中国の空気は、山西省に入ると極端に悪くなった。石炭が採れるため、製鉄工場や石炭火力発電所が多く、大気汚染の一因となっている。また乾燥していることも、それに拍車をかけている。実際に、水不足は恒常的であり、市民は風呂にもあまり頻繁に入れないらしい。郊外もそうだったが、省都の太原(タイユワン)でも、ちょっと散歩して戻ると靴は真白になっていた。
それで、鼻、眼、喉の順で粘膜をやられた。もう体調は最悪で風邪っぽい。明日病院に行こう。
山西省の道 昼間であり天気が悪いわけでもないのに向こうが煙っている
==========
WWFジャパンのお誘いで、「環境・持続社会」研究センター(JACSES)主催のセミナー「クリーン開発メカニズム(CDM)質の向上のための課題」(2007/9/25)で話をすることになった。こういった講演自体は年に何回か引き受けているが、ほとんどは企業対象の「セミナー会社」主催のものか、特定の産業界主催のものだったりするので、環境NGOの主催は珍しい。
といっても、対象はやはり途上国でCDM事業(温室効果ガスを削減するための事業)を行うことに関与する企業の方だと思うが、排出権の良し悪しに興味を持っている方も参加して面白いものだと思う。 →プログラム
==========
横溝正史『悪霊島』を気分転換に読んだが、暗いしそれはないだろうという話なので、気分転換にはならなかった。これは初めて読んだが、中高生のころ横溝正史の諸作品は好きだったのだ。
映画も、運良く放映したのを観た。市川崑ではなく、篠田正浩が監督を務めている。そして妻の岩下志麻を最重要人物として登場させている。金田一耕助に鹿賀丈史。昔、映画のTVコマーシャルで「鵺の啼く夜は恐ろしい・・・ギャー」といっていたことを覚えている。
改めて感じたこと。横溝正史による、地方の封建的な家やどろどろと繋がりあった血縁を描くには、ゆっくり頭のなかで登場人物の関係性を整理しきれない、しかも2時間程度の映画では難しいのだろうということだ。逆に、いつもの市川崑のモダンでセンス溢れる作品は凄いのだということも。