鹿島春平太チャーチ

「唯一の真の神である創造主と御子イエスキリスト」この言葉を“知っていれば”「天国での永生」は保証です。

Vol.95「12章 独立戦争の種を仕込む」(2)~植民地も王家劇場国家の一部~

2012年03月25日 | 「幸せ社会の編成原理」

  

      
      
独立運動家は、まず植民地の人民に独立の理念を普及させねばなりませんでしたが、
これは並大抵のことではなかった。
ヘンリー8世からエリザベス女王、さらに後のビクトリア女王の治世の時代へと、
英国は繁栄の道を進んでいました。

余談ですがこれには聖句主義者の寄与したところまことに大きいものがありました。
バイブリスズムは国力隆盛の強力な推進源なのでして、
われわれは英国から後の米国への世界指導力の移動が、バイブリシストの居住地移動と
軌を一にしていることを見逃してはなりません。

がともあれ、英国はエリザベス時代には大国スペインの無敵艦隊を破り、
世界の海の制覇に踏み出し破竹の進撃を続けていました。
国民の王権への信頼も高く、それがアングロサクソン民族の愛国心と順法精神を高めていました。
     
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その背景には英国王室のとった見事なアイデンティティ政策もありました。
当時の英国は、国全体が王家をヒーローとする劇場のようになっていました。
スターは王家のみであって、人民はこの情報だけを与えられてテレビドラマを見るかのように
一喜一憂していた。

アメリカ大陸植民地も心情的には本国の一部でした。
各地の広場や公共施設の前には、国王の銅像が建っていました。

教会におかれた祈祷書には、「国王にゴッド(創造神)の祝福がありますように」とのフレーズが
組み込んであって、人民がそれを毎週の礼拝時にとなえる仕掛けになっていました。
植民地人民も王家の人々を愛し、この人々の恩恵で自分たちは生活が出来ていると
信じ込んでいました。

欧州の王国は概してこういう国家アイデンティティ政策が巧みなのです。
互いに他国に隣接していることもあって、人心が国王に集結するように、
あらゆる事物を入念に仕掛けないと国家の一体性が弱まってしまう。
弱まると隣国が自国民を誘惑し始め、機を見て攻め込んでくるのですね。

英国ではこれがとてもうまくいっていて、アメリカ植民地の住民にも自分たちはロンドンや
シェークスピアを持つ王国の一員であるとの心情が潜在意識層に深く根付いていました。

独立などしたら英国国民としてのアイデンティティを失う。
そういう心理が彼らの心底によこたわっていました。

植民地におけるこの心理の広がりは、後の独立戦争における英国軍兵士数にも現れています。

英本国から来た兵士数が12,000名だったのに、
植民地住民でありながら英国側に属して戦った兵士は50,000名もいました。
彼らはトーリーとかロイヤリスト(王党派)という名で呼ばれていました。




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