聖句の持つ精神土壌改変力に戻ります。
この力のいくつかを筆者は要素としてVol.141にひとつひとつ前記しました。
だがこういう考察はつまるところは理屈です。そして理屈の筋道は基本的に様々にたてられるものです。
そういうものは、確固とした歴史事実にはかなわない。
これがやってきたら、妥当しない理論は道を譲るべきものとなります。
本書はその事実を追ってきました。歴史は~
1. 人間の社会集団が一体となって活動するには管理階層方式をとる必要がある。
2. だがそうすれば、個々人の精神と知性ははまるで魔術にかかっていくがごとくに劣化し、みんなで悲劇に陥っていく。
3. そういう避けられない罠から、人間を回復し救い出すのは、そこに併存する自由思考空間である。
4. だが管理階層組織のうちには、自由思考空間を撲滅しようとする動物的本能が常時働いている。
5. その組織からの圧迫、迫害に耐えて「考える空間」を造るだけの精神的推進力を人間に与えるのは、聖句吟味活動である。
~という事実を秘めていました。本書はそれを明かしてきました。
今それを知って、聖句吟味に踏み出すか、あるいは、別の方法を探るかは、日本人個々人の選択です。
本書を「著者の聖句吟味会宣伝」と穿つのもいいでしょう。
「宗教の教典は怖い」としりごみするのも結構でしょう。
「日本には日本独自の道がある」と探し始める、これまた結構。
何でも結構、好きなようにしたらいい。それは読者の選択です。
だが批判だけしてなにもしないのは避けることを期待します。
逃げ道をふさぐつもりはありませんが、もう「責任を持った選択」をすべき時に思います。
+++
そしてこれだけは忘れないようにしたいと筆者は願っています。
人間集団は、自然なままでは管理階層システムとともに閉塞状態に陥り、自己崩壊していきます。
それを回避する道が見えない中で生きるのがいかに悲惨なことか。
それは闇の中でどちらに進んだらいいかわからないで歩いている状態です。
その道が歴史の中に示されたのです。
道の一端が宗教の領域に踏み込んでいようがいなかろうが~とにかく示されたのです。
この「歴史の恵み」への感謝は忘れないようにしたい。
それを祈って本書を閉じることにします。
(完)
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