 
 

そこで鹿嶋は~よせばいいのに~こう語ってしまった。

「それではまた同じことが繰り返されるのでは?」

「聖霊によって啓示を受けるにも、その方法は聖句で探究すべきではないか」

「探究を始めるまでは、聖霊によって、という語は、あまり頻繁に使わない方がいいのでは?」

すると、女性牧師は怒り、席を蹴って出ていってしまった。

「あなた、もう一度現地に行って、よく勉強して来たら?!」と捨て台詞して・・・。

 
 

<脱却の難しさ>

このケースも、日本人の心の底には「正統な解釈は人間に出来る」という“漠然とした”思いが根深くあることを示している。

(このケースではそこに聖霊が持ち出され、この啓示で可能、という論法になっている)

これから脱却するには、その思いのさらに底に「人間は絶対正統な聖書解読には至れない」~という確信を明確に挿入しなければならない。

+++

私の見るところ、彼女は日本ではかなりいい牧師さんの部類に入る人だ。

その彼女においても、こういう事態が起きるんだ。

この脱却は日本人には、とても難しい、と覚悟せねばならないよ。
 
 
今回はここまでにしよう。







 
コメント (10)
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