Sightsong

自縄自縛日記

『鬼太郎が見た玉砕』

2007-08-12 23:59:32 | アート・映画
NHKで放送された、『鬼太郎が見た玉砕~水木しげるの戦争~』を観た。

水木先生のことは昔から好きだし、大友良英が音楽担当ということで、楽しみにしていた(→「大友良英のJAMJAM日記」)。梅津和時のバスクラ、それから大友良英(か他の人)の電子音とノイズ、誰かのマリンバ、音楽がとても効果的だった。

肝心のドラマも、面白くて哀しい面を正直に出していて好感が持てた。いわゆる感動作ではないからなおさらだ。

水木しげるの回想録は、中学生のときに、図書館で『のんのんばあとオレ』、『ほんまにオレはアホやろか』の2冊を借りて読んだことがある。どっちに書いてあったか忘れたが、上官の母親のところを訪ねては上官を褒めちぎり「葱ぬた」をもらったこと、戦地で野糞が固くて出ず、一時間かけて枝で少しを掘り出したこと、腕をなくした顛末、現地のコミュニティに受け容れてもらった夢のような生活、なんてことをまだ覚えている。

このドラマの肝は何なのだろうか。戦争のつらさか、軍隊という社会の異常さか、軍人階級の自己模倣か、少数者意見を抑圧する構造か、戦死した方の無念か。おそらく全部なのだろうが、ここでは戦争の<情けなく、哀しい>側面が強調されたのだと思う。それから、心、とか、考えの多様さ、とは対極にある、戦争や軍隊の論理は、いままた浮上しすり込まれていることを思い出さなければならない。

ところで、水木しげるが戦地を再訪したシーン(1971年)では、たぶんキヤノンFTbとフジカのシングル8カメラ・P300(?)を使っていた。この観察が正しければ時代考証は問題ない。キヤノンFTbは1971年から、P300は1967年からの生産である。最近では、オリンパスL-10スーパーを使っているようだ(→「アサヒカメラ」記事)。


わが家の水木しげる先生人形

三番瀬(4) 子どもと塩づくり

2007-08-12 21:11:08 | 環境・自然

市川市三番瀬塩浜案内所(京葉線市川塩浜駅)で「夏休み企画」として実施されている企画、「塩浜の体験塾~めざせ、三番瀬の達人!~」に、子どもと参加した。市川市・主催、NPO三番瀬環境市民センター・実施。この回は「塩づくり体験」で、さっそく翌日、東京新聞にも掲載されていた(2007/8/12付「三番瀬で昔ながらの塩作り体験 『うちのより おいしいね』市川親子ら40人が参加」)。

もともと行徳界隈は塩田が非常に多かった場所である。徳川家康は塩田開発にあたり、その開発者に対し諸役の免除と年貢の免減を認めている。また家光も開発地域を拡大し、家康入城時の行徳七浜(稲荷木、大和田、田尻、高谷(以上は川向こう)、河原、妙典、本行徳)から、さらに下新宿、関ケ島、伊勢宿、押切、湊、前野、欠真間、新井、当代島が加わっている。現在暗渠化が進められている新井川なども、塩田に排水を流せないために作られた排水路だったようだ。(鈴木和明『行徳郷土史事典』文芸社)

配布された冊子によると、塩の作り方には大きく分けて、

藻塩焼き(海藻を燃やした灰などを利用)、
揚浜式塩田(塩浜という、砂を敷いた浜に海水を撒き濃縮していく)、
入浜式塩田(潮の干満を利用して塩浜に囲い込み天日で濃縮)、

があった。行徳で中心的だったのは③、今回の体験は②に似た方式ということになる。

面白く、子どもも喜んだ。できた塩はゆで卵や胡瓜につけて食べたが、本当に旨かった。 ここで作った塩は、「三番瀬の塩」という小袋(笑)に入れて持ち帰った。そういえば、那覇の「島思い」では、大城美佐子さんが「こっちにしなさい」と言って、出されている塩を「粟国の塩」に取り替えてくれたのを思い出した。

この、市川市三番瀬塩浜案内所では、アマモの生育やヨシの生育実験などを行い、三番瀬再生の準備をしている。市川塩浜駅の南口と案内書の間はヨシがぼうぼうだが、雑草を管理していない空き地というわけではなかったのだ。

なお、近くには、アマゾンの大きな物流センターがある(→記事)。そのためか、アマゾンで注文するとすぐに届くことがある。 このシリーズは8/18、25にもある(→リンク)。


砂に三番瀬の海水をかけては乾かし、最後に濾す Pentax SP500、EBC Fujinon 50mm/f1.4、フジVenus400、同時プリント


大きな鍋で煮詰めていく Pentax SP500、EBC Fujinon 50mm/f1.4、フジVenus400、同時プリント


塩が固まってきた Pentax SP500、EBC Fujinon 50mm/f1.4、フジVenus400、同時プリント


できた塩とゆで卵 Pentax SP500、EBC Fujinon 50mm/f1.4、フジVenus400、同時プリント


アマモの育つ水槽にはハゼなどいろいろな生き物 (コンデジで撮影)

次の移植に向けてアマモの種を育てている (コンデジで撮影)


ヨシぼうぼう (コンデジで撮影)